対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

代表のシミズです。第十二回の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回の課題本は川上弘美さんの『真鶴』でした。

 

はじめに参加者の自己紹介を交えつつ作品の全体的な感想を聞いていきました。「気がついたら読み終わっていた」「共感できなかった」「以前から人に薦められていたので読んだ」「ホラーテイスト」「真ん中がおもしろかった」「真鶴(まなづる)という言葉の響き、漢字の形に導かれて書いたのかも」「ついていけなかった」「爽やかに終わっていいの?」「文字の使い方、造語にハッとするものがあった」「官能的な息づかいを感じた」「分身譚?」「まなづるをまづると読み違えていた」「礼(ゼロ)に百や京が近づいたり離れたりする物語とも読める」等々。

 

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つぎに細部を読み込んでいくと、みなさんそれぞれの深い読みに驚かされます。肉食系の女として主人公をとらえる方、ジャポニズムとして川上文学を読まれる方、漢字とひらがなの配置の妙に注目される方、一人の読みでは見えなかった作品の風景が鮮やかに切り取られるようでした。

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今回もむすびのさんからは作品をイメージした軽食を提供していただきました。ありがとうございました。

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最後は本を手に記念撮影。真鶴の文字が映えるブックデザインですね。

みなさま、ご参加ありがとうございました。

来月は夏目漱石の『草枕』をとりあげます。