わたしの人生の物語などというものは存在しない。そんなものは存在しない。物語をつくりあげるための中心などけっしてないのだ。道もないし、路線もない。ひろびろとした場所がいくつか、そこにはだれかがいたと思わされているけれど、それはちがう、だれもいなかったのだ。
マルグリット・デュラス『ラマン』
オカユも参加したがり
十一月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
今回取り上げた作品はマルグリット・デュラスの『ラマン 愛人』でした。
自伝的小説として描かれているものの、日本の私小説とはずいぶん肌触りがちがう、
乾いていて突き放したこの距離感について多く言及されました。
個の確立、今で言うところの援交、共依存、時制の混ざり、痛々しさに同調など
簡単には読めない作品でしたが、その世界を少しずつ協働で読み込んでいきました。
この日のむすびのさんのメニューはそのものずばりのベトナム料理。
ソイガーと呼ばれる鶏おこわに、フォーとデザートはベトナム風プリンでした。
たいへん美味しかったです。ありがとうございました。
次回十二月は十八日の土曜日に開催します。
課題図書は山崎ナオコーラさんの『人のセックスを笑うな』(河出文庫)です。
お楽しみに。
外では鉄輪スケッチ大会が開催されていました。町に活気が戻ってきましたね。