前回の哲学カフェに参加された20代のAさんから感想をいただいたので、本人に了解を得てここでシェアします。 「テーマについてみんなで考えていくこと自体ももちろん楽しかったのですが、答えのないこと・思考を深めたところで利益につながるか分からないよ…
三月の哲学カフェを開催しました。 今回は初参加の方が多く、たくさんの方達に集まっていただきました。 ありがとうございました。 今回のテーマは「頭が良い、悪いってどういうこと?」でした。 始めにこの哲学カフェのコンセプトやルールを共有して、自己…
ベルリンの壁が壊れたときも、とシュテファンがいった。 「ぼくはタクシーの運転手。夜、一人のお客さんを乗せて、東に入りました、東は入ったこともなくて。お客さんもぼくも。それで迷いました。明け方になってやっと見つかりました。その通りは、入ってい…
今月の風蘭さんの書道教室は隷書の臨書。土中に埋もれていた後漢一八五年の曹全碑を見ながら書いてゆく。 紙幣とか看板、Appleなんかのフォントにもある、扁平で蛭のように波打った古めかしい字。(波磔と呼ばれる)その味を出すための筆運びが難しく、風蘭…
◆「哲学カフェ大分 3.16」 夜開催です。 受験シーズン真っ只中ですが、私はいろんな子どもたちと日々接するなかで、勉強ができずに自分の頭の悪さを責める子どもたちと出会うことがあります。そもそも頭が良いとか悪いとかどういうことなのか考えてみたいと…
別府市立中部中学校で2クラス哲学対話を生徒のみんなとしました。 最初に簡単に哲学と哲学対話について説明し、哲学対話の目標やこころがまえを みんなと共有してから始めました。 「哲学」については聞いたことのある生徒が多い印象でした。 時間がないので…
村では山へ行くという言葉に二つの全く違った意味があるのであった。どちらも同じ発音で同じアクセントだが、誰でもどの方の意味だかを知りわけることが出来るのである。 『楢山節考』深沢七郎 ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 3.31」三月は姥捨山伝説を材にとった『…
その年に動物たちはみんな奴隷のように働きました。 『動物農場』ジョージ・オーウェル 2月の別府鉄輪朝読書ノ会はジョージ・オーウェルの『動物農場』を課題図書とし、参加者の皆さんと読んでいきました。 初めは志高く、理想に向かっていたのに、どこで歯…
2月の哲学カフェ、哲学対話を開催しました。 今回は「オンとオフ」をテーマに、ソクラティク・ダイアローグのやり方を 参照しながら、全員でテーマに関する普遍的な概念を得るべく、約3時間かけて 結論を導き出しました。頭をフル回転させて、みなさん終わっ…
何かを作ることは必ず、新たな、別の現実を生み出すことだと考えます。なぜならそこには、かつて存在しなかったものが生まれるからです。 『架空線』澤直哉(港の人) 今月の風蘭さんの書道教室は篆書の臨書。石に刻まれた文字、石鼓文を臨書する。線の質、…
立春の吉日の日に書家の風蘭さんのワークショップと書のライブを楽しむ。よろぷぷさんの演奏とジュン・チャンさんの舞いの中での風蘭さんのライブ書。 第一部のラピスラズリや藍の青い墨を用いたワークショップでは、形にとらわれない書、書以前の形態、筆と…
二月は別府市内の中学校で哲学対話をする予定があり、今から楽しみにしています。 2月の哲学カフェ大分、哲学対話のご案内です。 哲学の知識は不要です。聴くだけの参加でも構いませんよ♪◆「哲学カフェ大分 2.17」 ※夜ではなく15時からの開催です今回はソク…
「感傷的になってはいけない、同志よ!戦争とはそういうものだ。よい人間なんて、死んだ人間しかいない」 『動物農場』ジョージ・オーウェル(ハヤカワepi文庫) 『動物農場』ジョージ・オーウェル ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 2.25」二月は権力の発生とその腐敗…
どんな暗闇の中でも目を閉じるという行為にはそれなりの意味があるのだ。 『ネジまき鳥クロニクル』村上春樹 今年最初の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回とりあげた作品は村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』の第1部から3部でした。 過去この読書会で…
レヴィナス著『存在の彼方へ』ヴァンセンヌ中納言さんのアマゾンレビューコミュニケーションの重要性と厳しさとがこの本から伝わってくる。安易に対話という言葉が用いられる今日において、大変意味深いものである。そもそも他者と関わることとは、人間が生…
