第四回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催いたしました。
お暑い中、12名の方にご参加いただきました。
別府周辺からも多くの初参加者の方がみえられて嬉しかったです。
今回とりあげた作品は太宰治の『グッド・バイ』です。
新潮文庫のものは戦後の短編作品がまとめておさめられており、
それらも課題図書の対象としました。
全体的な感想としては、教科書で読んだ『走れメロス』とは全く違う印象だった、
女性のことがよく分かっている作家、純粋、真面目、憎めない、
今読んでも新しい、ユーモア感覚のレベルの高さ、自分を突き放して見ている、
良い印象を持っていなかったが今回『グッド・バイ』を読んで好きになった、
声を出して大笑いした、などなど「太宰治」の世間一般にあるイメージが
今回覆った方も多かったのではと思います。
戦禍のただ中にいても太宰には不思議な明るさのようなものがあり、
それは疎開によってそれまでの人間関係のしがらみから解放され、
家族と向き合えてシンプルになれたのではという意見が印象に残りました。
『眉山』には〈微醺(びくん)を帯びる〉とか〈河岸を変える〉という
好きな表現が出てくるのですが、
現在でも、飲食する店を変えるときに「河岸を変えようか」という表現を
実際に使っている方がいて驚きました。
標題の『グッド・バイ』以外にも『男女同権』や『訪ね人』『饗応婦人』など
傑作が多く、取り扱った作品が多かったためバタバタしてしまいましたが、
対話の中身の濃い充実した時間を過ごせました。
今回も参加者でもある坂本長平商店 長寿味噌の坂本さんに
すてきな写真を撮っていただきました。ありがとうございました。
今回作品をヒントにしたむすびのさんからのお食事は、
日本の戦前からある素朴な食である玄米のおにぎりや野菜たっぷりのスープ、
太宰の出身津軽のりんごジュース、銀座の明治からある文豪に愛された
カフェーパウリスタのブラジルコーヒーなど趣向を凝らした美味しい料理が
今回も提供されました。 ありがとうございました。
相変わらず参加者Mさんの事前研究がすごい。。
でも他のみなさま、ここまで調べなくても大丈夫ですので、
軽い気持ち参加してください−。
最後にみなさんで記念撮影です。ありがとうございました!