大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

無題

まわりに坐ってじっとそれをのぞき込んでいる人びとがいて、初めて死が成熟するのではないか。死のときが成熟する。またその死の空間が「不在の場所」が活性化するのではないか。個体は死んでいますけれども、その人の親類縁者、家族、親しくしていた人たち…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会

三月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。三月は毎年震災関連の作品を扱うことにしています。今年はいとうせいこう氏の『想像ラジオ』(河出文庫)をみなさんと読んでいきたいと思います。 内容(「BOOK」データベースより) 深夜二時四十六分。海沿いの小さな…

【開催報告】第三十四回 別府鉄輪朝読書ノ会

こんにちは。別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回はこの時代の節目に平成元年に大ベストセラーとなった吉本ばななの『TUGUMI』をみなさんと読んで、この過ぎ去った三十年の時間に思いを馳せました。 むすびの店長さんからは、TUGUMI→クロウタドリ→BlackB…

無題

我々は、「理解」するから「感動」するのではなく、「感動」するからこそ真に「理解」することができる。これがトマス・アクィナスの「親和性による認識」だ。対象の魅力によって魂が深く揺り動かされることによって、はじめて、我々は物事を深く受け止め真…

大宰府、醍醐寺、珈琲蘭館

梅の香りというのを意識したことがなかったけど、冷たい空気のなか微かに香るものがあって、この静けさのようなものが梅のよさなんだとつくづく思った。 九州国立博物館で展示の京都醍醐寺の宝物には如意輪観音像のほかに空海や後醍醐天皇の真筆などもあり、…

【開催案内】二月の別府鉄輪朝読書ノ会

二月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。もう平成という時代も残りわずかということで、平成元年に大ベストセラーとなった吉本ばなな『TUGUMI』(中公文庫)をとりあげて、この三十年間の時の流れを感じてみたいと思います。残席わずかですが、参加希望の方は…

沿道からの別大マラソン

別大マラソンを沿道から見た。 東京に暮らしていたころは、年1回のこの全国版のTV中継で、 大分、別府の町並みを懐かしく見ていた。 自分が走るようになったこともあって、ランナーにすっと感情移入できる。 走っている間は走っていることしかない。 孤独…

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会

今年初めての別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。前日は雪が降って厳しい寒さとなりましたが、多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。 今回とりあげた作品は鎌倉前期に編まれた「宇治拾遺物語」でした。いくつか出版されているのですが、…

無題

文学的想像力を伴わない保守が単なる排外主義に堕ちるしかないように、文学的想像力を伴わないリベラルは単なる反権力クレーマーに堕ちるしかない。結局、いま起きているのはそういうことだと思う。 いまの時代、想像力はもはやエンタメ(癒し)の道具として…

無題

書くことが自分の考えを書くことだと思っている人はそれは言葉を自分のものと思っている人で、それは既存の言葉を伝達のために利用しているだけで、言葉とは実はそういうものじゃない。僕が書くことを推奨しているのは心の声を書けと言っているのではなく、…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会※満員御礼

新年一発目はこれでいきます。今年は古典も読んでいきたいです。(既に満員御礼ですみません…) 内容(「BOOK」データベースより) 法師は平茸となって生まれ変わり、翁は鬼の前で踊りを踊ってこぶをとられ、神通力を持った犬が飼い主を救う…。日本、インド…

2019 謹賀新年

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。別府鉄輪では私はいつも火男火売(ほのおほのめ)神社に参拝します。杜が広がっていて鳥の啼き声が多く聞かれ、空気が清々しく大好きな神社です。ここの本殿に掲げられている扁額は二柱の神様…

鉄輪の大晦日

鉄輪はよく晴れていた。雲が蒸気に、蒸気が雲に。かつて自死した同級生の魂のいくえをつづった藤原新也の『鉄輪』を思い出した。 年末年始は県外ナンバーが多い。渋ノ湯は入れず、今日は熱の湯にした。横断道路の長い坂を走る、約6km。自分だけかと思いきや…

無題

世界は言語というシステムによって私の処理能力から逸脱したときだけ立ち上がる。それをもたらすものを「リアリティー」と呼ぶ。 保坂和志

【開催報告】第三十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

年内最後の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回は磯﨑憲一郎氏の『肝心の子供/眼と太陽』をみなさんと読んでいきました。普段みなさんが読まれている小説とは異質の文体や時間の流れ方に戸惑う方が多くいらっしゃいまして、こぼれる感想からは格闘の跡…

