対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

国東半島へ 01

 

 

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高崎恵さんの作品 *ご本人の許可を取って撮影しています

 

 

以前からインスタグラムなどで繋がっていた国東在住の写真家高崎恵さんが

自宅の倉庫を使ってプライベート展示をしているというので、

連絡をとって国東のアトリエまで会いに行き、作品を見せていただいた。

 

 

通常の展示では、場所の制約により配置場所や作品の大きさ、見せ方など、

撮影者本人のイメージとはたがうことが多い。

このプライベート展示では、4つのスペースにそれぞれ作品が配置され、

作品のセレクトからサイズから、光の当たり方まで作者の望むものになっており、

とても贅沢な鑑賞を体験した。

 

 

彼は彼なりのセンサーでもって、シャッターを押す。

国東の、その土地の、場の持っている力や空気に感応して。

だからどれもガイドブックには載っていない小文字で無名の場所ばかりだ。

 

 

その後、お互いにいろんな話をした。

高崎さんは長崎県出身。

国東半島へは、その作品世界を深めるべく移住したという。

そういう移住って、いいなと思った。

 

 

作品を鑑賞されたい方はインスタグラムなどでご本人とコンタクトを

とってみてください。要予約です。鑑賞はいまのところ無料のようです。

 

 

 

 

***

高崎恵 | Megumu Takasaki 

1980年長崎県生まれ。写真家。

Artist, Photographer based in Oita, Japan.

2009年、国東半島の廃寺で遭遇した巨石の存在を介して、連綿と受け継がれてきた人々の祈りを意識するようになる。この土地に通いながら、 ”Still exist”、”Peninsula”の撮影を開始。

2019年に作品世界を深めるべく移住。自然のなかで一瞬一瞬に身を委ねながら、世界の生成に立ち会うことを求め撮影している。

 

Megumu Takasaki | 高崎恵

 

内なる場へと還る旅 – A journey back to the sacred inner place

 

https://www.instagram.com/megumu_takasaki/

 

Megumu / 高崎恵 (@megumutakasaki) | Twitter

 

 

 

 

 

「あなたを定義しているものを失ったとき、あなたは自分を取り戻せるか」

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ノマドランド」を見た。

(以下ネタバレ注意)

 

柳美里の『JR上野駅公園口』のアメリカ版のようであった。

なるほど柳美里の作品が評価されたのも頷けた。

アメリカも日本も同じ問題圏にいるということ。

 

ここにも大きな主題として「風景」があった。

「風景」が自己の定義を更新してくれるものとして立ち上がるのか、

「風景」が自己を疎外するものとして孤独感を深めていくものとして立ち上がるのか、

ノマドの向き不向きはここにかかっているのではないか。

 

主役ファーンの「居場所」はコミュニティにも家族にもなく、

ただ亡き夫の思い出に紐づけられた土地だけのようだ。

(救済は外にはなかった…インランド・エンパイア…)

ツバメの乱舞は、スマホの中の映像だった。

 

大きな事件や出来事は起こらない。

空気感(どちらかというとヒリヒリした)を丁寧に拾い上げていく。

ショットはすべてそこに貢献する。

風景にエモーションを代弁させるような。

 

よくできている。

しかしこれが映画ならば、現実の後追い以上のものを表現してほしかったとも思う。

完成度の高さと面白さは必ずしも比例しない。

見終わった後、人を冗舌に導く映画はだめだと大昔にある評論家が言っていたのを

思い出した。

 

 

 

 

 

【開催報告】第参回 本読みに与ふる時間 4.18

 

 

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僕は飛騨高山に住んでいた頃、農的生活をしていた。

今は空き農地を探し中で、半農的生活を模索している。



 

 

日曜日の朝。

「本読みに与ふる時間」を開催しました。

この企画のために早起きしたという方も。

休日のソフトスタートに活用していただけると嬉しいです。

今日参加者のみなさまが読んだ本です。

 

 

『最後の親鸞吉本隆明ちくま学芸文庫

『モモ』ミヒャエル・エンデ岩波少年文庫

『回遊人吉村萬壱(徳間文庫)

『食べるとはどういうことか』藤原辰史(農山漁村文化協会

 

 

 

