帰路。別府へ。
こんにちは。主催者のシミズです。ここ鉄輪も朝晩は冷え込み、猫たちも温泉の蒸気口に丸くなって蒸されています。さて11月の別府鉄輪朝読書ノ会は武田泰淳の『ひかりごけ』を扱います。26日10時より、ここちカフェむすびのさんにて。ご興味ある方はホームページよりお申し込みください。
内容(「BOOK」データベースより)
雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追いつめられた人間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を真正面から直視した問題作『ひかりごけ』。仏門に生れ、人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶の苦悩を描いて、武田文学の原点をうかがわせる『異形の者』。ほかに『海肌の匂い』『流人島にて』を収録する。
日曜日の朝。おいしい軽食と1冊の本をめぐって。 - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会
こんにちは。主催者のシミズです。台風が接近するなかでしたが、無事読書会の方を開催いたしました。
今回はカミュの『異邦人』をみなさんと読んでいきました。久々に再読したという方が多く、読み直してみると意外に〈不条理〉じゃないし、ムルソーのキャラクターを理解できるという意見が多かったですね。
冒頭、母のことをママンと訳したのが素晴らしいという声も。ムルソーの矛盾のなさが却って怖い、ムルソーはなぜ何発も撃ったのか、ひかりとはなんなのか、誰にとっての異邦人なのか、という問いも。
むすびのさんから提供された軽食はフランスパンにシチュー、そして作品にも出てくるミルクコーヒーでした。美味しくいただきました、ありがとうございました。
有名な作品ほど意外にきちんと読まれていなくて、世間で流通しているイメージとは違った内容に驚くことがありますね。読んだつもりになっている作品と向き合うのも読書会の楽しみの一つだと思います。