対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】悩める教師のためのオンライン読書会 11.21

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オンライン画面の様子



3回目の「悩める教師ためのオンライン読書会」を開催しました。教育関係者の方も保護者の方も集まって、テーマについて対話をしました。  

今回対象としたのは本ではなく、あるブログの記事でした。

○テーマ:「教育に何を期待しますか?教育がビジネスでないとすれば…」内田樹氏のブログを読んで考える

内田樹氏のブログ:教育についてのいつもと同じ話
 
内田樹氏プロフィール(Amazonより)
1950(昭和25)年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想。ブログ「内田樹の研究室」を拠点に武道(合気道六段)、ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを縦横無尽に論じて多くの読者を得ている。  
 
 
ファシリテーターのコメント
「学校教育に何を期待していますか?教師や生徒、保護者、地域の方々、OB、学者、政治家…立場によってそれぞれ違うのかもしれません。今回参照する内田氏のブログでは市場原理化される教育について警鐘を鳴らしています。学校は企業家を養成する場所ではないし、市場原理によって淘汰されるものでもない…とすれば、教育に何を期待するのでしょうか。みなさんと一緒に考えたいと思います。」
 
 
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実際に現場の先生方は、自分のこうしたいという理念と、現実に受験に向き合う生徒や保護者の方の希望とのギャップに悩んでいるケースが多く、(またそもそも悩みもしない、考えもしない先生たちが大半)受験制度というものが、教育の本質を歪めているという意見が多く聞かれました。40人制のクラスではそれぞれの「個」を見ることができないという話しや高校まで義務教育化すべきという話しも出ました。
 
親としては子どもに幸せな人生を送って欲しいという願い。しかしそもそも、その「幸せ」のかたちがみんな違うなかで、個性をとるのか集団(共同体)をとるのか、そこの板挟みに遭う。
 
デモクラティック・スクールではまず自分が幸せになることをとく。そのうえでしか人を助けられないから。自分を知る機会をつくる。評価をつけないこと。(学校は評価しないといけのが前提となっている)
 
日本には教育研修はなくなった。教育原理も真剣に学ばない。勘と経験と度胸でやっている。生徒には色をつけず、真っ白な状態で卒業させる。
 
思い悩む先生たちこそ、幸せにというやさしい言葉があった。今の先生はいい意味でわがままであっていい。犠牲になる必要はない。
 
高校では発達障害の問題などに対応できていない。貧困層における機会の喪失など、教育に福祉の視点がない。またブラジルやフィリピンのこどもたちに対する教育など、多様性が求められている。
 
 
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対話内容を簡単にはまとめられない2時間で、とくに結論もありませんが、普段じっくり腰を据えて考えないようなことを、みなさんと一緒に考えていきました。ご参加ありがとうございました。この「悩める教師」シリーズは今後とも開催していく予定です。よろしくお願いいたします。