対話と人と読書|哲学カフェ大分

大分市で哲学カフェ大分を別府市で別府鉄輪朝読書ノ会を開催しています。

【開催報告】第六十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.29

 

 

 

言葉以前の悲しみを、私は誰かに知って貰いたかったのだ。

 

桜島梅崎春生

 

 

 

 

 

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八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

毎年八月は戦争文学をとりあげているのですが、今回選んだ作品は、

講談社文芸文庫梅崎春生桜島・日の果て・幻化』でした。

 

 

はじめにみなさんの読んだ全体的な感想を自己紹介をしつつ、話していただきました。

 

・軍隊生活のつらさから解放されて書いた

・繊細な感受性で書かれていて、愛おしい

・夢うつつのなかにあるリアリティ

・この作品を漂ってみようと思った。どの作品も同じ世界が続いている。

ロードムービーのよう。お酒が飲みたくなる小説

・処女作と遺作を読むことで作家の成長を辿れた

 

つづいて、それぞれの作品について深掘りしていきました。

 

・無為に過ごす、自堕落に過ごすことの豊かさが書かれている

・でもその無為の陰には女性の支えがあるのではないか

・自由なんだけど空しい。自分が何者か決まっていないことの苦しさ

・理由がよく分からない涙がたくさん流れている

・なぜ人間はこんなことをするのかという問いがある

・ゆるゆるな時代でも、戦争がないことの方が良い

・人は流されて生きている

ヘミングウェイ第二次世界大戦のことは書けなかったが、梅崎春生は書いた

 

 

こうして箇条書きで書いていても、この対話の場の空気感やエッセンスを描写するのは難しいですね。。何が話されたかということよりも、語られる言葉の周りにある、言葉にならない感情とか、うまく言えなさだったり、沈黙とかそういったものが、この読書会の一冊を巡っての重要なものとして体験してもらえると主催者として嬉しいなあと思います。

 

 

むすびのさんからの提供ドリンクは、作品にも出てきた梨を素材にしたドリンクでした。また軽食は、坊津はかつおがよく獲れるということで、スマガツオのフライでした。お味噌汁は戦時を思わせる簡素な薄味でサツマイモが入っていました。大変美味しかったです。

 

 

今日はOBSラジオさんの取材もあり、いつもと違う雰囲気でしたが、新鮮味もあり、みなさんいつも以上に話されていたような気がします。取材のご協力ありがとうございました。

 

 

次回九月はピースの又吉さんも絶賛の『李陵・山月記中島敦新潮文庫を読んでいきたいと思います。教科書以来という方もぜひ再読をオススメします。