7月の「絵本 de 考えるカフェ」を開催しました。
1冊の絵本を題材に、その作品をじっくりと味わい考える会です。
今回は福音館書店から出ている谷川俊太郎詩、岡本よしろう絵の「生きる」を
題材としました。
難しい詩という感想も多かったのですが、みんなでこれはこうなのではないのか
という意見をつなぎ合わせながら、肉薄していきました。
読むという行為がひとつの格闘でもあることを思いました。
詩の世界の意味の多義性と絵のもつ意味の多義性が響き合って、
宇宙的な広がりを感じた方もいたかもしれません。
この絵本が「夏」を題材として選んでいるのも、
夏はみんなの「生きている」があるからではないのかと。
その後、考える補助線として、「生きる」と「生活する」の違いは?
という問いを出しました。
大人になると「生きる」時間が減る!という意見があり、
学校も小学校から中学校になると時間や校則がきつくなって、
「生きる」時間が減っていくのではないのかという意見も。
また、キャンプなどで自然に触れたり、五感を使うことで「生きる」ことを取り戻せる
のではないか、という意見もありました。
フリースクールを運営するにあたって、自分のなかのテーマが「生きる」という
ものでもあったのですが、それが初め直観としてあったものが、今回のこの会で、
ひとつ形として見えてきたかも、と思いました。
これからのフリースクールの在り方としてもひとつの指針となるような考えが
見つかったような気がします。
最後みなさんで段落ごとに順番に、この詩を朗読していきました。
これが思いのほか、じんわりとして良かったです。
年齢を重ねて読み継いでいきたい作品だという感想もありました。
私も同感です。
詩は現代ではなかなか読まれなくなったのですが、
こういう機会に取り上げて、またみなさんと一緒に味わいたいですね。
ご参加ありがとうございました。