対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催案内】第十四回 別府鉄輪朝読書ノ会

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5月の別府鉄輪朝読書ノ会はメキシコの作家フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』(岩波文庫)をとりあげます。5月28日(日)午前10時よりここちカフェむすびさんにて開催します。

 


内容(「BOOK」データベースより)
ペドロ・パラモという名の、顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく。しかしそこは、ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…。生者と死者が混交し、現在と過去が交錯する前衛的な手法によって、紛れもないメキシコの現実を描出し、ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作。 

 

 

ご参加されたい方は、ホームページよりお申込みください。

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

【開催報告】第十三回 別府鉄輪朝読書ノ会『草枕』夏目漱石

第十三回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。代表のシミズです。今日は開催して1周年の記念にあたり、みなさんで祝っていただきました。ありがとうございました。今回も一年前と同じく夏目漱石の作品『草枕』をとりあげ、みなさんと対話していきました。

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はじめに自己紹介をしつつ全体的な感想を聴いたところ「漢文や古い漢字が出てきて難しかった」「読むのに苦労した」というのが多くあった一方で、「お洒落」「現代風」「コミカル」「ギャグ」といった感想もありました。また禅や仏教などの思想、哲学としてこの作品を読まれた方もいました。

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読むのが難しい作品であっても、みなさん一人一人の解釈や読みを突き合わせることによって、自分の読書体験が更新されて、幾様にも向き合えることを実感できた回でした。時代を超えて近代文学に触れるよろこびがここにあるように思えました。

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ミント水にできたてのクッキーをいただきました。

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むすびのさんからの今日の提供は、「草」をテーマにバジルやセリ、ウド、チモトを食材に使い、お祝いに鯛のつみれのスープでした。たいへん美味しかったです。ありがとうございました。

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最後にみなさんで記念撮影。ご参加ありがとうございました。また1年継続できるよう、ぼちぼちやっていきます。5月はメキシコの作家、フアン・ルルフォの『ペドロ・パラモ』をとりあげます。

 

 

 

 

 

〈ゆふいん文学の森〉がオープンしました!

太宰治が東京の荻窪で下宿していたという〈碧雲荘〉。これが取り壊される危機にあったところ、湯布院で旅館業を営む橋本さんが引き取りを打診し、約2億円をかけて湯布院に移築したという偉業。それが〈ゆふいん文学の森〉としてこのたびオープンしました。文学の拠点にしたいと柚野館長。湯布院を大地震が襲って1年後に新しい希望が生まれました。

 

先日そのオープン記念式典に招待していただき内覧会に参加してきました。

 

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東京でも数件しか残っていない昭和初期の下宿の建築様式。

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各部屋は複数の読書スペースとして活用されている。

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富嶽百景』にも登場した窓。

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又吉さん寄贈の石

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テレビ局から感想を聞かれる。

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窓から見える豊後富士こと由布岳がすばらしい。

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かぼすスカッシュが美味しかったです。

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関連グッズもたくさん。

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太宰が座った同じ窓辺で富嶽百景を読んでみる。

 

ここでの読書会の話もあり、今後の展開が楽しみです。

文学好きな方、ぜひ行ってみてください。

【開催案内】第十三回 別府鉄輪朝読書ノ会

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こんにちは、代表のシミズです。今日から新しい年度の始まりですね。

 

4月の別府鉄輪朝読書ノ会は夏目漱石の『草枕』をとりあげます。おかげさまでこの読書会は4月で1周年を迎えます。昨年は夏目漱石の『こころ』をとりあげましたが、今回は九州の温泉宿、季節は春を舞台にしたこの作品をみなさんと読んでいきたいと思います。参加希望の方はホームページよりお申込みください。

 

参加のお申込み - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

内容紹介

智に働けば角が立つ――思索にかられつつ山路を登りつめた青年画家の前に現われる謎の美女。絢爛たる文章で綴る漱石初期の名作。

内容(「BOOK」データベースより)

