対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために 青山真治

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2022.3

 

 

 

 

あるいは彼らのもっている世界をなだめるには、殺人であるとか、それから祈りとか、それしかないという感じもどこかにあるわけですよ。


人間も動物も植物も天も地も、みんな同じように生き生きして自分を主張しようとしているということを、どうしても書こうとした。

 

 

小島信夫『私の作家遍歴』

 

 

 

 

 

2022.3.21-27

 

月曜日

春分の日

昼も夜も同じ、陰と陽がどちらも極まれる。

 

 

火曜日

気温が下がっている。昨夜はずっと雨が降り続いていた。

 

 

20年に1回行われるという隠岐の古典相撲(徹夜相撲)を特集した番組を見る。

1983年に放送のものだ。

東と西に分れて対決する。最高位は大関大関同士の対決がクライマックスとなる。

塩は1トン近く撒かれ、興奮の坩堝と化していた。

神事ゆえの狂騒で、寝ずに行われて最後は涙涙だった。

諏訪神社御柱祭もコロナの影響で中止になったと聞くし、残って欲しい神事だ。

 

 

 

水曜日

冷たい雨。

コンタクトを新調する。

高校のとき初めてコンタクトを作った眼科で。

ここの窓辺でコンタクトを装着して、

眼下に広がる公園を初めて見たときの光景を思い出した。

同じように雨だった。

窓辺の水滴の張力にあえいで伝い落ちる輪郭がはっきり見えて驚いたのを思い出す。

 

 

 

木曜日

昨日は21時前には眠って、今朝は5時前に目覚める。

やはり早起きはいい。朝は多彩な鳥の啼き声が聞こえてくる。

あいつらも朝型だ。

朝日もうつくしい。まぶしさを感じる。

 

 

 

金曜日

夜、青山真治監督の訃報を知る。

早すぎる、突然の訃報を悼む。

青山監督とはたくさんが思い出があった。

かっこいい兄貴だった。

青山真治との語らいの中に映画を発見した。

若い頃自失して京都の友人宅に泊めてもらったとき、

部屋の壁に「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」の大きなポスターが

貼られていたのを今でも思い出す。

青山さんには音楽と文学と映画があったが、表現手段として映画が

もっとも苦手だったのかもしれないと書いたら怒られるか。

桑田真澄のピッチャーが一番苦手なポジションだったように。

 

 

 

土曜日

朗読部の開催。

体を楽器のように振るわせるのは、なんと気持ちの良いことか。

それにしても、もうちょっと参加者が来て欲しいけど。

ハードルが高いのかもしれない。

 

 

 

日曜日

別府鉄輪朝読書ノ会を開催する。

今回読んだのは桐野夏生『夜の谷を行く』。

革命を夢見てころしあったなかまたち。

 

 

わたしにとっての革命というのは、暴力によってなされるものではなく、

哲学対話とか読書会とか、あるいはフリースクールの活動において、

自分がまず楽しく在って、そしてすこしでも世の中が住みよいものになれば

いいなというのが革命である。

 

 

 

 

 

エリ・エリ・レマ・サバクタニ

(わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか)