対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

2021-01-01から1年間の記事一覧

【開催報告】第六十六回 別府鉄輪朝読書ノ会

わたしの人生の物語などというものは存在しない。そんなものは存在しない。物語をつくりあげるための中心などけっしてないのだ。道もないし、路線もない。ひろびろとした場所がいくつか、そこにはだれかがいたと思わされているけれど、それはちがう、だれも…

【開催案内】散歩する哲学カフェ@別府 11.23

◆「散歩する哲学カフェ(哲学ウォーク)@別府 11.23 」※オンラインではありません 久しぶりの哲学ウォークの開催です。哲学者の言葉を携えながら、別府中心部を歩きます。別府市中心部は道路の拡幅工事が予定されており、また貴重な風景が失われていくこと…

【開催案内】オンラインシネマ哲学カフェ 11.20

映画「嫌われ松子の一生」 1本の映画を見て、それについて哲学対話をするシネマ哲学カフェの案内です。 今回とりあげる映画は、2006年公開の中島哲也監督「嫌われ松子の一生」です。 この作品を事前に見ていただいて、感想を共有しつつ、 「人の幸不幸はどこ…

【開催案内】第六十六回 別府鉄輪朝読書ノ会 11.21

母は流れゆくエクリチュールとなってしまった。 あなたには女がたくさんいて、あたしはそのたくさんの女のなかの、だれかとちがわぬ女なんだと考えるのが好き、とわたしは彼に言う。 子供のころを思うときと同じ色彩の下で、わたしは戦争を見ている。 ベッテ…

コピーレフト/コピーライト

なぜ、わたし以外の誰もこの門を尋ねてこなかったのでしょうか? 『掟の門』カフカ 2021.11.8-14 月曜日 しとしと雨 いつも入っている組合の渋ノ湯の湯量が不調すぎて入れず、近くの熱の湯も湯量が不調で長期の工事に入って使えないので、雨のなか谷の湯まで…

【開催報告】第十回 本読みに与ふる時間 11.14

第十回の「本読みに与ふる時間」を開催しました。 日曜日の朝、オンラインで集まってただ黙々と自分の好きな本を読むだけの会ですが、 終わった後は清々しく、休日のスタートダッシュに有効活用できます。 読まれる本のジャンルは問いませんので、各参加者の…

【開催案内】本読みに与ふる時間 11.14

「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を20分間読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。【企画の概要】・各自が読まれる本は問いません。文芸書でもビジネス書でもお子さんと一緒に絵本を読んでもOKです。基本黙読でお…

雲から抵抗へ

この線路を降りたら赤に青に黄に 願いは放たれるのか?今そんなことばかり考えてる なぐさめてしまわずに 小沢健二 2021.11.1-7 月曜日 きりよく11月に入る。 今年もあと2ヶ月ということか。 以前このブログでピンホールカメラについて書いたら、 ピンホール…

【新企画のご案内】声の文化を楽しむ「朗読部」

5年以上にわたって別府鉄輪朝読書ノ会を続けてきましたが、それと並行してまた違った側面からも読書を楽しもうと考えています。それは声の文化、「朗読」を楽しむ会です。それも児童書などの読み聞かせではなく、文芸作品を中心とした大人の朗読会です。 声…

ポケットのなかの『出家とその弟子』

もう世界中の誰のこともああだこうだ言うまい。なんだかとても若返り、同時に言いようもなく老いた感じがする。 『ダロウェイ夫人』ヴァージニア・ウルフ 2021.10.25-31 月曜日 福岡最終日。選んだホテルは安かったが、朝食がとても充実していて、普段は朝食…

【開催報告】悩める教師のためのオンライン対話 10.30

悩める教師のためのオンライン対話を開催しました。 今回のテーマは「親ガチャ問題をどう考えるのか?」でした。 対話に入る前に、みなさんの意見を聞いてみました。 ・韓国ではパパチャンス、ママチャンスと言って、親ガチャとは逆の優遇で使われる意味の言…

【開催報告】第六十五回 別府鉄輪朝読書ノ会

よくいるかホテルの夢を見る。 夢の中で僕はそこに含まれている。 「あなたの話をして」と彼女は言った。 ただ踊っているだけだ。意味なんかないんだ。 あなたが泣けないもののために私たちが泣くのよ。 僕は何か自分の為に文章を書きたいというような気持ち…

【開催案内】悩める教師のためのオンライン対話 10.30

Oita , Umitamago ◆「悩める教師のためのオンライン対話 10.30」 「悩める教師のための〜」とありますが、教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。(僕自身も教師ではありません。) 今回のテーマは「親…

空襲を待ちわびて

第一章 岬をたどりながら 一歩にはじまり、さらに一歩、そしてさらに一歩と、打楽器を叩きはじめるように積み重なってゆく歩行のリズム。歩行はたやすくわたしたちを誘い出す。宗教、哲学、風景への眼差し、都市の政治学、人体の解剖学、アレゴリー、そして…

遊歩のグラフィスム

2002.10 Seoul 異国の雨。知らない人たちの背中の追いながら地下鉄へと歩いた 2021.10.11-17 月曜日 なにをした日か忘れた。月曜日は遠い。 手帖にはTSUTAYA返却とだけある。 火曜日 暑い。蒸します。 10月とは思えない。日曜日から冷えるようだ。 冬服を準…

