待っている兵はいらいらしてきた。それほど彼等は若い女に接しなかったし、戦場に居ると不思議と女のことばかり考えるものであった。
『生きている兵隊』石川達三
八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
八月は毎年戦争文学を読んでいて、今年は『生きている兵隊』を読みました。
ちなみに過去八月に読んだ戦争文学は、
どれも参加者が少なかったイメージですが、この読書会の始まりから八月は戦争文学を読んでいこうというスタンスに変わりはないです。
今回は、南京虐殺を描いたとされるルポルタージュ文学の傑作『生きている兵隊』。
今ウクライナで戦争が起きているなか、きれいごとではない戦争の実相を生々しく
伝えるものとして、読んでいきました。
平常時はやさしい人間が、戦場では恐ろしい人間に変わっていく恐ろしさ、
世界はなぜ一つになれないのか?政治、宗教の意味とは、
検閲によって伏せ字になった部分を拾いながら、感想を交わし合いました。
むすびのさん特製のメニューは、中国戦線のお爺ちゃんから聞いた中国のこどもは
唐辛子をそのままで食べていたというエピソードより、唐辛子を使った料理でした。
デザートは、キクラゲ、ナツメ、ハスノミ、クコの実を使った杏仁でした。
ありがとうございました。
次回九月は新興宗教二世を扱った、『星の子』今村夏子(朝日文庫)を読んでいきます。