対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】絵本 de 考えるカフェ 7.20

 

7月の「絵本 de 考えるカフェ」を開催しました。

1冊の絵本を題材に、その作品をじっくりと味わい考える会です。

 

今回は福音館書店から出ている谷川俊太郎詩、岡本よしろう絵の「生きる」を

題材としました。

 

難しい詩という感想も多かったのですが、みんなでこれはこうなのではないのか

という意見をつなぎ合わせながら、肉薄していきました。

読むという行為がひとつの格闘でもあることを思いました。

 

詩の世界の意味の多義性と絵のもつ意味の多義性が響き合って、

宇宙的な広がりを感じた方もいたかもしれません。

 

この絵本が「夏」を題材として選んでいるのも、

夏はみんなの「生きている」があるからではないのかと。

 

 

その後、考える補助線として、「生きる」と「生活する」の違いは?

という問いを出しました。

 

大人になると「生きる」時間が減る!という意見があり、

学校も小学校から中学校になると時間や校則がきつくなって、

「生きる」時間が減っていくのではないのかという意見も。

 

また、キャンプなどで自然に触れたり、五感を使うことで「生きる」ことを取り戻せる

のではないか、という意見もありました。

 

 

フリースクールを運営するにあたって、自分のなかのテーマが「生きる」という

ものでもあったのですが、それが初め直観としてあったものが、今回のこの会で、

ひとつ形として見えてきたかも、と思いました。

これからのフリースクールの在り方としてもひとつの指針となるような考えが

見つかったような気がします。

 

 

最後みなさんで段落ごとに順番に、この詩を朗読していきました。

これが思いのほか、じんわりとして良かったです。

年齢を重ねて読み継いでいきたい作品だという感想もありました。

私も同感です。

 

詩は現代ではなかなか読まれなくなったのですが、

こういう機会に取り上げて、またみなさんと一緒に味わいたいですね。

 

ご参加ありがとうございました。