対話と人と読書|哲学カフェ大分

大分市で哲学カフェ大分を別府市で別府鉄輪朝読書ノ会を開催しています。

【開催報告】第六十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.26

 

 

 

 

 

疲労だけが彼の唯一つの救いなのである。

 

中島敦『李陵』

 

 

 

 

 

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第六十四回目の別府鉄輪朝読書ノ会 9.26を開催しました。

 

 

 

今回取り上げた作品は中島敦『李陵・山月記』。いつも女性の参加者が多い会ですが、女性も男性も中国の広大なスケールなかで繰り広げられる群雄割拠のドラマに萌えるのだなあと思いました。

 

 

・今までぺらっと読んでいたが、今回深く読み込んだ。

・『李陵』『弟子』『名人伝』『山月記』と角川文庫や集英社文庫などで作品の順番が違うのが興味深い。

・どの作品も格調高い。声に出して読みたい日本語。気持ちがいい。個人的には思い入れが強い。子路の性格が好き。

・高校時代に読んだときはわからなかった人物の機微が深く分かる年齢になった。作品に自分が追いついた。それにして中島敦は30代前半でこれらを書いた成熟に驚かされた。

・なぜ狼でも猿でもなく虎だったのか。

・男性の物語。ああ人間ってめんどうだなと思う。

・注釈が51頁もある!

・『山月記』を読んで、社会的な成功をおさめたような人しか同窓会に出席しないというエピソードを思い出した。

・『山月記』で※(「にんべん+參」、第4水準2-1-79)えんさんが李徴のことを我が友と咄嗟に呼んでくれたことに救いを見出した。

孔子在っての子路子路在っての孔子だった。

・イエスには子路がいなかった。イエスの旅はきつそうだけど、孔子の旅は楽しそう

孔子は弟子に対して威張ることなくフラットに接している。

 

 

とりあげた4編『山月記』『名人伝』『弟子』『李陵』は、どれも味わい深いもので女性がほとんど登場しない「男の物語」ではあるが、背景に母性を求めるような、また大きな仕事を各人が成し遂げつつもどこか否定しきれない空しさや孤独が大きかったのではないのか、つねに認めてほしいという欲求に苛まれていたのではないのかという意見に頷くものがありました。

 

 

ご参加ありがとうございました。

 
 

今回の作品をイメージしたむすびのさん特製のメニューは、モンゴルの塩気を効かせて栗の入ったミルク・ティーを思わせる羊茶(スーティー・チャイ)広東料理鮎の油淋またモンゴルのチャンスンマハと呼ばれる羊肉を蒸したもの、胡椒は使わず岩塩で茹でて味付けしていました。どれも広大な中国大陸を思わせる贅沢な料理で美味しかったです。今回限りのメニューというのがもったいない!料理提供の方、ありがとうございました。
 
 
 
次回十月は村上春樹ダンス・ダンス・ダンス』(講談社文庫)をとりあげて、みなさまと感想をシェアしたいと思います。