【開催報告】オン哲!10.16「政治的発言はなぜ嫌われるの?」

10月のオン哲!(オンライン哲学カフェ)を開催しました。 今回のテーマは「政治的発言はなぜ嫌われるの?」でした。 テーマ性でしょうか、今回は前回とは真逆の男性の参加者の多い回となりました。 以下、主観も交えつつまとめてみました。 対話に入る前に…

【開催報告】第九回 本読みに与ふる時間 10.17

わたしはソノに、数ヶ月前にロサンゼルス・タイムスで見かけて頭に引っ掛かっていた広告について話した。CD-ROM版の百科事典の全面広告だった。謳い文句は「雨の日にも図書館まで歩かなければアクセスできなかった百科事典。お子さまにはそんな苦労をさせた…

【開催案内】本読みに与ふる時間 10.17

◆「本読みに与ふる時間 10.17 」「本読みに与ふる時間」とは各自が日曜日の朝に好きな本を20分間読む、その時間をオンラインで共有するというだけの企画です。 【企画の概要】・各自が読まれる本は問いません。文芸書でもビジネス書でもお子さんと一緒に絵本…

【開催案内】オン哲!(オンライン哲学カフェ)10.16

10月のオンラインによる哲学カフェの案内です。 参加希望者はホームページよりお申し込み下さい。 ◆「オン哲!10.16(オンライン哲学カフェ) 」 今回のテーマは「政治的な発言はなぜ嫌われるの?」です。 日本では芸能人が政治的な発言(原発批判や基地問題…

どれみふぁけろけろ

2002.10 Seoul ソウルにも神田のような古本屋街があった。読めない文字が気持ちよかった 時枝は、英語を天秤に喩えた。主語と述語とが支点の双方にあって釣り合っている。それに対して日本語は「風呂敷」である。中心にあるのは「述語」である。それを包んで…

音溝のないレコードを聴く

2002.10 Seoul 砂埃の舞う大通りを愛した 漂白とは、たどりつかぬことである。 たとえ、それがどこであろうとも、 われわれに夢があるあいだは、 「たどりつく」ことなどはないだろう。 寺山修司「旅の詩集」 2021.9.27-10.3 月曜日 プルーストをほとんど読…

【開催案内】第六十五回 別府鉄輪朝読書ノ会

「そろそろ昼飯を作ろうかなと思ってたんだ。ぱりっとした調教済みのレタスとスモーク・サーモンと剃刀の刃のように薄く切って氷水でさらした玉葱とホースラディッシュ・マスタードを使ってサンドイッチを作る。紀ノ国屋のバター・フレンチがスモーク・サー…

メモランダム;親ガチャ

Twitterで「親ガチャ」と検索してみていろんな人の意見を集めてみた。 「親ガチャ」って賛否両論あるみたいだけど、俺は言葉ができたことで、共感や救いが生まれたって思うんだよな。拒否感を感じる人は自分の想像外の過酷な家庭環境があるって思いやって欲…

license to live

2002.10 Seoul 裏路地への抗しがたい魅惑。壁から壁へ ドゥルーズが明確に指摘するように、小津のカットは写真との類似が最も緊密に現れるその地点において、写真のありかたから最も根底的に遠ざかる。 前田英樹『小津安二郎の家』 2021.9.20-26 月曜日 夜中…

【開催報告】オンライン・ソーシャルカフェ 9.25

先日、かつてヨーガを個人的に習っていた先生とひさしぶりに電話でお話する機会がありました。近況をお尋ねしたら、「必死の思いでヨーガのレッスンを受けに来る人たちがいるので、感染対策をしながらヨーガ教室はずっと休まずに続けています。」とおっしゃ…

【開催報告】第六十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.26

疲労だけが彼の唯一つの救いなのである。 中島敦『李陵』 第六十四回目の別府鉄輪朝読書ノ会 9.26を開催しました。 今回取り上げた作品は中島敦『李陵・山月記』。いつも女性の参加者が多い会ですが、女性も男性も中国の広大なスケールなかで繰り広げられる…

【開催案内】オンライン・ソーシャルカフェ 9.25

不要不急 オンラインでのソーシャルカフェの開催案内です。 今回のテーマは「デートは不要不急の外出か?」です。コロナ禍における、「不要不急の外出」についてみなさんと考えていきたいと思います。「デート」は象徴的に扱い、広くコロナ禍の「不要不急」…

伯林の瞬間

2002.10 Seoul 街の猥雑さは誰がつくるのだろう 音のうまれるときは、人間の内部にもからっぽな空間がある。心にじゃまされずに音に気づき、音のはこびをほとんど意思の力で消えるまでたどる。音をつくる身振りは訓練をかさねて、意識からはなれていく。フィ…

【開催報告】第八回 本読みに与ふる時間 9.19

九月の「本読みに与ふる時間」を開催しました。 日曜日の朝にオンラインで集まって各自好きな本を20分間読む、 ただその時間を共有するだけというシュールな?会ですが、 静かに集中して本を読むにはとてもいい会だと思っています。 (最近集中力がなくなっ…

【開催報告】オン哲!9.18(オンライン哲学カフェ)

9月のオンライン哲学カフェを開催しました。 今回のテーマは「最近、冒険していますか?」でした。 対話に入る前に、みなさんの最近の「冒険」のエピソードや今回のテーマに関して考えていることなどお聞きしました。 ・読書好きだがアマゾンだと自分の嗜好…