対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

*9月の別府フリースクールうかりゆハウス*

 

 

こんにちは。別府フリースクールうかりゆハウスの志水です。先日は大分合同新聞の4月からの取材が記事となって実り、教育委員会や支援学校などの訪問を受けて、いろんなところにうかりゆハウスの活動を知ってもらうようになりました。特に基本理念である哲学対話、こども哲学が教育とともに語られたことに大きな手応えを感じています!

・うかりゆハウスの9月は火曜日に対話を軸としたイベント行い、僕や凜さん以外との大人とゆるやかに接する機会を設けます。それ以外の平日はゆっくり自分の興味のあることを探求する時間や勉強をする時間にします。開所する曜日は月〜木曜日とします。

そして1日30分程度の対話の時間をとりいれたいと考えています。生徒さんのイベント参加費はイベントのみの参加であっても、1日利用と同じく2500円に一律します。またクッキングの時間は週一くらいのペースでやっていきます。添付していますカレンダーをご覧ください。よろしくお願いします。



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〈9月のうかりゆハウス・スペシャルイベント〉※大人だけの参加は500円

◆「こども哲学の時間 9.6 」
毎回テーマを決めて、みんなで考え、語り、聴く、うかりゆのメインイベントです。基本小学校高学年から中学生のみの参加です。考えることの森を一緒に歩いて、みんなで哲学者になろう♪

○日 時:9月6日(火)14:00-15:30
○テーマ:「他の人とわかりあうとは?」
○対 象:主に小学校高学年から中学生(大人は参加できません)
○企画・ファシリテーター:シミズ
○参加費:一日利用2,500円
○備 考:開催前日までにお申込みください。



◆「絵本 de 考えるカフェ 9.13 」一緒に絵本を読んで、考えることを楽しもう!
最後に絵本を読んだのはいつですか?忘れられない絵本はありますか?絵本の作品世界を味わって、そのテーマに込められた世界観を子どもも大人も考え語り合いませんか?

今回は幼い男の子が成長し、老人になるまで、温かく見守り続ける1本の木の話です。拙いですが志水の朗読、読み聞かせで紹介していきます。こちらは事前に読んでくる必要はありません。当日一緒に読んで楽しみましょう♪

○絵 本:『おおきな木』作:シルヴァスタイン 訳:村上春樹もしくは本田錦一郎あすなろ書房
○日 時:9月13日(火)14:00-15:30
○場 所:別府フリースクールうかりゆハウス。オンライン参加希望の方はご相談ください。
○朗読・読み聞かせ:シミズ
○参加費:¥500円(フリースクールの運営費に使わせていただきます)
○定 員:5名程度(要事前申し込み、先着順)大人も参加可能
○備 考:開催前日までにお申込みください。

※事前に読んでくる必要はありません。当日一緒に鑑賞しましょう。


◆(新企画)「アート de 対話型鑑賞 9.18 」
絵画を鑑賞しながら、対話をしていく対話型鑑賞を実験的にやってみたいと思います。対話型鑑賞とは、ニューヨーク近代美術館のヤノウィンさんが開発した、アート作品を鑑賞(観察)しつつ事実(論拠)に基づいて自分の意見を話す、感性と論理を繋ぐ対話トレーニングの方法です。アートを楽しみながら、感性と論理を磨いてみませんか?

○日 時:9月18日(日)10:00-11:45
○場 所:別府フリースクールうかりゆハウス。
○対 象:主に小学校高学年から高校生(大人も参加可)
○企画・ファシリテーター:シミズ
○参加費:500円※10代の参加者は無料です
○備 考:開催前日までにお申込みください。


◆「こども哲学の時間 9.20 」
毎回テーマを決めて、みんなで考え、語り、聴く、うかりゆのメインイベントです。基本小学校高学年から中学生のみの参加です。考えることの森を一緒に歩いて、みんなで哲学者になろう♪

○日 時:9月20日(火)14:00-15:30
○テーマ:「生命(いのち)って何だろう?」
○対 象:主に小学校高学年から中学生(大人は参加できません)
○企画・ファシリテーター:シミズ
○参加費:一日利用2,500円
○備 考:開催前日までにお申込みください。


◆「おしゃれなラッピングアレンジ講座 9.27 」
ちょっとしたお礼や贈り物を渡すときに、覚えておくと役に立つ「ラッピングアレンジ」。ひと工夫でアレンジの幅が広がり、大切な人への贈り物がより素敵なものへ。ナビゲーターは、flower shopやケーキ店で様々なラッピング実務を経験してきた紗良さんです。あなたも、ワンランク上の素敵なラッピングアレンジに挑戦してみませんか?

