対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

魯魚章草

 

 

 

 

 

毎朝見るたびに、はつとするほどその書が新らしい

 

高村光太郎黄山谷について」

 

 

 

 

2023.1.30-2.5

月曜日

教えている生徒さんの字が突然上手くなって、

もちろん練習の成果であるわけだが、

自転車に乗れるようになるように、

ある日突然、それは訪れる感の方が強く、

その飛躍に興味がある。

勉強することの本質はこの飛躍で、

主体がトランスフォームされることにある。

顔つきさえも変わる。

教養の力、雪崩れ込んでくるように。

 

 

 

火曜日

消しゴムハンコをみんなで彫る。

単純な○△□でもなかなか流暢に彫るのは難しい。

適度な難しさが歯ごたえとなる。

 

 

水曜日

2ガツへ。

 

 

次年度から探究学習を入れていく計画を話す。

教育は現実をなぞる人を育てるのではない。

順応よりも反逆だ。

探究学習にはその芽が具体的にある。

 

 

 

深刻な病に陥った社会への順応は健康の尺度ではない

クリシュナムルティ

 

 

 

 

木曜日

新たに始める探究学習の勉強をする。

胸が熱くなる数々の試み。

世界はカオスだ。

カオスを教育に持ち込むこと。

そういうエネルギーによって世界は変革される。

 

 

 

金曜日

髪を切る。

自己イメージが変わると、固着していたアイデンティティからも自由になれるような氣がして快い。

 

 

 

保護者の方の見学、相談を受ける。

苦悩し、葛藤し、おそれ、不安のなかに

ちいさな哲学が芽生えてほしい。

間違っているのはきみではない。

 

 

 

土曜日

冬特有のセロトニン不足なのか、元気がない。

元気の気を、「氣」と書いてみる。

元氣。

合氣道もたしか正式にはこの字を使うはず。

この方が実感がある。

たぶんこいつが抜けたときは人はしぬんだろう。

 

 

 

日曜日

中国の楷書の古典「雁塔聖教序」を臨書する。

とても色気のある書で見ていて惚れ惚れする。

こんな字を私も書きたい。

そう思わせてくれるものとの出会いがあるというのはとても幸せだ。

いつでも驚いていたい。

この世界は「すごいもの」で満ちている。

誰も気づかずに通り過ぎていくから、油断せず刮目せよ。