対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

別府鉄輪温泉の夏休み、一日目

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けっこうきつめの肉体労働から明けての朝だったが、

わりと早めに起きられて読書した。

エアコンをつけずとも、そこまで不快な暑さはなく、静かに本を読めた朝だった。

肌の表面に快適さを取り戻すと静けさがやってくるようだ。

 

夏休み。観光客はあまり奥までやって来ない。鉄輪は奥が面白いと思うのだけど。

いくつかの本を平行して読む。

読書会の課題本を選ぶ際はむろん先を見越して読んで選んでいく。

十月は村上春樹にすると決めた。

 

冬は長いけれど、それだけよく本が読める。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 

髪を切りにいく。担当の人となにかとても大事なことを話した気がしたが、

思い出せない。

 

日が下がってきたので、少しだけ走る。

股関節痛はほとんどなくなったが、無理をするとまた痛めそうなので抑えて走る。

走りすぎてはいけない。

 

「対話と人と読書」の名刺カードをデザインして、データ入稿する。

便利だが、お盆でも働いている人がいるのだなとも思う。

 

シネマ哲学カフェの題材にする映画「MILK」を見る。

随分前にこの映画を推薦してくれたWさんと共にテーマを考える。

踏み込んで〈カミングアウト〉を主軸にして対話をするか。

 

最近は哲学カフェを人と共に開発していくことに関心がある。

今までは全部一人で決めてきたけど。

他人を巻き込むということではなくて、その人の切実さを基に企画を進めたい。

むしろ自分が巻き込まれたい。

声をかけてくれた、いろんなリクエストをひとつずつ思い出す。

 

夜は水曜日のネコに酢もつを食べる。

 

 

 

【ご案内】第59回 BunDoku哲学カフェ

8月のBunDoku哲学カフェのご案内をします。

※BunDokuは「対話と人と読書」とは別の団体になります。

 

哲学カフェは「対話」を試みる場です。たとえ同じ環境にいたり、同じ出来事を経験していても、考えることや感じることは人それぞれです。BunDoku哲学カフェでは、その日集まった人たちが一つのテーマについて話し、聴き、考えるというシンプルな行為を丁寧に重ねたいと思っています。

 

なお、BunDokuは会員制ではなく、企画毎に参加者を募ります。初参加の方、久しぶりの方、常連の方、皆さま奮ってご参加下さい!

 

テーマ:『人を勇気づける言葉、人を傷ける言葉について~言葉の力ってなんだろう』

日時:2019年8月24日(土)19:30~21:45

場所:大分市

費用:500円(会場代、お菓子・飲み物代込み)

持ち物:特になし

定員:20名

申込み:下記のフォームからお申込み下さい

申込締切:開催日前日の昼12時まで

 

※哲学に関する知識は必要ありません。気楽にご参加下さい。聴くだけの参加でも構いません。一緒に考え、聴き、お話ししましょう。

 

お申込みはこちらより

bundoku-oita.jimdofree.com

そう遠くない場所で

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きょうは台風。台風の中、車を飛ばした。波を切るように走った。

 

なぜリンチの映画には、運転席からのショットが多いのか。それも暗やみの。

 

爆走して進んでいるのに、どこにも向かっていけてないような感覚。

 

全能感と不全感。

 

今日別大国道を飛ばしていてたまに前が見えなくなってそれを思い出した。

 

前が見えなくなるというのは危険だが、半分はうれしい。

 

哲学対話は深く潜っているのか、広く進んでいるのかよくわからない。

 

あまがさきの赤井さんは掘り下げるのではなく、堀り広げると言っていた。

 

囲碁のルールはよく知らないけど、キャンバスに模様のようなものが、

 

点々と置かれていって、ときには繋がったり、離れたり、違うキャンバスに移ったり、

 

滲んだり、そういうのに耐えられない方がたまにいらっしゃる。

 

でもファシリテーターとして自分は交通整理はあんまりしない。

 

中立というわけではないけど。

 

 

 

文学の経験は、錯乱状態の試練そのものであり、統一性をのがれ去るものへの接近である。了解も一致も権利もなしに存在するものー彷徨にして外部であり、とらええぬものにして不規則なもの、そういうものの経験である。モーリス・ブランショ

 

 

 

 

 

 

 

 

相手がこういった、ということに囚われるのではなく、言えなかったことにも思いをはせてみよう。

 

哲学カフェについて書いているのかと思いました。 肝に銘じたいところ。

 

