対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第七十二回 別府鉄輪朝読書ノ会 5.29

 

 

 

あの朝に感じためまいにも似た感覚は、ずっと昔、小学校から帰るときに経験したのとおなじものだが、自分のもっともな思い出のひとつになっている。あれはいったい何だったのだろう?女の先生がぼんやりした様子で、ほら、そよ風よ、あれが見えないの?と言ったのだ。それから八十年後、デルガディーナのベッドで目を覚ましたときに、同じ感覚を抱いた。

 

『わが悲しき娼婦たちの思い出』G・ガルシア=マルケス

 

 

 

 

五月の梅雨前の季節。

別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

 

今回とりあげたのは、世界文学に残る作品を書き続けたガルシア=マルケスの遺作

『わが悲しき娼婦たちの思い出』

 

老いの問題を前に、自ら死を選ぶ人が多いなかで、

文学は老いることの豊かさ、歓びを指し示す。

大いなるイリュージョンを愛した作家が最後に描いた老境の世界に、

羨ましいという声が聞かれました。

 

川端康成の『眠れる美女』からインスピレーションを受けて書いたようですが、

その肌触りは随分と違うようでした。

 

 

死ぬまで恋をしていたい(谷川俊太郎)が生きるエネルギー

老いても会いたい人がいる人生

愛されるより愛すること

対等な人間関係があること

 

 

この日のむすびのさん提供のドリンクはコロンビアの「アグア・パネラ」と呼ばれる砂糖水に、飲みやすくレモンを加えたものでした。南米の風を感じました。

 

 

むすびのさん特製メニューは、コロンビアのレンズ豆のスープに、スパニッシュオムレツでした。たいへん美味しくいただきました。

 

 

 

 

ご参加ありがとうございました。

次回は、老いについて女性側から描いた傑作

『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子(河出文庫を読みたいと思います。