対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第三回 別府鉄輪朝読書ノ会

先日、第三回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

当日は朝から激しく雨が降っていましたが、

開催する頃には止んでくれました!

 

今回の課題図書は角田光代さんの『対岸の彼女』。

最初に全体的な感想を全員に聞いたところ、

初めはのれなかったけど、読んでいくうちにはまっていって

最後には号泣したという方がいたり、

10年前に読んでそのときは高校生の葵に共感していたが、

今は自分が働いているので小夜子に共感ができる年齢になったとか、

男性にこの女性だけの世界観が分かるの?とか

身につまされる、男がいない世界、女子校の濃密な時間がうまく書かれている、

わかりやすく書かれすぎているのでは?など様々な感想が聞けました。

 

女性の参加者からは女子校とは違うママ友関係の複雑さが聞けたり、

女の派閥なるものがそもそも感知できないという話や、

独りぼっちを避ける傾向や明るさを強制する社会の有り様であったり、

女性が家庭に入ることで社会と切り離されてしまう怖さが語られたりと、

この小説をきっかけに今の女性が置かれている様々な状況が鮮明になって、

男の私としてはとても勉強になった会でした。

女性の人間関係はいろいろと面倒くさいけど、

だめになったら別に新たに構築し直す力があるからいいんだという

前向きな話が聞けて、女性の強さを改めて思い知りました。

 

私がこの本を選んだ理由を聞かれましたが、

タイトルがまず抜群に素晴らしく読む前から傑作の予感がしたことと、

実際に読んで中身も面白く身近なテーマだったので、

語ると盛り上がる小説だと判断したためです。

 

今回も坂本さんより開催風景を撮影していただき、

ステキな写真を送っていただきました。ありがとうございました。

次回は太宰治の絶筆『グッド・バイ』です。お楽しみに!

 

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いつもむすびのさんの軽食メニューは、

とりあげる小説に関連付けたものにしていただいているのですが、

今回は悩みに悩んで、「対岸」をキーワードに大分の対岸である愛媛の食材を

ふんだんに使ったメニューを提供していただきました。

たいへん美味しかったです。ありがとうございました。

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最後に全員で記念撮影。

わざわざ北九州から参加された方も!ありがとうございました。

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