無題

風景を再現したいというのは、何か、願望とか欲望というよりも、「悲しみ」とかのような気がする。保坂和志

【ご案内】第三十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

年内最後の読書会は磯﨑憲一郎『肝心の子供/眼と太陽』(河出文庫)を読んでいきたいと思います。参加希望の方はホームページよりお申込みください。 内容紹介 人間ブッダから始まる三世代を描いた衝撃のデビュー作「肝心の子供」と、芥川賞候補作「眼と太…

SWEET REVENGE

明治35年、日露戦争前夜。旧日本陸軍の冬季訓練中に起きた近代登山史上最悪の遭難事故を新田次郎が小説化。気象学や山岳登山にも造詣が深かった著者の精緻すぎる筆致に圧倒されます。大寒波と猛吹雪で胸まで雪が浸かる中、第五聯隊210名全員が遭難。部隊名、…

無題

ぼくは歴史学を神聖なものにしたいと思っている。かつて有島武郎が「小説」についてそう願ったように。それにしても、毎年、大真面目に神に祈りを捧げてきた天皇と皇太子の孤独はいかなるものだったのだろうか。この科学技術の時代に? ぼくはそこに人文学の…

黒田喜夫の日本語と日本

一人の詩人のトークライブのために天神に行く。 けやき通りはなにより堆肥にもならない落ち葉が季節の感情をつくっていた。 赤坂のホワイトスペース・ワンにて田中千智さんの個展と黒田喜夫のトークライブ。絵画も詩の朗読もすばらしい夜だった。 黒田喜夫「…

いい夫婦の日

TLで「本との対話」と述べる人と、「読了」と述べる人とは、おそらく読み方がことなる。対話する人々にとって、基本的認識は「迂闊さとはほとんどの場合、読む側にある」だが、読了と述べてしまう人々にとっての基本的認識は「迂闊さは書き手にあって、それ…

無題

二年間、漱石の『こころ』をめぐって文章を書いている。ゆったりとした流れの中で読むことで、おそらく作者も気が付かなかった「物語」の深層をかいま見ることがある。意識で書かれた小説に独創はあるだろうが、本当の意味での「物語」は宿らない。そこには…

【開催報告】第三十一回 別府鉄輪朝読書ノ会『コンビニ人間』村田沙耶香

無題

本というのが情報を記録するものではなく、 体験するものだっていうところを、 思い出してもらいたいなと思いますね。 書店に売っている段階では、まだ本じゃないと思ってて、 それを買って、一対一の関係が出来たときに、 本になるんだなと思ってるんです。…

【開催案内】第三十一回 別府鉄輪朝読書ノ会

11月は発行部数100万部を突破した、村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)を読んでいきたいと思います。11月18日午後12時半よりここちカフェむすびのさん2Fにて開催いたします。ご興味ある方はホームページよりお申込みください。 内容(「BOOK」データベ…

【開催報告】第三十回 別府鉄輪朝読書ノ会

第三十回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回は村上春樹『アフターダーク』をとりあげ、みなさんと対話していきました。いつも以上に熱のこもった回となりました。 今回は強制ではありませんが、一応ドレスコードを設けてみました。赤と緑のノルウェ…

無題

家に帰るよりは、一生、本にすがりついていいと、だれかがそんな許可をくれないかと、そればかり願っていた。須賀敦子

別府 × アニッシュ・カプーア

かつて感じた秋そのものの再現、見紛うごとき。 Void Pavilion @Anish Kapoor Sky Mirror @Anish Kapoor カプーアの作品は思索に誘うというより、空間の裂け目からのぞく官能性にあるように思えた。

【開催案内】第三十回 別府鉄輪朝読書ノ会

主催者のシミズです。十月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。十月は村上春樹『アフターダーク』(講談社文庫)を読んでいきたいと思います。ご関心ある方はホームページよりお申込みください。開催日は十月二十八日です。 内容紹介 真夜中から空が白むま…

2018.10.8 呉、田中小実昌『アメン父』と父種助、そして十字架のない教会

十字架のない教会はこのホテルの窓から見えるあの山の中腹あたりにあるはず。 旅の最終日。この日は台風の影響も抜け、朝から快晴。日差しが鋭かった。今回の旅の一番の目的はこの読書会でもとりあげた田中小実昌『アメン父』に出てくる呉にある十字架のない…