○日 時:9月27日(火)14時〜15時
○テーマ:リボンラッピング基本編
○ナビゲーター:紗良
○参加費:一日利用2,500円(中学生までの参加限定)
○備 考:材料の準備がありますので9月25日(日)までにお申込みください。

 

 

参加申し込みフォーム

ws.formzu.net


icloudの方のメールの返信ができない事例が頻発しています。それ以外のメールアドレスで送っていただけると嬉しいです。申し込んでその日のうちに返信がない場合は迷惑メールフォルダをご確認ください。

【開催案内】おしゃれなラッピングアレンジ講座

 

 

◆「おしゃれなラッピングアレンジ講座」
ちょっとしたお礼や贈り物を渡すときに、覚えておくと役に立つ「ラッピングアレンジ」。ひと工夫でアレンジの幅が広がり、大切な人への贈り物がより素敵なものへ。ナビゲーターは、flower shopやケーキ店で様々なラッピング実務を経験してきた紗良さんです。今回はお花の一輪ラッピングです。あなたも、ワンランク上の素敵なラッピングアレンジに挑戦してみませんか?

○日 時:8月31日(水)14時〜15時
○場 所:別府フリースクールうかりゆハウス
○テーマ:お花の一輪ラッピング
○ナビゲーター:紗良
○参加費:500円

 

 

晩夏の挽歌



 

この世界で、人間という生き物に知覚の能力を与えているものは、まず自然であって、決してその逆ではない。

 

セザンヌ 画家のメチエ』前田英樹

 

 

 

2022.8.22-28

月曜日

外に出たら、秋のような風を感じてしまった。

 

 

火曜日

打ち合わせをした。たぶんいやあれば教育についての対話だった。

 

 

水曜日

絵本de考えるカフェを開催した。

絵本の宇宙にみんなでダイブできた。

 

 

 

木曜日

活動計画を生徒と立てていく。

伴走、併走するイメージで。

 

 

金曜日

別府フリースクールうかりゆハウスの取材記事が新聞に掲載された。

 

 

その勢いで、別府支援学校の先生方、教育委員会の方々が午前中に見学に来て、

新聞を読んでくれていて、話が早かった。完璧なタイミング!

午後は中学校へ訪問。話す、資料を渡す、話す、資料を渡す。

かつどうてきな一日だったにちがいない。

 

 

土曜日

アート対話鑑賞に参加。

参加者の言葉を言い直すパラフレーズポインティングが効いていて、

真似しようと思った。

 

 

夜借りていた溝口健二の「夜の女たち」を見る。

戦後直ぐの西成、釜ヶ崎の風景が写っていた。

田中絹代が不意に脱出したり、また戻ったりするシーンなど、

前置きのない演出の呼吸がすばらしい。

 

 

日曜日

別府鉄輪朝読書ノ会を開催する。

『生きている兵隊』を読んだ。

戦争は女の顔をしていないと思った。

ペレーヴィンは革命を女だと書いた。

 

 

 

涼しい秋風に吹かれて昼寝した。

何ヶ月かぶりに「眠った」という感触を得て深かった。

ほんとうに安堵した。

いままでは何だったのか。

眠ったふりをしていたのかもしれない、

おれのなかでもう夏は終わった。おわた。

 

 

 

 

この巨大な褐色がかった青が、私の魂のなかに落ちてきて、そこで歌っていた。

セザンヌ

 

 

 

色彩は私を永遠に捉えた、私にはそれがわかる。

この至福の時が意味するのは、私と色彩はひとつだということ。

私は、画家だということ。

パウル・クレーチュニジア旅行、1914年4月16日)

 

 

 

 

 

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 8.28

 

 

 

待っている兵はいらいらしてきた。それほど彼等は若い女に接しなかったし、戦場に居ると不思議と女のことばかり考えるものであった。

 

『生きている兵隊』石川達三

 

 

 

 

 

八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

八月は毎年戦争文学を読んでいて、今年は『生きている兵隊』を読みました。

 

ちなみに過去八月に読んだ戦争文学は、

 

・『夏の花』原民喜

・『野火』大岡昇平

・『爆心』青来有一

・『魚雷艇学生』島尾敏雄

・『火垂るの墓』野坂昭如

・『桜島・日の果て・幻化』梅崎春生

 

どれも参加者が少なかったイメージですが、この読書会の始まりから八月は戦争文学を読んでいこうというスタンスに変わりはないです。

 

 

今回は、南京虐殺を描いたとされるルポルタージュ文学の傑作『生きている兵隊』。

ウクライナで戦争が起きているなか、きれいごとではない戦争の実相を生々しく

伝えるものとして、読んでいきました。

平常時はやさしい人間が、戦場では恐ろしい人間に変わっていく恐ろしさ、

世界はなぜ一つになれないのか?政治、宗教の意味とは、

検閲によって伏せ字になった部分を拾いながら、感想を交わし合いました。

 

むすびのさん特製のメニューは、中国戦線のお爺ちゃんから聞いた中国のこどもは

唐辛子をそのままで食べていたというエピソードより、唐辛子を使った料理でした。

デザートは、キクラゲ、ナツメ、ハスノミ、クコの実を使った杏仁でした。

ありがとうございました。

 

次回九月は新興宗教二世を扱った、『星の子』今村夏子(朝日文庫)を読んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

大分合同新聞に取材記事が掲載されました。8.26



大分合同新聞に取材記事が掲載されました。

 

新しい学期が始まる、子どもたちの不調が増えるこのタイミングでの掲載は

意義深いものだと思います。

 

哲学対話という言葉が紙面に出るのも嬉しかったです。

 

今日は絶好のタイミングで、教育委員会や支援学校のうかりゆハウスへの訪問があり、

記事の掲載がわたしたちの活動を後押ししてくれました。

 

ありがとうございました。

 

よかったらご覧ください。

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2022/08/25/JIT202208250719

 

 

 

【開催案内】絵本 de 考えるカフェ 8.24

 

 

 

 

◆「絵本 de 考えるカフェ」一緒に絵本を読んで、考えることを楽しもう!※対面のみ
最後に絵本を読んだのはいつですか?忘れられない絵本はありますか?絵本の作品世界を味わって、そのテーマに込められた世界観を子どもも大人も考え語り合いませんか?

