対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

幻ブルーマンデー

松永久美子をはじめとして、手足や身体のいちじるしい変形に反比例して、なにゆえこの子たちの表情が、全人間的な訴えを持ち、その表情のまま、人のこころの中に極限のやわらかさで、移り入ってきてしまうのだろうか。 『苦海浄土』第二部 神々の村 第一章 …

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30『苦海浄土』石牟礼道子

この日はことにわたくしは自分が人間であることの嫌悪感に、耐えがたかった。釜鶴松のかなしげな山羊のような、魚のような瞳と流木じみた姿態と、決して往生できない魂魄は、この日から全部わたくしの中に移り住んだ。 『苦海浄土』石牟礼道子(講談社文庫)…

【開催報告】オン哲!5.22「癒しってなんだろう?」

オンラインのようす 久しぶりにオン哲!(オンライン哲学カフェ)を開催しました。 テーマは「癒しってなんだろう?」でした。 人と共にいる癒しもあれば、一人でいる癒しもある。 つながる癒しと断ち切る癒し。 求める癒しと訪れる癒し。 「主婦」とか「母…

バカ波。

1週間のふりかえり 世の中の裏側にあるような貧しげな宿屋を見ると、私はむやみに泊まりたくなる。そして侘しい部屋でセンベイ布団に細々とくるまっていると、自分がいかにも零落して、世の中から身捨てられたような心持ちになり、なんともいえぬ安らぎを覚…

筋斗雲はだれもが乗れるわけではないのに、ちぎって分け与えることができる

数に溺れて、、ではなく蒲団に溺れて 1週間のふりかえり その杉本家の肇や、清や、勝や、この四つか三つか五つのちいさな年子たちは、けんめいに反りくりかえって走り去ったが、すれ違うとき汚れた頬っぺたがももいろをおびて、金毛の孫悟空のように笑い、清…

【開催案内】オン哲!5.22(オンライン哲学カフェ)

◆「オン哲!5.22(オンライン哲学カフェ) 」 久しぶりのオンラインによる哲学カフェを開催します。今回のテーマは〈癒し〉です。コロナ渦のなか、ストレスがたまることが多いと思いますが、みなさんは何が〈癒し〉となっていますか?癒しはそもそもどこから…

〈哲学カフェ大分〉の対話のルールやコンセプトなど

〈哲学カフェ大分〉の対話のルールやコンセプトは、 対話の開始前にいつも僕が読み上げて共有しているものですが、 一度ここに書き記したいと思います。 対話のルールは、それぞれの哲学カフェで違いますが共通しているものも多い でしょう。対話のルールは…

「対話の可能性」

鷲田清一さんの「対話の可能性」という 詩のような文章にふるえた。 縦書きで書けないのが残念だが、シェアしたいので書き写してみる。 改行はこちらでしました。傍線も僕が引いています。 対話の可能性 人と人のあいだには、性と性のあいだには、人と人以外…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-6

最後に訪れたのは、「成仏」という名前の地名につくられた、 宮島達男の「HUNDRED LIFE HOUSES」という作品。 いままでこの開催報告の冒頭に宮島氏の言葉をもってきたのは、 ここに結びつけるためということもありましたが、 参加者の問いかけのなかに「評価…

【開催報告】本読みに与ふる時間 5.9

不定期ですが、日曜日の朝の時間にオンラインで少しだけ読書時間を設けるという 試みをやっています。 参加者の方々はそれぞれ自分の読みたい本を持ち寄って読みます。 特に発言をしたりといったことはありません。 静かに読む時間を共有するだけです。 親子…

Art in You. Art in You. Art in You...

私が愛した世界は15億の人口だった。60億人が暮らす今の世界は、もはや私とは無縁の存在です。 レヴィ=ストロース 晴れて無職になって半月ばかりが過ぎる。 とにかく自由ということの素晴らしさを骨の髄まで味わっている。 日本のサラリーマンも年に1ヶ…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-5

名前のない海岸と名前のある私たち。 岸辺のない海に辿りつく 目的を失うと、すべてまわりの責任にする。「環境が悪い」「日本の文化度が低い」「社会が悪い」「マーケットが悪い」…そして、戦略を巡らし、外堀から埋めようとする。これではいつまでたっても…

【開催案内】本読みに与ふる時間 5.9

こんにちは。主催者のシミズです。4回目の「本読みに与ふる時間」を開催します。 「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。参考までに前回の開催報告をリンクします。 ↓ kannawad…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-4

鳥は人のためにではなく世界のために啼いている。 鳥の啼き声の意味がわかるだろうか? 喰えることと質とは別次元である。この「質」と向き合うことは、自分と向き合うこと。外的要因ではなく自分の努力で報われる世界。ここは裏切らない。「喰えることは偶…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-3

日常にある死と再生。昨日の自分と今日の自分は同じ存在だろうか。 そもそも職業とは誰かのニーズがあり、そのニーズに応えて成立するもの。アートには、もともとニーズがない。自発的に想いをカタチにしているだけ。だから職業となじまない。しかし、ごくま…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-2

僕は隙間が好きだし、隙間から射し込む光線はもっと好きだ。 この生き方、絵描きに限らない。評価されるされないに関わらず、自分が良いと思える事を人と比べず追求する。そんな人はもうすでに本物のアーティスト。そう、実は、アートは絵描きだけの専売特許…

【開催報告】アートで哲学カフェ in 国東半島 5.3-1

作者不詳がいちばん素敵だ。 アートは職業になじまない。むしろ、アーティストは生き方である。そうした生き方と思い定めれば、自由になれる。うまいへた。評価されたされない。売れた売れない。人と比べない。楽しいから描いていた頃。そして見てくれた人に…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30

『苦海浄土』石牟礼道子(講談社文庫) こんにちは、主催者のシミズです。五月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。GWは特に外出しないという方、普段読まないような「大きな」作品と向き合ってみる絶好の機会かもしれません。 会場のコロナ対策については消毒…

【開催報告】悩める教師のためのオンライン読書会 4.29

悩める教師のためのオンライン読書会を開催しました。 今回は「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治(新潮新書)を課題図書とし、 参加者のみなさまと読んでいきました。 旭川の事件も加害者側のケアはどうなっているんだろうとか、 教育の敗北であると…