「こども哲学の時間」を鉄輪うかりゆハウスで開催しました。
いままで大人向けの哲学対話を8年くらい開催してきたのですが、
こども向け(主に中高生)を対象としたのは初めてで新鮮な体験でした。
といっても、なかなか中高生は集まりにくいので、
参加者を募るための工夫は必要ですね。
今回は「見て見ぬふりはいけないこと?」をテーマに哲学対話をしました。
やさしさとしての見て見ぬふりから、見守って待つことの見て見ぬふり、
自分に被害が及ばないことの見て見ぬふり、他者との関わり合いの濃さ、薄さがあり、
自分の価値観を押しつける危険性も。また「余計なお節介」をどう評価するのか。
見て見ぬふりをする側でなく、された側の心理を問えば、
また違った風景も見えてきました。
考えていると混乱した、分からなくなったという意見もありましたが、
それは大きな進歩です。分からなくなってからが哲学の始まりです。
終わって参加者から、
いつもの自分の肩書きから解き放たれて自由に発言できた、
何者でもない存在になれた、世界が広がった、
心地よかった、優しい気持ちになるような感じがあったとの
嬉しい感想をいただきました。
哲学対話の場は、決められたルールに沿って進行されることにより、
場の安全・安心が保たれ、性別や年齢、地位に関係なく、
話し聴き考えることができる貴重な場所と時間です。
いつも私たちはなにかしらの評価やジャッジにさらされながら発言をするので、
本当の自分の声を言葉にして発することは難しく、
また真摯に聴かれることもありません。
安心・安全が保たれた対話の場は、解放感があり、ケアに満ちた優しさがあります。
そういったことを感じ取っていただけると主催者として嬉しい限りです。
ご参加ありがとうございました。