ソクラティク・ダイアローグでは、最初に全員で今回のテーマ(「やさしさとはなにか」)に関する事例をあげることから始まります。これはこの会に申し込んだ際に、事前に考えたものをメールで送るやりとりがありました。時間の節約だと思います。
そしてみなさんの挙げた例のなかから、ひとつだけ選んで対話の材料とします。この過程は非常に大事なようで2時間以上かけたと記憶します。
そしてもっと大事なことは、選ばれなかった事例は捨てるということではないということです。最後に出される結論(答え)が妥当なものであるのかどうか、再びこのみんなで出し合った例に戻って考えてみることになります。
ちなみに僕が出した例は以下のようなものでした。
①
オーガニックの専門店にはなにか〈 やさしさ〉と呼びたくなるようなものが漂っていて、 ただいるだけで癒されます。そこに働いている店員にも〈 やさしさ〉を感じます。
②
自分は人からやさしいと思われているようです。 顔がやさしいとも言われます。 だから辛口の発言をしたりすると顔に似合わないと言われたことが あります。
対話の材料となる例として、「関西と関東のやさしさの違い」について書かれた事例が選ばれました。はじめは簡単な文書だったものを、この例を出された本人に根掘り葉掘り聞くことで、より詳細な例としていきます。むろん本人の話せる範囲内でのことです。ここにもけっこうな時間をかけたように記憶します。
ソクラティク・ダイアローグ(簡易版)を体験する③ 尼崎へにつづく