大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

無題

 

 

装置であるのは、むしろ小説の方なのです。装置でありながら、何の装置だか使用法がわからないものとして小説が存在しているのでなければいけない。(中略)小説という装置は、おそらく小説家にとってさえ、それが何に役立つか見当もつかない粗暴な装置であり、であるが故に、小説は自由なのです。蓮實重彦

 

 

【開催案内】第十七回 別府鉄輪朝読書ノ会

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八月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。

八月は戦争について考えたく、塚本晋也監督によって映画化もされた

大岡昇平の『野火』を課題図書とします。

 

内容紹介(「BOOKデータベース」より)

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

 

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大岡/昇平
1909‐1988。東京生れ。京都帝大仏文科卒。帝国酸素、川崎重工業などに勤務。1944(昭和19)年、召集されてフィリピンのミンドロ島に赴くが、翌年米軍の俘虜となり、レイテ島収容所に送られる。’49年、戦場の経験を書いた『俘虜記』で第1回横光利一賞を受け、これが文学的出発となる。小説家としての活動は多岐にわたり、代表作に『野火』(読売文学賞)『レイテ戦記』(毎日芸術大賞)などがある。’71年、芸術院会員に選ばれたが辞退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

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第十七回 別府鉄輪朝読書ノ会

課題図書:『野火』大岡昇平新潮文庫

とき:2017年8月20日(日)10時より

ところ:別府鉄輪ここちカフェむすびの

 

参加希望の方は以下のホームページよりお申込みください。

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

【開催報告】第十六回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

第十六回の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。主催者のシミズです。今回は別府市で老舗のお味噌屋さんを営む坂本長平商店の坂本さんに写真を撮っていただきました。坂本さんは各地で写真の作品展を開かれています。ありがとうございました。

 

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今回の課題図書は川端康成の『みずうみ』でした。話がとびとびで混乱した、理解できなかった、著者の観察眼の鋭さに驚いた、その変態ぶりにに川端康成のイメージが変わった、登場人物が全員変、意識の赴くままに場面が転換するこの感じはデイヴィッド・リンチの映画に似ている、川端の美少女コレクション、太宰が健全に感じる、川端のシャレのならなさ、などなど思い思いの感想を語っていただきました。

 

川端の変態についての解釈(尾行とストーカーは違う。距離が大事)や様々に入り組んだ連関的な要素(湯―みずうみー貸しボウトー蛍―水木)、宮子が子宮に読める、宮沢賢治と逆のベクトル、銀平の抱える存在論的な〈かなしみ〉についてなど、さまざまな読みが展開されていきました。作者の思惑を超えた無意識を呼び込む書き方に楽しく翻弄されつつも、人間の暗部を直視するそのまなざしにゾッとする、共感ができる人、できない人、ここまで書いていいのかと思う描写の数々に言葉を失う、そんな作品でした。

 

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新潮文庫の裏表紙に書かれた紹介文。改訂前(手前)と改訂後(後)で違います。

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むすびのの店主河野さんから牛蒡茶の紹介。ごぼうの花言葉は〈私にさわらないで〉とのこと。

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田中さんから今回の作品にインスピレーションを受けてつくったギョロッケ・バーガーの紹介です。川端康成のギョロギョロした目で相手を見つめるエピソードから聯想とは!

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たいへん美味しくいただきました。ありがとうございました。

 

次回8月は20日開催です。課題図書は戦争について考えたく、大岡昇平の『野火』(新潮文庫)をとりあげます。ご関心ある方はホームページよりお申込みください。

 

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

 

 

 

 

広がる“読書ゼロ” ~日本人に何が~

 

広がる“読書ゼロ” ~日本人に何が~ - NHK クローズアップ現代+

 

「トンネルを抜けると雪国であった」という一節を読むとき、まずは言葉を視覚で捉え、次にその意味を理解しようとします。
このとき脳は、どんな景色なのか、主人公はどんな人なのか、イメージを補おうと視覚をつかさどる部分が動きだします。
すると、過去に見た風景などの記憶をもとに、想像を膨らませ場面のイメージが脳の中に出来上がります。読書による、こうした一連のサイクルが、想像力を養うことにつながると考えられています。」

 

