今、この仕事ができるのはアメリカ広しといえどもわたしひとりきりだろう。そしてそれが今わたしのしていることなのだ。ここでの仕事が終わったあとは、なにかほかのことを探すつもりだ。未来にはたくさんのことが私を待ちかまえていると信じている。
ああ、けがれのない愛は、たんに大きくなる肉体的状況であって、わたしたちのキスのようにはいかない。
『愛のゆくえ』リチャード・ブローティガン
正確には1月9日…
今年明けて初の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
今回も多くの方が参加していただき、アメリカや北九州からも来ていただきました。
今回みなさんと読んだのはリチャード・ブローティガンの『愛のゆくえ』。
1960年代のアメリカの空気を色濃く反映しながらも、
その現実感のなさに戸惑う方も多く、違和感や「わからない」を下敷きに、
みなさんと感想を読み交わし合いました。
読みながらこの人死ぬんじゃないのかと感じたり、
生きる気持ちを感じられなかったりして、
作品の明るさとは裏腹に始終つきまとう「死の影」を語る方もいました。
最後書くことによって生を狭める作家とそうでない作家がいるという興味深い指摘もありました。まだまだ語りたかったですが、時間切れとなってしまいました。
私はこの作品に描かれているようなユートピアとしての図書館のような場所を
読書会などを通じて、つくりたいのかもしれないと思いました。
文学は実用的にも現実に拮抗しうる武器になるでしょう。
今日のむすびのさんの特製メニューは作中にも出てくるシーザーサラダ、
たいへん美味しかったです。ありがとうございました。
ご参加ありがとうございました。
次回2月はロシア文学のゴーゴリ『外套・鼻』を読んでいきます。
またお会いしましょう。