大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

おらおらでひとりいぐも

 

 

生きて死んで生きて死んで生きて死んで生きて死んで生きて死んで生きて 

『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子

 

【ご案内】1月の別府鉄輪朝読書ノ会

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新年最初の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。1月は参加者からのリクエストの多かった筒井康隆『旅のラゴス』(新潮文庫)をとりあげたいと思います。ご興味ありましたらぜひご参加ください。

 

内容(「BOOK」データベースより)

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

参加のお申込み - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

今年もありがとうございました。

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鉄輪温泉の年末は観光客の方が増えるものの、とても静かです。

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ぼくはすじ湯温泉によく入ります。

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シャンプー、石鹸は使えません。純粋に湯に浸かるだけの湯治スタイルです。湯の質は鉄輪のなかでも一番だと思います。

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オカユさんと遊び、

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読書に勤しみます。

 

年末年始は読書する時間がまとまってとれるので有り難いものです。今は、山本芳久著『トマス・アクィナス』を読んでいます。この本はトマス・アクィナスについて書かれたものでありながら、同時に書物とは何か、本を読むとは何かの問いにも端々で触れています。たとえばこんな一文。

 

偉大な思想家の思索の全貌を薄く広く要約的に紹介するだけの「入門書」は、結局、何に対しても読者を「入門」させてくれない。真の入門書は、読者を門のなかへと導き入れ、たとえ遅々とした歩みであったとしても、読者が自らの足で歩み始めることができるよう、促すものでなければいけない。

 

別府鉄輪朝読書ノ会もまた、遅々としたものであることを恐れず、じっくりと一つの作品に向き合っていきたいと思います。来年もまたみなさまのご参加をお待ちしております。よいお年をお迎え下さい。

 

 

 

 

【開催報告】第二十一回 別府鉄輪朝読書ノ会

こんにちは。第二十一回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。主催者のシミズです。朝から小雪のちらつく寒い日でしたが、多くの方に集まっていただきありがとうございました。今回はみなさんと宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んでいきました。

 

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賢治愛を語る方あり、冒頭の一文にやられるという方あり、独特の語感、描写のきれいさに感心する方あり、また法華経の世界観から語る方もいました。

 

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今日のドリンクは宮沢賢治が好きだったサイダーが提供されました。御当地サイダーを集めてもらいました。

 

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フードは作品にも出ました芋と豆腐と揚げのシチューと玄米の焼きおにぎりでした。たいへん美味しかったです。

 

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店長の河野さんからは、銀河鉄道の夜の特別きっぷにちなんで、収集していた昔の国鉄の切符を見せてもらいました。今で言う乗り鉄だったようです。

 

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切符を切る鋏の形が全部違う❗️

 

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年内の読書会はこれで終わりです。年明けて1月は筒井康隆の『旅のラゴス』をみなさんと読んでいきます。お楽しみに。

 

 

 

 

【開催案内】第二十一回 別府鉄輪朝読書ノ会

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12月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。年内最後の読書会は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』(角川文庫)をみなさんと読んでいきたいと思います。同収録の「よだかの星」などの作品も読んでいきます。

 

 

 

内容(「BOOK」データベースより)

―永久の未完成これ完成である―。自らの言葉を体現するかのように、賢治の死の直前まで変化発展しつづけた、最大にして最高の傑作「銀河鉄道の夜」。そして、いのちを持つものすべての胸に響く名作「よだかの星」のほか、「ひかりの素足」「双子の星」「貝の火」などの代表作を収める。

 

 

 

ご興味ある方はホームページよりお申し込みください。

kannawanoasa.jimdo.com

 

【開催報告】第二十回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

第二十回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回とりあげた小説は武田泰淳の『ひかりごけ』。新潮文庫には『流人島にて』『異形の者』『海肌の匂い』が収められており、これらの作品も読書会の対象としました。

 

ー仏像が監視しているな

 

それぞれの作品に通底するテーマについての指摘。人と仏、見るものと見られるもの。

 

文明の薫りがない作品、言葉にし難い、人であるとは何ぞやという哲学的な問い、読んでも分からないところが多かった、今の言葉とは違う重みにガツンときた、読み応えがあった、内容の重さと語りの軽さが面白かった。

 

など言葉を搾り出しながら、みなさんと感想とシェアしていきました。

 

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むすびのさん提供のドリンクは作中に出てくる羅臼の昆布を意識しての、昆布水をベースにプルーンのジャム。お通じが良くなるそうです。

 

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そして軽食の方はツナと玄米に、鱧と鯒のブイヤベース。たいへん美味しかったです。

 

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むすびの田中さんより、メニューの説明です。『ひかりごけ』は飢えの極限状態のなかでの人肉食がテーマになっており、食事が食べられることの有難味を今回しみじみと感じました。

 

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それぞれの感想を持ち寄り、作品の背中を追っていく、スリリングな回となりました。
 

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次回は年内最後の開催となります。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をみなさんと読んでいきたいと思います。

 

 

異形の者

 

 

すでに女を知ってからの戦地での禁欲生活には死の恐怖がつきまとい、獣的なものが表面化されたが、この八十人の仲間の白衣からもれる男の体臭につつまれながら、白足袋をはいた足を組みあわせて天井を仰いだりしている白昼には、自分の若い皮膚の毛穴の一つ一つが、女に向って息づいているのを自覚する瞬間があった。その瞬間、私にとって、女性こそ極楽であったのかもしれなかった。

『異形の者』武田泰淳