今後は半農的生活がしたいので、農文協の出版物がどれも気になりますね。

「住む。」とか「チルチンびと」とかの雑誌もここが出版しています。

 

ご参加ありがとうございました。

また機を見て開催したいと思います。

 

 

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【開催案内】第参回 本読みに与ふる時間 4.18

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日曜日の朝、オンラインで各自好きな本を持ち寄って20分間その本を読む時間を共有する企画です。

 

ほとんど話すことはありません。

僕も最低限度のことしか話さないようしています。

ただ黙々と本を読みます。

 

続けているうちになにか少しづつ見えてくるものがあるかもしれません。

ないかもしれません。

 

ふと何かに似ているなと考えていたら、

ジョン・ケージ4分33秒を思い起こしたりもしました。

 

4分33秒(よんぷんさんじゅうさんびょう、4'33”)は、アメリカの音楽家ジョン・ケージ(1912年-1992年)が1952年に作曲した曲である。ケージの作品の中で最も知られており、音楽に対するケージの思想が最も簡潔に表現された作品でもある[1]

楽譜では4分33秒という演奏時間が決められているが、演奏者が出す音響の指示がない。そのため演奏者は音を出さず、聴衆はその場に起きる音を聴くことになる。演奏者がコントロールをして生み出す音はないが、演奏場所の内外で偶然に起きる音、聴衆自身が立てる音などの意図しない音は存在する[2]。沈黙とは無音ではなくて「意図しない音が起きている状態」であり、楽音と非楽音には違いがないというケージの主張が表れている[3][4]

ケージ自身によれば、1940年代から沈黙について考えており、さらに無響室での体験と絵画作品が作曲のきっかけになったと語っている[5][6]。初演当時から賛否が分かれたが、この作品によって楽器などの伝統的な音だけでなく、あらゆる音を音楽として意識させることになり、多大な影響を与えた。作曲には偶然性の手法が使われ、音楽家が感情や価値判断に影響されずに作曲することを目指した[7][4]Wikipediaより

 

4分33秒 - Wikipedia

 

 

【企画の概要】
・各自が読まれる本は問いません。文芸書でもビジネス書でもお子さんと一緒に絵本を読んでもOKです。基本黙読でお願いします。
・9時開場で、読書時間はだいたい9時15分~35分の20分とします。
・参加費はかかりません。
・zoomを使用します。あらかじめアプリをダウンロードしておいてください。
ご自身がその日に読む本をzoomのチャット欄に書き込んでください。できれば選んだ理由も書き添えてくれると嬉しいです。
・参加者の方が自己紹介など特に話す必要はありません。僕が一方的にしゃべります。話すのが苦手な方歓迎です。
・マスクをしていても構いませんが、ビデオはオンにして顔出しでお願いします。
・基本ミュートにしてください。
・参加には事前の申し込みが必要ですが、ドタキャンはOKです。途中参加途中退出もOKです。
・参加希望者はこのメールに返信ください。開催日の前日に招待メールをお送りします。
・僕の都合で突然中止になるかもしれませんが、その際は事前に連絡いたします。

○企 画:第参回 本読みに与ふる時間

○日 時:4月18日(日)9:00-9:40
ファシリテーター:シミズ
○参加費:なし
○定 員:何名でも可(要事前申し込み。ドタキャンOK)
○備 考:参加申込者には前日に招待メールをお送りします。それにリンクしてあるzoomのURLをクリックして当日入室してください。お申込みは4/17土まででお願いします。  
 
参加希望者は以下のホームページからお申し込みください。
 

旅と本と余りの風 2〜橙書店、長崎次郎書店、珈琲回廊 編

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知らない窓から知らない風景を見、知らない風に吹かれるのは精神的にとてもよい。

ビジネスホテルの簡潔を極めたミニマルな空間もまた精神が整う。

お寺や神社のように結界はないけど、ビジネスホテルにはその無表情さに

自分の精神を滑り込ませられるようだ。

 

ついにお目当ての橙書店へ。

ここも良い風が吹いていた。

居心地が良すぎて何時間も長居した。

 

 

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ふりかえって ふりかえる。

オレンジ。

 

