私の胸はその悲しさのために、どの位寛いだか知れません。苦痛と恐怖でぐいと握り締められた私の心に、一滴の潤を与えてくれたものは、その時の悲しさでした。
『こころ』夏目漱石
この読書会も5周年を迎えました。
ここまで続けてこられたのも、みなさまのおかげです。
いつもありがとうございます。
今回とりあげた作品は夏目漱石の『こころ』。
5年前、第一回で最初にとりあげた作品も『こころ』でした。
その頃とは参加者の顔ぶれもだいぶ変わったこともあり、再度とりあげてみました。
前回の様子
【開催風景】第一回 別府鉄輪朝読書ノ会 - 対話と人と読書|哲学カフェ大分
課題図書の紹介:夏目漱石『こころ』 - 対話と人と読書|哲学カフェ大分
学生時代に読んで、改めて再読して、初めて読むように新鮮な発見があったという
感想が多く聴かれました。
非常に多義的に読める作品なので話が尽きず、
読む者に成熟があれば、作品もともに成熟していくような小説だと思いました。
林檎(後悔)、李(疑惑)のスムージー。
アスパラ(耐える恋)、椎茸(疑い)、パセリ(死の前兆・不和)、玉葱(不死)、
レタス(冷淡)、とろろ(悲しい思い出)
ご参加ありがとうございました。
これからもこの読書会はこつこつと続けていきたいと思います。
次回はお隣熊本を代表する作家、石牟礼道子の『苦海浄土』(講談社文庫)を
とりあげて、みなさんと読んでいきます。