主催者のシミズです。
第六回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
当日はあいにくの雨でしたが、多くの方にご参加いただきました。
ありがとうございました。
今回とりあげた本は川上未映子さんの『ヘヴン』です。
胸に刺さった、ヒリヒリした、川上さんの才能を感じた、
いじめのシーンを読むのがしんどかった、コジマは宗教的な存在、
母も子もみんな孤立しているのが、いじめられていることがわかることで
連帯を示すことができた、といった感想が聞けました。
テーマは「いじめ」でありつつも別のことを語ろうとしているのではという
問いがあり、それは世界を意味として捉えるコジマと
非意味として捉える百瀬の対比であり、その中間で揺れる僕であったり、
シャガールやユダヤ選民思想、中二病的な選ばれし者といった話も出ました。
コジマという存在の重さも百瀬のような軽薄な生き方も両方きつくて、
その両者の世界観に都合よくその都度重心をかけながら生きていくのが、
精神の「健康」を保てるのかなあと思ったりもしました。
ラストの描写はほんとに美しい、「美しい」と思いました。
今回も坂本長平商店のサカモトさんに素敵な写真を撮っていただきました。
今回はヘヴン→パラダイスに着想を得たメニューをむすびのさんに提供していただきました。グレープフルーツの学名はシトラス・パラダイスというようです。知りませんでした!
対話中でも話が出ましたが、むすびのさんの店主もなぜこの作品のタイトルが『ヘヴン』なのか考え込んでいました。
最後にパチリと。みなさんと記念撮影しました。
ご参加ありがとうございました。
次回は猫好きの作家、保坂和志氏の『残響』をとりあげます。お楽しみに!