『やし酒飲み』は日本語訳もまた創意工夫に満ちたものなのですが、
超訳すぎるのでは?という声もありましたので、
会の中でも話題となった一文をとりあげてみたいと思います。
岩波文庫でいうと、76ページの1行目に王様との対話のやりとりがあるのですが、
王様が「どこから来たのか」という質問に、
わたしは、「地球から来ました」と答える場面。
この〈地球〉というのが唐突と言うか異様で笑えるのですが、
原文はどうなってるんだろうという
疑問が上がりましたので調べてみますと…
where were you coming ? I replied that we were coming from the earth.
とあって、まぎれもなく〈地球〉でした!
『やし酒飲み』はカタコトの英語で書かれており、
比較的平易な英文なので、容易に原書をたどることができます。
もし錆びついた英語力を磨きたい、訳文と比較したいと思っている方は、
原書に挑戦してみるのも面白いかもしれませんよ。