今回もことばは谷川俊太郎。絵は「ピンポン」などで有名な松本大洋です。拙いですが志水の朗読、読み聞かせで紹介していきます。こちらは事前に読んでくる必要はありません。当日一緒に読んで楽しみましょう♪


○絵 本:『かないくん』作:谷川俊太郎 絵:松本大洋(ほぼにちの絵本)
○日 時:8月24日(水)14:00-15:00
○場 所:別府フリースクールうかりゆハウス

○対 象:主に小学校高学年から高校生(大人も参加可)
○朗読・読み聞かせ:シミズ
○参加費:¥500円(フリースクールの運営費に使わせていただきます)
○定 員:6名程度(要事前申し込み、先着順)
○備 考:前日までにお申込みください。
○前回の様子:
 
 

おのれ自身の端緒を更新されよ

 

 

 

「水浴」の裸体は、むろん誰の裸体でもない。ここにいるのは、あれこれの〈人物〉ではない。これらの裸体は、マルヌ川の水に浸った少年の裸体を通して、ありうるすべての裸体へと拡がっていった感覚の生命である。

 

セザンヌ 画家のメチエ』前田英樹

 

 

 

 

哲学とはおのれ自身の端緒が更新されていく経験である。

 

メルロ=ポンティ

 

 

 

 

およそ言葉というものはすべて場違いでしかないと思われた。

 

『モロイ』ベケット

 

 

 

 

2022.8.15-21

月曜日

終戦記念日。サイレンが鳴る。

 

明治維新から終戦までが77年で、終戦から今年で77年。早すぎる、遅すぎる。

 


長崎では昭和、平成、令和と被爆体験者に原爆の絵を描いてもらっていて、昭和、平成では遺体が多く描かれているのに対し、令和では焼け跡で人びとが助け合った光景が多く描かれているという。死期が近くなるときに浮かび残したいと思うのは被害者的な側面より地獄の中で受けた、あるいは目撃した優しさや慈悲なのかもしれない。

 

 

 

火曜日

こども哲学を開催した。

 

言葉というものは本当に凄いものだ。

そして言葉を発するということはもっと凄いことだ。

そしてそれを聴くということも凄いことだ。

 

 

わたしは長いこと自分の言葉を失っていた時期がある。

だからたくさんの文学や詩を読んだ。

そしてかろうじて他者と架橋し、自分の言葉を取り戻しつつある。

そういう過程がこども哲学のなかにもある。

こどもは学校のなかで言葉を奪われているのだから。

 

 

 

水曜日

進撃の巨人」を読み進める。20巻をすぎる。

ドストエフスキーのたとえもあるようだが、銭金の話が出てこないので、

たとえとしては違うだろう。

 

アニメは見ていないが敵が「巨人」という特性上、

立体機動装置を使って前後上下左右のトポロジカルなアクションを見たい。

 

 

 

木曜日

お盆がすぎて、陽射しの力が少しずつ弱まったのを感じる。

秋が少しずつやってくるこの中間の時期をなんと呼ぶのだろう。

でもまだクーラーは必要だ。早く走りたい・

 

 

金曜日

深夜に遠くに鳴きだす蝉がいる。

夏がびよんとのびきる。

 

 

土曜日

吉村萬壱先生の「自分の字を好きになってください」という言葉を

ときどき思い出して、書いてみる。

 

 

 

日曜日

アートde対話型鑑賞を開催する。

1つの絵画を長く見ること。

この体験は、私たちの世界を見る目を確実に変える。

少しでもその描いた画家と同じ眼を持てるように、

世界が変容する、わたしが変容する。

 

 

明礬うどんを食べる。

渋谷で中学生による通り魔殺人が起きる。

夏期講習に行くと言って家を出た。

 

 

 

セザンヌが描こうとしていた「世界の瞬間」、それはずっと以前に過ぎ去ったものではあるが、彼の画布はわれわれにこの瞬間を投げかけ続けている。そして彼のサント・ヴィクトワールの嶺は、世界のどこにでも現われ、繰り返し現われて来よう。エクスに聳える固い岩稜とは違ったふうに、だがそれに劣らず力強く。本質と実存・想像と実在・見えるものと見えないもの、絵画はそういったすべてのカテゴリーをかきまぜ、肉体をそなえた本質、作用因的類似性、無言の意味から成るその夢の世界を繰り拡げるのである。

 

『眼と精神』メルロ=ポンティ