対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

その他

物への信仰告白

普通は空気と総称される物質にも固体化に向かう極小の傾向があり、動物と呼ばれる生命体にも周囲に浸透していく気体状の深さがある。 『セザンヌ 画家のメチエ』前田秀英樹 2022.9.5-11 月曜日 小学生のうかりゆ見学。 発露するエネルギー、好奇心、想像力、…

馬の背中は喪失的にうつくしい作文だった。

人間は他人を救うとおなじ次元で、じぶんを救うというようにはできていません。 吉本隆明 2022.9.5-11 月曜日 言葉そのものが救済となるような地平へ。 宗教は救済の地平にはないことに気付け。 宗教がわかりやすすぎる。 株式会社のような宗教。 不可解さに…

解放に真にかかわる人びとは、

そこでも重点は それらの原理による統一ではなく 複数への分岐とそれらのあいだのバランスだった 高橋悠治 2022/8/29_4 月曜日 オンラインで副代表と午後からずっと打ち合わせ。 自分たちのやりたいことが見えてきた。 詰まっていたもの、滞りのあったところ…

晩夏の挽歌

この世界で、人間という生き物に知覚の能力を与えているものは、まず自然であって、決してその逆ではない。 『セザンヌ 画家のメチエ』前田英樹 2022.8.22-28 月曜日 外に出たら、秋のような風を感じてしまった。 火曜日 打ち合わせをした。たぶんいやあれば…

大分合同新聞に取材記事が掲載されました。8.26

大分合同新聞に取材記事が掲載されました。 新しい学期が始まる、子どもたちの不調が増えるこのタイミングでの掲載は 意義深いものだと思います。 哲学対話という言葉が紙面に出るのも嬉しかったです。 今日は絶好のタイミングで、教育委員会や支援学校のう…

おのれ自身の端緒を更新されよ

「水浴」の裸体は、むろん誰の裸体でもない。ここにいるのは、あれこれの〈人物〉ではない。これらの裸体は、マルヌ川の水に浸った少年の裸体を通して、ありうるすべての裸体へと拡がっていった感覚の生命である。 『セザンヌ 画家のメチエ』前田英樹 哲学と…

やさしい場所

生命がそこにある感じをまざまざと感じる 幼児は禅のこころを持つアナキストだ。 『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』ブレイディみかこ 2022.8.8-14 月曜日 「知性的な人」というのは「周囲の人たちの知的パフォーマンスを高める人」というのが僕…

塩田千春展「巡る記憶」8.14

ミュージアムと内と外が呼応するようにそれはあった。 なだらかに連続性をたもちつつ、路地へとアニマは流れていった。 日常がアートであるように、アートが日常であるように、 いま生きているこことそこが結ばれていた。

生成のテーマ、テーマの生成

課題提起教育において、人間は、世界のなかに、世界とともにあり、そしてそこで自分自身を発見する方法を、批判的に知覚する能力を発展させる。 課題提起型教育方法のプログラム内容は、すぐれて対話的であり、生徒の世界観によって構成・組織される。そこに…

W・B・イェイツのように、私は他の人々の庭を楽しむのだ。

窓から外を見ると、あらゆるものの間の距離が消え失せ、夜明けの光の中ですべてが新たな眼で見つめられた。J・クリシュナムルティ 2022.7.25-31 月曜日 ケアを中心としたこども哲学の可能性についてずっと考えている。 しかしケアというものがなんなのか、と…

カフカの泣いたホテル

「考えることでひとは強くなる」と思われている。主体的に自己決定できるようになると言われている。また、対話をすることでひとびとと協働する「力」がつき、社会で成功する信じられている。 哲学対話に乗り気じゃない生徒や学生に、大人たちは「社会に出て…

ゆったりと真にカルチベートされた人間になれ

「もう君たちとは逢えねえかも知れないけど、お互いに、これから、うんと勉強しよう。勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物…

私は私自身を救助しよう。

「自由な泳ぎ手 24」Wolfgang Tillmans , 2003 私にとってたとえそれがどのような旅であろうとそれはいつも北へ向かってゆくものなのだ。間章 毎日、毎日が祝福だった。 クリシュナムルティ 2022.7.4-10 月曜日 あたらしく来た生徒さんとネコのオカユが気が…

別府市の市報(7月号)に子どもの居場所として掲載されています。

今月発行された別府市の市報に子どもの居場所として、 別府フリースクールうかりゆハウスが掲載されています。 当校が広く周知されることを願います。

つまり窓が開き、夕方には眩しい光(言葉ではなく)が地上にとどく。

Nagasaki,2013 サングラスのうしろで目をなかば閉じ、家々の番地も街路の番号も見ないように歩いた。 『ザーヒル』ボルヘス 2022.6.27-7.3 月曜日 5時起床。 昨日の読書会の余韻。 すぐ隣のむすびのさんで行われたというのが信じられなくもあり、夜の静けさ…

