対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】別府鉄輪朝読書ノ会 5.30『苦海浄土』石牟礼道子

 

 

 

 

 

この日はことにわたくしは自分が人間であることの嫌悪感に、耐えがたかった。釜鶴松のかなしげな山羊のような、魚のような瞳と流木じみた姿態と、決して往生できない魂魄は、この日から全部わたくしの中に移り住んだ。

 

苦海浄土石牟礼道子講談社文庫)

 

 

 

 

 

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五月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

今回は勇気を出して、とてつもなく大きな、いろんな意味で大きな作品、

石牟礼道子の『苦海浄土』を選びました。

 

 

参加者の方から、今まで知っていたけど避けていた作品、これを機に読めて感謝、紹介してくれたことに感謝、生涯でベスト1の作品になったとの声が聞かれ、主催者として救われる思いがしました。

 

水俣病は過去のものではなくて、現在でも様々に形を変えて、

日本の深奥に巣くっています。

 

九月にはジョニー・デップ製作、主演の「MINAMATA」が公開予定です。

世界もこの問題に注目すれば、川本輝夫さんが提唱した「水俣世界遺産に」も

遠くないかもしれません。

 

映画「ミナマタ」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000216285.html

 
 
石牟礼さん死去の報道
 
論文です。「世界文学としての苦海浄土
 
5ページ目を参照ください。
 
 
オススメです。『チッソは私であった』緒方正人(河出文庫
 
 
おろよか
 
森永ヒ素ミルク事件
 
戚夫人
 
野口遵
 

 

ご参加ありがとうございました。

次回は、初の韓国文学、ハン・ガンの『菜食主義者』を読んでいきます。