大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

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幾分多かれ、また少なかれ、人間というものはだれしも人生の多様な真理を顕らかにしてくれる特定の物語、小説につながっているのだ。時として大いなるおののきの中に読まれる、これらの物語のみが人間をその運命との関連において位置づけるのだ。それゆえにこそ我々はこれらの物語がいかなるものたり得るかを、さらにまたそれによってロマンが更新され、いや、というよりも永久化されることになる努力をいかに方向づけて行くかを情熱をこめて極めていかねばならないのだ。『空の青み』ジョルジュ・バタイユ

 

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【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会

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新しい元号が発表されましたね。ニュー・クラシックのような趣で品があり音の響きもいいなと思いました。萬葉集からの典拠とのことですが、今月採りあげる折口信夫萬葉集にも深く精通し、声としての音律による萬葉世界を再構築した「口訳万葉集を発表しています。四千五百首を口述筆記、つまりすべて頭の中に入っていたようで、萬葉世界への愛着が尋常ではなかったようです。人文学が国家のおおもととなっていることを今回改めて思い知らされました。折口信夫は死の間際、魘されながら萬葉と皇統譜の関係について語っていたようです。

 

 

 

四月、平成最後の読書会はそれにふさわしく折口信夫の『死者の書』を読んでいきたいと思います。民俗学者、国文学者、歌人、詩人、小説家でもあり、天皇大嘗祭の研究でも大きな足跡を残した折口信夫。時代の節目に古代皇族の魂の交感を珠玉の文章で味わってみたいと思います。

 

4/28日曜日、午前10時より別府鉄輪ここちカフェむすびのさんにて開催します。参加希望者はホームページよりお申込みください。

 

 

 

内容紹介(amazon.jpより)

折口の言語感覚と幻想世界が交錯する傑作小説。詳細な注釈で鮮やかに蘇る!

「した した した」
水の音と共に闇の中で目覚めた死者、滋賀津彦(大津皇子)。
一方、藤原南家豊成の娘・郎女は写経中のある日、二上山に見た俤に誘われ女人禁制の万法蔵院に足を踏み入れる。
罪を贖う間、山に葬られた滋賀津彦と彼が恋う耳面刀自の物語を聞かされた郎女の元に、
「つた つた つた」
滋賀津彦の亡霊が訪れ――。
ふたつの魂の神秘的な交感を描く、折口の代表的小説。

本書は折口信夫の弟子で折口学の研究者として著名な故・池田弥三郎氏による詳細な補注、さらには作品執筆のきっかけとなった『山越阿弥陀図』および『當麻曼陀羅』をカラー口絵に収録。
死者の書』の決定版といえる。

解説・持田叙子

 

 

kannawanoasa.jimdo.com

 

平成と令和をめぐって

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大分で開催しているBunDoku哲学フェで平成について、次の令和について語り合った。私にとって平成は最後まで遠かったというか馴染めないものがあったのだが(疎外感があったのだと気づいた)、令和には親しみをはじめから覚え、その時代に参加したいというのか、その時代を佳いものにしたいという思いが不思議と湧いてくるのだった。元号というのはただの記号であるかもしれないが、そこには精神性があるのだろうか。天皇主義者でもないが、次の天皇皇后も仲良くというか、いろいろ葛藤はあるし批判もあるだろうが、朗らかに過ごしてもらえるといいなと思った。らしさにはもう充分に苦しんだろうから、素のままで認めてもらえる時代になるといいな。

 

 

【開催報告】第三十五回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

三月の別府鉄輪朝読書ノ会の開催報告です。三月は震災をテーマとした作品をとりあげたく、いとうせいこう氏の『想像ラジオ』をみなさんと読んでいきました。ご参加ありがとうございました。

 

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河野店長のドリンクは東北のずんだ(豆)をベースにしたアイスシェイクでした!美味しかったです。

 

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田中シェフのフードメニューは作品の「海」をモチーフにタンドリー秋刀魚を蒸したものでした!こちらも美味しかったです。

 

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ラジオと文学、断片と物語が交差する場所で、死んだ者とどうやって向き合うのか、向き合い続けるのか。直接被災していない当事者意識からは遠いこの九州の地でこそ〈想像〉でもって死者や遺族に近づいていける。死んだ後も続く世界、参加者の読みの違い、読みが多様であることが可能なこの作品について、いろいろと話すことができました。

 

 

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  1. 万葉の時代、和歌は亡き者たちに言葉を贈る「挽歌」から始まりました。今こそ私たちは、その言い伝えを蘇らせてもよいのではないでしょうか。亡き者たちに向って、真剣に言葉をつむいでみる。そのとき私たちは、世にあふれる「言葉」とはまったく異なる言語を超えた「コトバ」の存在に気がつくのです。若松英輔 Twitter