川のない橋/橋のない川

むしろ治療者の役割としての理想は、治療が進むと同時に、だんだん存在が希薄になっていくことでしょう。極論すれば、最終的には忘れられてしまうのが理想であるように思います。 『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』斎藤環 2022.6.13-19 月曜日 雨。 家の裏…

「わからない」ことの希望

問題を特定するのではなく、問題を語りあうこと。 問題を個人で背負うのではなくネットワークで背負うこと。 『ナラティブと共同性』野口裕二 2022.6.6-12 月曜日 注文していた本がたくさん届いて嬉しい。 1ヶ月の上限をなんとなく決めているので、今月はこ…

あらゆる場所に花束が…

とりわけ患者を理解しないようによくよく注意しなくてはいけません。理解してしまうことほど皆さんを惑わすものはありません。ラカン 2022.5.30-6.5 月曜日 ホームドア川口加奈さんのトークイベントをオンラインで視聴。 わたしの原点にホームレスがいること…

【6月のご案内】別府フリースクールうかりゆハウスのスペシャルイベント

6月のイベント情報のご案内です。 すべて別府市鉄輪のフリースクールうかりゆハウスにて開催します。 参加希望者は、以下の申込みフォームより参加したいイベント情報を明記して ご参加ください。 参加申込みフォーム。icloud以外のメールアドレスでの申請を…

たまには裸足で歩いてみるといいよ

大分市美術館の緑の空間、ガラスの向こうにある緑が好きだ 橋というものはここでは決して、一個の既に現にある岸から、向こう側のやはり既にある岸へと架けられる物ではない。そうではなくして〈橋〉自体が全く同時に、そしてそのままの姿で、流れを軽やかに…

バラ vs バラ

個人的な欲望だけで築き上げた私設のバラ園を訪れる。ここまでものを造るのにどれだけの時間とエネルギーをかけたのだろうか。三十三年間かけて自身の夢想を宮殿として具現化した郵便配達夫シュヴァルを想起させる。今が見頃で5月と10月だけ一般公開している…

墓を食う

わたしは祈る。どうか、考えるということが、まばゆく輝く主体の確立という目的だけへ向かいませんように。自己啓発本や、新自由主義が目指す、効率よく無駄なく生をこなしていく人間像への近道としてのみ、哲学が用いられませんように。 『水中の哲学者たち…

複雑化の教育論

僕は子どもの複雑化を素直に喜ぶことは大人のたいせつな職務の一つだと思います。 複雑化は計測不能である。それがとても重要なことなんだと思います。 複雑化する時に起きているのは量的な変化ではありません。それは「表情の変化」「手触りの変化」「雰囲…

価格設定はアートである

2022.5.2-8 月曜日 日曜日の夜にあるガキ使を10年以上ぶりくらいにテレビで見ているけど、全く面白くなっていることに驚く。YouTubeなどで過去のものを見ると面白いのだが、現在制作されているものの面白くなさは何だろうか、これは充分論考に値するものでは…

意思から遠く離れて

最近、不登校の子どもたちの専門紙からインタビューを受けました。不登校の子どもたちもしばしば「意思が弱いから学校に行けない」と言われてしまいます。しかし、不登校の子どもたちも「学校に行かないことが自分の意思」とは言い切れないわけです。 行きた…

ここだったら、居てもいいかな

宮沢賢治の生涯は「挫折」であったとひとはいう。賢治自身が「半途で倒れた」という以上それは正しいだろうし、わたしもそのように書いてきた。けれどもいったいどこに到達すれば挫折ではなかったというのだろうか。あるひとは賢治が革命の思想に到達しなか…

なにかの傍らにとどまるもの

目にふれるひとつひとつのものがおどろきであるようなこの感覚を、だれもが一度はもっていたはずだ。 「心のある道」〈意味への疎外〉からの解放 真木悠介 2022.4.11-17 月曜日 くもりぞら。 妹のクラスでコロナ陽性者が出たとのことで、生徒さんはお休み。 …

気流の鳴る音

労働が強制されない社会が実在するか否か、私は今でもしらない。しかしもしそのような社会が存在しうるとすれば、すなわち労働がそれ自体よろこびとして、マルクスが書いているように、人間生命の発現としてありうるとすれば、そこでは必ず、人間と人間との…

ふるカフェ系 ハルさんの休日

Eテレで僕の好きな番組のひとつ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」 今週放送分は、なんと別府鉄輪朝読書ノ会の会場で使わせていただいている 鉄輪温泉のここちカフェむすびのさんが取り上げられます。 企画段階で、読書会の風景も撮りませんかとディレクターに…

キーウ

キーウの大地と空 人間を人間として、 また世界に対する人間の関係を人間的な関係として前提してみたまえ。 そうすると、君は愛をただ愛とだけ、信頼をただ信頼とだけ、 その他同様に交換できるのだ カール・マルクス『経済・哲学草稿』 2022.3.28-4.3 月曜…