1月の哲学カフェ大分を3時間バージョンで開催しました。 いつもは私が問いやテーマを立てて、それに集うという形をとっていますが、 今回はみなさんから問いを募って、その問いを味わいながら、哲学対話するスタイルに 挑戦してみました。 みなさんが挙げて…
野草社という名前の出版社から出ている山尾三省の『火を焚きなさい』を読む。 いろりを焚く 山尾三省 家の中にいろりがあると いつのまにか いろりが家の中心になる いろりの火が燃えていると いつのまにか 家の中に無私の暖かさが広がり 自然の暖かさが広が…
宋坑端渓硯で墨を擦って龍の字をたくさん書いた。墨おりがよく気持ちいい。年末に風蘭さんの書道教室で古典の臨書を始め、対話をし、賀状でもたくさんの墨字を書いた。それまで書くことにいささかの苦痛があったが、いまは楽しい。墨で書けなくても、パイロ…
〈知識〉にとって最後の課題は、頂きを極め、その頂きに人々を誘って蒙をひらくことではない。頂きを極め、その頂きから世界を見おろすことでもない。頂きを極め、そのまま寂かに〈非知〉に向って着地することができればというのが、おおよそ、どんな種類の…
セメント町かやく舎で珈琲とUEMURA BREADさんのシュトレン ◆「哲学カフェ大分 1.20」 ※夜ではなく14時からの開催です 今回は当日みなさんが考えたい問いを集めて、その中から多数決してひとつ選び、即興的に哲学対話します。終わった後はメタ哲学カフェをし…
妻が寝てしまったあとでも、僕はまだノモンハンの戦場のことを考えていた。そこではすべての兵士たちが眠っていた。満天の星が頭上にあり、無数のこおろぎが鳴いていた。そして川の流れが聞こえた。僕はその川の流れの音を聞きながら眠りについた。 『ねじま…
3時間の時間をとって、ソクラティク・ダイアローグの手法を参考にしながら じっくりと哲学対話しました。 今回のテーマは「救われる」。 事前にこのテーマに関する問いとそれにまつわるエピソードを集めて、開始しました。 1 問いとエピソードの紹介 2 エ…
⑫どこか行ったことのない国に旅行してみる。 『自分を好きになる方法』本谷有希子 第九十一回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 急に寒くなって、鶴見岳が真っ白になって、朝方キャンセルの連絡がいくつか入るなかでも、たくさんの方にご参加いただき…
哲学は誰のものでなくさせられてきたのか 私が哲学に出会って感動したのは、その優しさ、つまり哲学は何も馬鹿にしないというところです。 永井玲衣「現代思想 鷲田清一」 別府大学の長尾先生に招かれて、田中悠輝監督の映画「インディペンデント・リビング…
大分合同新聞 11.24付け 先日の佐伯市の小学校での哲学対話が大分合同新聞の記事として掲載されました。 講演の内容や哲学対話のことを端的にまとめていただいて、ありがとうございました。
哲学カフェを開催しました。 今回は「美味しい」をテーマにみなさんと考えていきました。 美味しいイコール体にいいのか? 体に悪いのに美味しく感じるのは何故なのか?とか、 美味しいは空間や条件によって決まるのではないのかとか、 いろんな問いが出され…
佐伯市の小学校で哲学に関する講演と哲学対話をしました! 学校内で哲学対話をすることは一つの目標だったので、とても嬉しい依頼でした。 PTAの研修部からの依頼でした。 保護者の方や先生方も集まってくれて50人ほどの集まりでした。 最初に「哲学(てつが…
でも、劇場を抜け出したあの日見た景色のお陰で、リンデは新しい自分に出会えた気がした。 『自分を好きになる方法』本谷有希子 十二月の読書会の案内です。 参加希望者はホームページからお申し込み下さい。 kannawanoasa.jimdofree.com ◆「別府鉄輪朝読書…
私は誰かの美しい人だ。私が誰かを、美しいと思っている限り。 『うつくしい人』西加奈子 十一月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回とりあげた作品は西加奈子さんの『うつくしい人』。 一月にブローティガンの『愛のゆくえ』を扱ったのですが、 今回…
日本史を一から学び直していて、歴史を学ぶということもまた、 個々の感性に大きく依存するというあたりまえの事実に驚かされる。 個々の感性のもようの違いにより、歴史は違った相貌を見せる、魅せてくれる。 歴史が分からなければ、今も分からない。 古代…