智に働けば角がたつ、情に棹させば流される―春の山路を登りつめた青年画家は、やがてとある温泉場で才気あふれる女、那美と出会う。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然主義や西欧文学の現実主義への批判を込めて、その対極に位置する東洋趣味を高唱。『吾輩は猫である』『坊っちゃん』とならぶ初期の代表作。

 

 

 

【開催報告】第十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

代表のシミズです。第十二回の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回の課題本は川上弘美さんの『真鶴』でした。

 

はじめに参加者の自己紹介を交えつつ作品の全体的な感想を聞いていきました。「気がついたら読み終わっていた」「共感できなかった」「以前から人に薦められていたので読んだ」「ホラーテイスト」「真ん中がおもしろかった」「真鶴(まなづる)という言葉の響き、漢字の形に導かれて書いたのかも」「ついていけなかった」「爽やかに終わっていいの?」「文字の使い方、造語にハッとするものがあった」「官能的な息づかいを感じた」「分身譚?」「まなづるをまづると読み違えていた」「礼(ゼロ)に百や京が近づいたり離れたりする物語とも読める」等々。

 

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つぎに細部を読み込んでいくと、みなさんそれぞれの深い読みに驚かされます。肉食系の女として主人公をとらえる方、ジャポニズムとして川上文学を読まれる方、漢字とひらがなの配置の妙に注目される方、一人の読みでは見えなかった作品の風景が鮮やかに切り取られるようでした。

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今回もむすびのさんからは作品をイメージした軽食を提供していただきました。ありがとうございました。

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最後は本を手に記念撮影。真鶴の文字が映えるブックデザインですね。

みなさま、ご参加ありがとうございました。

来月は夏目漱石の『草枕』をとりあげます。

 

【開催案内】第十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

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12年前に夫の礼は失踪した、「真鶴」という言葉を日記に残して。京は、母親、一人娘の百と三人で暮らしを営む。不在の夫に思いをはせつつ新しい恋人と逢瀬を重ねている京は何かに惹かれるように、東京と真鶴の間を往還するのだった。京についてくる目に見えない女は何を伝えようとしているのか。遙かな視線の物語。 (「BOOK」データベースより)

 

川上弘美
1958(昭和33)年、東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年、「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年、「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞。99年、『神様』でBunkamuraドゥマゴ文学賞紫式部文学賞、2000年、『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞、01年、『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、07年、『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(著者略歴)

 

 

主催者のシミズです。

第十二回の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。

3月26日(日)午前10時よりここちカフェむすびのさんにて開催します。

今回の課題図書は川上弘美さんの『真鶴』(文春文庫)です。

冒頭は「歩いていると、ついてくるものがあった。」で始まります。

文字組の美しい表紙です。

ご興味ありましたら、ホームページよりお申込みください。

 

ホーム - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

 

 

別府大学~文学への誘い 特別講演「温泉と文学」

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先日、別府大学で開催された特別講演「温泉と文学」にいってきました。以前、この読書会にも参加していただいた澤西祐典さんをコーディネーターに、芥川賞作家の藤野可織さん、吉村萬壱さん、玄月さんの三氏が、温泉地で読みたい本などを語る楽しい会でした。特に三氏が別府について語る言葉が興味深く、改めて別府の底知れぬ魅力を他者の言葉によって知るのでした。

 

藤野さんの紹介した本のなかに、刑務所のなかで開催される読書会の様子を描いた『プリズン・ブック・クラブ』ウォームズリー(紀伊國屋書店)というのがあり、読書会が囚人に与える影響や更生について語られ、そのなかで澤西さんが鉄輪朝読書ノ会について、少し言及していただいたのは嬉しかったです。

 

会場は人に溢れ、大盛況でした。地方に最前線の作家を呼んでいただいて執筆の実際について話が聴ける機会はほとんどないので、貴重な時間をすごせました。関係者のみなさまお疲れ様でした。「読書会の存在が作家にとって励みになる」という言葉もまた私にとって励みになるものでした。ありがとうございました。