「読書と言っても、そういう言葉だけでは実はなくて、視覚的に映像を頭の中に想起するとか、過去の自分の体験と照らし合わせて対比して考えるとか、自分で得られた情報から更に自分で自分の考えを構築するというプロセスがはいってくるので、人間の持っている創造的な能力がフルにいかされることになります。」

 

 「それと、もう1つは、さっきの雪国、トンネルを抜けると雪国であった、あれの解釈で、脳がこういうふうに働いてみたいな話がありましたけど、あれは人によって、ものすごい違いますよね。

例えば、僕はあの文章読んで、あの文章、その、トンネルを抜けると雪国であったという、これは日本語としてはすごい破格の文章ですよね。
だから、そこに僕はぱっと関心がいって、だから視覚がまず来てみたいなね、そういう感じは全くないですね。
あっ、不思議な文章だなって。
で、その文章が自分に与えるイメージとか、要するに、ある本、あるいはある文章を通して、その人の脳を刺激するしかたっていうのは、ものすごい違うわけですよ。
だから読書論とか、その本に関するいろんなものの考え方っていうのは、何について言うのか、それから、どういう人について言うのか、それによってものすごく違うんですね。」 立花隆 

 

 

 

www.nhk.or.jp

読書は必要か不必要か

 

 読書が必要か不必要かについての答えは、「あなたの読んだ本の中にだけ存在する」として「人類の多くが『本を読め』というのか、その答えが知りないなら本を読みなさい。あなたの答えは誰も持ってない」と解説したお母さん。答えが知りたくないのなら本を読む必要はないとしつつも、「答えを他人に求める人はばかだと思われても仕方がない」と最後は厳しくも真理を突いた回答で締めくくっています。

 またこのほかにも「自分の思考から離れる時間を持つことができる」「自分にとって未知なる世界の可能性を教えてくれる」「本を読むことは自分の経験を増やすことなのかと思う」など、たくさんの回答が寄せられている今回のツイート。あらためて「なぜ本を読むのか」を考えるきっかけになっているようです。

 

nlab.itmedia.co.jp

 

【開催案内】第十六回 別府鉄輪朝読書ノ会

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第十六回目の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。

七月は川端康成の『みずうみ』をみなさんと読んで行きたいと思います。

 

 

内容紹介

美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。

 

 

参加希望の方はホームページよりお申込みください。

参加のお申込み - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

 

【開催報告】第十五回 別府鉄輪朝読書ノ会

第十五回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。朝は大雨が降っていましたが、開催時には晴れてきて安心しました。

 

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今回は安部公房の『砂の女』をみなさんと読んでいきました。作品の知名度でしょうか、いつもより倍以上の参加者が集まりました。ありがとうございました。

 

口の中が渇いてくる、皮膚がヒリヒリする、砂のざらざら感がする、汗ばんだ不快感があるといった身体的な反応が読んでいる間や読後に訪れるという感想が多く聞かれたり、登場人物や世界観の不気味さに対する嫌悪感こそが、多くの人を惹き付ける源ではないのかという意見もありました。物語の構想力、人物設定、舞台設定、広範な知識と文体が完璧な調和をなして作品をつくりあげている。この引きずり込まれる感覚は男性が結婚生活や仕事にもっているイメージなのではないか。労働の為の労働とは現代の労働観を象徴している。男は環境そのものを変えようとする、女は環境を当然なものとして受け入れる。男は望んで穴ぐらに入り込んだのだ。忘れられたい欲望、存在証明を消したい欲望。などなど、みなさんのさまざまな読みが聞かれました。

 

 

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今回むすびのさんから提供された料理は、サンドカラーで統一された!地獄蒸しの卵と奈良漬をはさんだパンにハモのすり身の玄米おむすびでした。美味しかったです。

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コーヒースムージーは見た目も砂っぽく、そして食感も見事じゃりじゃりしていました!

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むすびの田中さんから、料理の説明がありました。

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Mさんの付箋…。ここまで読み込まずともお気軽にご参加くださーい。

 

今回が理系の変人が書いた小説なら、次回は文系の変態、川端康成の『みずうみ』をみなさんと読んでいきたいと思います。7月23日(土)10時よりここちカフェむすびのさんにて開催します。ご興味のある方、ご参加ください。

 

お申し込みはホームページよりお願いします。

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会