 

若い人たちは、最近の世の中の動きを見て、何が正しいのかを知りたいと感じているかもしれない。でも、まず私たちが考えなくてはならないのは、何が「正しい」ではなく、「正しい」とは何かだ。こんなことを考えるのは面倒かもしれない。でも、この「面倒な」ことを避けてきたの結果が今にちなんだ。

 

簡単に判断するのではなく、考え続ける力を身につけよう。そして、人間は真剣に何かを語るときはいつも、目に見え、耳に聴こえる言葉では、語り得ない何かを胸に秘めていることを忘れずにいよう。相手がこういった、ということに囚われるのではなく、言えなかったことにも思いをはせてみよう。

 

世の中は君たちにある「判断」を求めてくるだろう。でも、ぼくらは「考え続ける」「対話し続ける」ことで、そうした強制に抗うことができる。反対の意見を述べることも大事だ。「考える人間」、「考え続けられる人間」であることはもっと大切だ。そして「語る人」よりも「聴ける」人になってください。

 

若松英輔 twitter より

 

 

【ご案内】散歩するてつがくカフェ 9.15(哲学ウォーク@鉄輪温泉)

 

 

 

「歩くことと立ち止まること。沈黙することと話すこと、自分自身との対話 (inner dialogue) と他者との対話 (outer dialogue) を交互に行っていくこと」

『哲学ウォーク』ピーター・ハーテロー(翻訳:西山渓・渡邉文)

 

 

 

 

こんにちは。シミズです。

今日は〈散歩するてつがくカフェ〉という新しい企画のご案内をいたします。
 
 
通常の哲学カフェは室内にて開催されることが主だと思いますが、外に出て歩きながら哲学することはできないだろうかと以前から模索していました。
 
アリストテレスやルソーが歩きながら自身の哲学を構築していったように、歩くことと哲学することの相性はとてもいいのです。
 
私は別府市鉄輪に住んでいるのですが、鉄輪の町は起伏があり、小道や抜け道、猫の道、断層や多くの温泉場、地獄、お店、貸間、旅館、観光スポットなど、小さいエリアにたくさんの要素が詰め込まれ、歩くたびに発見があり、この散歩する哲学カフェに最適な場所ではなかろうかとあたりをつけておりました。
 
 
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こんな小道がたくさんある鉄輪

 
 
散歩する哲学カフェの内容は簡単です。参加者は哲学者の言葉が書かれたくじを引き(例.神は死んだ by ニーチェ )、みんな一緒に散歩をし、その言葉にぴったりとくる場所(風景、現象)を発見したら、手を挙げてその人の考える、その言葉とその場所との関連を語っていただきます。基本的に歩くときはお喋りはせず、サイレント・ウォークになります。
 
そしてそれについて他の参加者の方が質問をします。発表者はそのなかから一つだけ質問を選び、それに対してすぐには答えず、散歩をしながら考え続け、最後にその質問に応えます。
 
元ネタはオランダの哲学者ピーター・ハーテローさん考案の「哲学ウォー ク」です。そのメソッドは確立されていて世界中様々な場所で哲学ウォークが開催されているようです。  
 

秋の休日、いろんな哲学者の「言葉」を片手に、町を歩き、問い、考えてみませんか。哲学の知識は必要ありません。お気軽にご参加ください。お待ちしております。

 

 

・日 時:9月15日(日)14:00-17:00  ※雨天決行・台風中止
・場 所:別府市鉄輪(集合場所ここちカフェむすびの前)
※お車がない方は行き方などご相談ください。
・企 画:対話と人と読書
・参加費:1,000円(運営費、会場費、むすびのさんドリンク代含む)
・定 員:約8名程度(要事前申し込み、先着順)
・備 考:定員が少ないため、お早目にお申込みください。
 
 
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ここちカフェむすびのさんの前で集合です!
歩くルートは当日まで明かしません。
偶然性に身を預けるというのも、コンセプトのひとつです。 

 

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鉄輪のネコたちもお待ちしております。

 

 

