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大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

無題

 

 

われわれ人間が人間である、ということの意味は、生きているかぎり哲学や文学、歴史がつきまとう、ということである。これは人間の条件であって、たんに道徳を意識的に遠ざけても、そこに道徳は存在する。生きているだけでも、虚構にせよ真実にせよ、ひとはそこに言葉を、つまり歴史と文学とを残す。 歴史家 田中希生

 

 

【開催案内】第十三回 別府鉄輪朝読書ノ会

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こんにちは、代表のシミズです。今日から新しい年度の始まりですね。

 

4月の別府鉄輪朝読書ノ会は夏目漱石の『草枕』をとりあげます。おかげさまでこの読書会は4月で1周年を迎えます。昨年は夏目漱石の『こころ』をとりあげましたが、今回は九州の温泉宿、季節は春を舞台にしたこの作品をみなさんと読んでいきたいと思います。参加希望の方はホームページよりお申込みください。

 

参加のお申込み - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

内容紹介

智に働けば角が立つ――思索にかられつつ山路を登りつめた青年画家の前に現われる謎の美女。絢爛たる文章で綴る漱石初期の名作。

内容(「BOOK」データベースより)

智に働けば角がたつ、情に棹させば流される―春の山路を登りつめた青年画家は、やがてとある温泉場で才気あふれる女、那美と出会う。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然主義や西欧文学の現実主義への批判を込めて、その対極に位置する東洋趣味を高唱。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』とならぶ初期の代表作。

 

 

 

【開催報告】第十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

代表のシミズです。第十二回の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回の課題本は川上弘美さんの『真鶴』でした。

 

はじめに参加者の自己紹介を交えつつ作品の全体的な感想を聞いていきました。「気がついたら読み終わっていた」「共感できなかった」「以前から人に薦められていたので読んだ」「ホラーテイスト」「真ん中がおもしろかった」「真鶴(まなづる)という言葉の響き、漢字の形に導かれて書いたのかも」「ついていけなかった」「爽やかに終わっていいの?」「文字の使い方、造語にハッとするものがあった」「官能的な息づかいを感じた」「分身譚?」「まなづるをまづると読み違えていた」「礼(ゼロ)に百や京が近づいたり離れたりする物語とも読める」等々。

 

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つぎに細部を読み込んでいくと、みなさんそれぞれの深い読みに驚かされます。肉食系の女として主人公をとらえる方、ジャポニズムとして川上文学を読まれる方、漢字とひらがなの配置の妙に注目される方、一人の読みでは見えなかった作品の風景が鮮やかに切り取られるようでした。

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今回もむすびのさんからは作品をイメージした軽食を提供していただきました。ありがとうございました。

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最後は本を手に記念撮影。真鶴の文字が映えるブックデザインですね。

みなさま、ご参加ありがとうございました。

来月は夏目漱石の『草枕』をとりあげます。

 

無題

 

 

理解とはつねに自分勝手な暴力で、こうしてみるとそれはもともとたしかにあった現実の、影絵芝居の、影絵芝居の、影絵芝居のようなものになってしまう。そしてまた、人はそれを気まぐれか必要に応じて再話する。

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』

【開催案内】第十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

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12年前に夫の礼は失踪した、「真鶴」という言葉を日記に残して。京は、母親、一人娘の百と三人で暮らしを営む。不在の夫に思いをはせつつ新しい恋人と逢瀬を重ねている京は何かに惹かれるように、東京と真鶴の間を往還するのだった。京についてくる目に見えない女は何を伝えようとしているのか。遙かな視線の物語。 (「BOOK」データベースより)

 

川上弘美
1958(昭和33)年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年、「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。99年、『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞紫式部文学賞、2000年、『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年、『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(著者略歴)

 

 

主催者のシミズです。

第十二回の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。

3月26日(日)午前10時よりここちカフェむすびのさんにて開催します。

今回の課題図書は川上弘美さんの『真鶴』(文春文庫)です。

冒頭は「歩いていると、ついてくるものがあった。」で始まります。

文字組の美しい表紙です。

ご興味ありましたら、ホームページよりお申込みください。

 

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

 

 

別府大学~文学への誘い 特別講演「温泉と文学」

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先日、別府大学で開催された特別講演「温泉と文学」にいってきました。以前、この読書会にも参加していただいた澤西祐典さんをコーディネーターに、芥川賞作家の藤野可織さん、吉村萬壱さん、玄月さんの三氏が、温泉地で読みたい本などを語る楽しい会でした。特に三氏が別府について語る言葉が興味深く、改めて別府の底知れぬ魅力を他者の言葉によって知るのでした。

 

藤野さんの紹介した本のなかに、刑務所のなかで開催される読書会の様子を描いた『プリズン・ブック・クラブ』ウォームズリー(紀伊國屋書店)というのがあり、読書会が囚人に与える影響や更生について語られ、そのなかで澤西さんが鉄輪朝読書ノ会について、少し言及していただいたのは嬉しかったです。

 

会場は人に溢れ、大盛況でした。地方に最前線の作家を呼んでいただいて執筆の実際について話が聴ける機会はほとんどないので、貴重な時間をすごせました。関係者のみなさまお疲れ様でした。「読書会の存在が作家にとって励みになる」という言葉もまた私にとって励みになるものでした。ありがとうございました。

 

 

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「私の人生の物語などというものは存在しない。そんなものは存在しない。物語をつくりあげるための中心などけっしてないのだ。道もないし、路線もない。ひろびろとした場所がいくつか、そこにはだれかがいたと思わされているけれど、それはちがう、だれもいなかったのだ。」

マルグリット・デュラス『愛人』