対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第五十四回 別府鉄輪朝読書ノ会『赤目四十八瀧心中未遂』

 

 

 

 

あの帽子は

わたしがころんだすきに

波にのまれてしまったのです

 

ひろってください

帽子は波にのってただよっています

ほら

すぐ手のとどくところに

あなたが一生懸命

手をのばしたのはわかっています

今日は 海の水がおこっている日

あなたをさえ 波がのみこもうとしている

けど おそれずに

あの帽子をひろってください

 

わたしが願ったのは

帽子をとりもどすこと

ではなかったけれども

 

 

新藤凉子という女の「ひかりの薔薇」(思潮社・昭和四十九年三月刊)という詩集だった。どういう女か知れないが、恐ろしい言葉をのみ込んだような気がした。

 

赤目四十八瀧心中未遂車谷長吉(文春文庫)

 

 

 

 

 

 

十月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

今回は車谷長吉赤目四十八瀧心中未遂』をみなさんと読んで

感想をシェアしていきました。

 

 

 

作者も主人公も言葉を正確に伝えたい人

 

一気に読んだ

 

少しずつ読んだ

 

物語に吸い込まれた

 

難しい漢字を使っているが、読みやすかった

 

怖すぎた内容、本から離れると現実に戻って安心した

 

男の人はしゃべらない。女の人が引っ張っていく世界

 

怖い世界 繊細な人 知識人 

 

なんだかんだで誰かに救われる、こういう物語のパターンがなぜあるのか問いたい

 

映画とは違う面白さがある

 

作家という業

 

日常の藪の中からの言葉、生きている人の言葉を使っている

 

文字霊

 

勤め人としてもアウトサイダーとしても生きられない立ち位置

 

境界線をただよう人 往き来する人

 

言葉のなかに生きるしかない

 

自分の意思がない。ズルイ

 

彼を羨ましいと思っている自分がいる

 

(対話のごくごこく一部を抜粋しました)

 

 

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むすびの河野さんからの特製メニューは、

 

赤目四十八瀧近くの名張市は葡萄で有名らしく、

葡萄をまるまる使ったドリンク。

 

軽食はモツにちなんだ、牛すじの味噌煮込み(土手焼き)でした。

あと鯛のお吸い物に素麺でした。豪華!

 

たいへん美味しかったです。ありがとうございました。

 

 

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ご参加ありがとうございました。

 

冨士屋さんのウスギモクセイが満開でした。

 

次回は『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パウロ会)を読んでいきます。