途中金八先生に出てくるようなのほほんとした警官が入ってきて、

カウンターに座ってこの町の様子など聞いていた。

熊本弁のイントネーションが余計和んだ。

偽警官だったらおもしろい。警官を呼んで、警官vs警官。

 

 

夜に餃子の王将で酔って、愛機のGRⅡを落として壊してしまった。

相棒を失ってしまったような喪失感。

 

ここからは仕方なく、アイホンで撮る。

アイホンでは淡いが撮れんのよ。。

 

 

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路面電車は何故かくもやさしいのか。

その風景にクロスして長崎次郎書店があった。

ここは橙書店とは別の質感の文化の豊穣を感じさせる場所だった。

詩集「暮らしの降霊」を見つけて、さんざん迷ったあげく買った・買わなかった。

 

 

 

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駅まで歩いた

途中にあった「珈琲回廊」という名前の珈琲屋さん。

センスでここまでいける。

 

 

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買った本たち

抑えに抑えた

本は宿題でもあった 生きることの

いくぜ極楽、なんどでも

 

大分に帰ったら雨が降っていた 

寒かった

旅のおわりは半分安堵感とすこしの悲しさがある

ずいぶんつかれてたのかぐうすり寝た

 

 

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旅と本と余りの風 1〜「モラトリアム」変

 

 

 

違う土地の風を浴びたくておとなり熊本へ。

復旧した九州横断特急で竹田、阿蘇を通って熊本へ。

別府から片道約3時間、約5,000円で脳の風景を洗う。

 

 

 

 

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熊本は駅周辺ががらんとしているのが面白い。

 

はじめに河原町繊維問屋街にある「モラトリアム」というお店を訪れた。

ディープな友人のO氏に熊本でディープなところはないの?と聞いて

教えてもらったお店だった。

 

 

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だいたい繊維問屋街自体がディープな町のかおり。

ふとソウルの路地裏を思い出したりもした。

そしてお目当てのお店「モラトリアム」。

すぐれて香ばしかった。

 

 

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混沌ではあるが無秩序というわけではなく、

心地の良い混乱を脳に与えてくれる。

 

かきわけかきわけの宝探し。

幾つかの戦利品。

散財す。

 

 

 

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飯が不味くなる茶碗

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革命の灯はここまで届いている

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おれのMacBookAirに貼ろうか

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皿のない河童

 

 

物のもつ力

は制作者のそもそもの意向とは別の處で嗜好が生まれたりするところに

ある真面目とか不真面目とか関係なくどれも必死に物となりえ

た残酷さとユーモアが凝固して市場で命懸けの飛躍をして

いる買われた物たちはまた違う場所でだれかの視線をあびるのを待つ

 

 

 

【開催案内】悩める教師のためのオンライン読書会 4.29

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好評のオンライン読書会です。今回課題となる本は『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治(新潮新書)です。全部読まなくても構いませんが、できるだけ読んでご参加ください。「悩める教師たちの〜」とありますが、教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。


ファシリテーターのコメント
「本屋さんで山積みにされている「ケーキの切れない非行少年たち」を読みましたか?僕は読んで非常にショックを受けました。そのショックとは私が生きている世界の前提、たとえば〈普通〉とか〈通常〉とか〈一般的〉といった自分が想定している前提がガラガラと音をたてて壊れていくショックです。たとえば教育関連の仕事に就いている方でこれは指導が難しいなと感じた場面などありますか?読まれた感想をベースとしつつ、みなさんと一緒に考えたいと思います。」


○テーマ:『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治(新潮新書)を読んで考える
○日 時:4月29日(木)20:00-21:45
○場 所:各自パソコン(カメラ・マイク付属もしくは内蔵)の前へ(原則デスクトップかノートブックパソコンにて参加してください。)  ※ ipadスマホでの参加は構いませんが、全員の顔が同時に見れないので不自由さがあるかと思います。
○方 法:Zoomを使用します。
○参加条件:事前に『ケーキの切れない非行少年たち』をお読みください。
ファシリテーター:シミズ
○参加費:300円*paypayかamazonギフト券かで直接お支払いください
○定 員:約15名程度(要事前申し込み、先着順)
○備 考:開催前日までに以下ホームページからお申込みください。

 

哲学カフェ大分 - 対話と人と読書(哲学カフェ大分)