「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。その途上で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、指から生まれた赤ん坊、不帰(かえらじ)の天の町……。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高峰。1952年刊。
第二回目の別府鉄輪朝読書ノ会の課題図書は、
エイモス・チュツオーラの『やし酒飲み』をとりあげます。
作者のエイモス・チュツオーラはナイジェリアの作家(1920-1997)ですので、
大きくはアフリカ文学という範疇に入りますが、英語で書かれた小説です。
冒頭はこんな文章で始まります。
「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。」
冒頭からすでに、わたしたちの生きている世界の論理や常識から外れた
肌触りがします。
ラテンアメリカ文学は読まれている方でも、
アフリカ文学はなかなか触れる機会がないだろうと思い、
今回この作品をとりあげてみました。
どんな〈読み〉があるのか、みなさんの感想が楽しみです。
まだ残席ありますので、気になる方はぜひホームページより
お申し込みください。
シミズ