第二十回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回とりあげた小説は武田泰淳の『ひかりごけ』。新潮文庫には『流人島にて』『異形の者』『海肌の匂い』が収められており、これらの作品も読書会の対象としました。
ー仏像が監視しているな
それぞれの作品に通底するテーマについての指摘。人と仏、見るものと見られるもの。
文明の薫りがない作品、言葉にし難い、人であるとは何ぞやという哲学的な問い、読んでも分からないところが多かった、今の言葉とは違う重みにガツンときた、読み応えがあった、内容の重さと語りの軽さが面白かった。
など言葉を搾り出しながら、みなさんと感想とシェアしていきました。
むすびのさん提供のドリンクは作中に出てくる羅臼の昆布を意識しての、昆布水をベースにプルーンのジャム。お通じが良くなるそうです。
そして軽食の方はツナと玄米に、鱧と鯒のブイヤベース。たいへん美味しかったです。
むすびの田中さんより、メニューの説明です。『ひかりごけ』は飢えの極限状態のなかでの人肉食がテーマになっており、食事が食べられることの有難味を今回しみじみと感じました。
それぞれの感想を持ち寄り、作品の背中を追っていく、スリリングな回となりました。
次回は年内最後の開催となります。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をみなさんと読んでいきたいと思います。