【当日の会の流れ】
①鉄輪ここちカフェむすびのさん前に集合。受付。
②哲学者の言葉の書かれた〈くじ〉を引きます。他の人には見せてはいけません。
③シミズのナビゲーションで鉄輪の町を歩きます。
 基本的にサイレント・ウォークです。
④自分の引いた哲学者の言葉とぴったりくる場所だと思ったら、「はい!」と手をあげて他の参加者の歩みを止めます。
⑤どういう風にぴったりなのか、他の参加者に説明します。他の参加者が質問をします。発表者は質問をメモして、すぐに答えることはしません。
⑥ふたたび鉄輪の町を歩き始めます。発表者は質問に対して考え続け、未発表者は言葉に合った場所を探し続けます。以後④と⑤を繰り返します。状況にもよりますが、最大で1時間30分近く散歩します。
⑦ここちカフェむすびのさんにて、ドリンクをいただきつつ休憩します。
⑧1時間ほど対話の続きや感想などを話し合って終了です。
 
 
【ルール】
・歩くときはみんな一緒に歩きます。ばらばらではありません。
・歩くときは基本黙って歩きます。話すときは「はい!」や「ストップ!」と声をかけて、立ち止まります。
 
 
【タイムテーブル】
14:00 集合 ここちカフェむすびの前
     ・簡単な自己紹介と、会についての説明をします。
     ・くじ引き→哲学者の「言葉」を引きます。
14:15頃出発 散歩のスタート!
15:45頃   ここちカフェむすびの着 ドリンク注文。まとめの対話
17:00 終了 (予定)  

 

参加申し込みやお問い合わせはホームページよりお願いします。

哲学カフェ大分 - 対話と人と読書(哲学カフェ大分)

 

 

【開催報告】医療・福祉・介護関係者の方のてつがくカフェ 7.27

 

第1回目の「医療・看護・介護福祉関係者の方のてつがくカフェ」を開催しました。

 

介護福祉士の今坂さんの提案で、

「人の最期を〈看取る〉とはどういうことだろうか?」をテーマとし、

みなさんと対話していきました。

 

それぞれの職種の方に集まっていただき、また一般の方とともに対話を交わしました。

 

看取るということを言葉にして語ることの困難さに向き合いつつ、

百人百様の死を前にそれぞれの方の体験をベースに、

尊厳や感謝、ユーモア、寄り添い、聴くことといったワードが何度も出てきました。

 

みなさんの死生観や、人間とは何かという根源的な問いにも触れ、

非常に充実した会になりました。また定期的に企画したいと思います。

ご参加ありがとうございました。

 

今回からテーブルの配置をラウンド型にしました。

誰からも表情が見られるようにとの要望が前回の哲学カフェでありましたので。

角が立つという言葉もあるように、形が丸みを帯びると和むような気がしました。

 

 

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〇最後に参加者にメールで宿題を出しました。

 

今回の「人の最期を〈看取る〉とはどういうことだろうか?」というテーマに関して、家族との関係性の修復について(あるいは悪化について)、それぞれの立場から考えること感じることを書いてみてください。

 

文章の長さは短くても長くても、詩のような形でも、箇条書きでも構いません。できるだけ自身の経験に即しながら書いていただけると嬉しいです。期限は来週の日曜日8/4のいっぱいまでといたします。そして実名は伏せますので、それをみなさんとシェアして終わりとしたいと思います。よろしくお願い致します。

 

 

【開催報告】第三十九回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

七月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

今回はみなさんと沖縄出身の芥川賞作家目取真俊氏の『水滴』を読んでいきました。

 

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沖縄のきれいなイメージだけではない、加虐性や複雑さについて、

目をそらさず描写しているという感想が印象に残りました。

 

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今回のむすびのさん特製ドリンクは沖縄をイメージした、

パイナップルと桃(不老不死)のミックスジュース。甘くておいしかったです。

 

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軽食と呼ぶにはボリュームがありますが、沖縄といえば豚!の豚肉を使った、

ザワークラウトとベーグルでした。こちらもたいへん美味しかったです。

むすびのさんのメニュー表にはないお料理ですので、一回限りのものです。

 

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店主の河野さんおひとりで作ってくださいました。ありがとうございました。

 

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今回は沖縄出身の方がいらっしゃいまして、共同売店石敢當、南北の違い、貧困問題、迷信深い県民性といった、文化や風習、歴史など、わからないところをたくさん質問してしまいましたが、丁寧に答えてくださいました。ありがとうございました。

 

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

 

 

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次回八月も戦争に関連した作品を読んでいきます。

お隣の日出町にも人間魚雷の基地の跡が遺されていますが、

その人間魚雷をテーマとした『魚雷艇学生』(新潮文庫島尾敏雄

みなさんと読んでいきます。

ご興味ある方は、ホームページよりお申込みください。

 

kannawanoasa.jimdo.com