対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

クライアントはいなくても

 

 

 

 

 

 

作家は、しだいに自分自身の言葉の機能を洗練してゆくことによって、あるいは、作家そのものの機能を純粋化してゆくことによって、小説を書くということを、自分が、世界にこういうふうに自分自身の内部に光をあてているんだと提示し、それによって読者という他人と作家とがおなじ場所で、おなじ時間に、ひとつの世界にむかいあう。

 

『核時代の想像力』大江健三郎

 

 

 

 

2023.3.27-4.2

月曜日

今年度の最終週。

離れていく生徒たちとの時間を惜しむ。

時間。

存在と時間

われらはいつでも有限の存在。

一瞬と永遠。

 

 

 

火曜日

桜が満開のよう。

快晴に透かされる桜の花がうつくしく清々しい。

鉄輪地獄帯公園に多くのひとが集まっていた。

「祝祭」に似た風景。

世界を祝う。

 

 

水曜日

日本茶ばかりでもと思い、気分転換に5年くらい前台湾の閲楽書店で買ったお茶を飲んだ。生姜だろうかピリッとして美味しかった。

 

 

 

 

木曜日

別府フリースクールうかりゆハウスの今年度最終日。

新しい進路に挑戦する生徒の背中を押す。

さよならだけが人生。

次のステップへの健闘を祈る。

 
この一年間は子どもたちと関わる本当に大きな大きな価値のある体験をした。
それもどこかに雇われてレールに乗るのではなく、いろんな人の助けを借りながら
自分たちで試行錯誤して挑戦した一年だった。多くの感謝と祝いを。
次年度もさらに飛躍していきたい。
 

 

金曜日

髪を切る。

通っている美容室から出る男たちはみな同じ髪型で出てくる。

 

 

ゴッホの手紙』を読み終える。

全身画家だった、ゴッホ

ゴッホはクライアントがいなくても描き続けたんだ。

芸術にはクライアントはいないんだ。

 

世界が在ること、その光と色彩の在りように始終圧倒されのみ込まれてさえいた恍惚を

見る。最後の手紙は送られずに掌中に握りしめたままだった。

 

 

土曜日

4月。

四月はいつもすばらしい。

 

 

家庭教師とフリースクールで教えている小2の生徒の描いた絵画展に赴く。

抽象に傾き賭けるくらいの横位置の筍に度肝を抜かれた。

 



 

 

 

シネマ5の田井さんから映画「ぼくたちの哲学教室」で何かしない?との話がくる。

とても楽しみ。

少しずつ車輪が回り始めている。

youngplato.jp

 

 

日曜日

自分のプロフィール写真を撮るために桜満開の別府公園へ。

春爛漫で人が多く賑わっていた。

みんな春を感じたい。

 

セルフポートレートというのは撮ってみるとなかなか奥が深く、

表情はもちろん、光の強弱や角度で印象がガラリと変わる。

たくさん撮っていただいて、いいな使えるなと思えるものは数枚だった。

ポイントとしてはカメラに対して斜めに向くなりして立体感を出すことと、

にこやかなイメージのためには口元だけでなく、目が笑うことが大事で、

これは作り笑顔では難しく、カメラマンとのコミュニケーションが必要だと思う。

 

 

終わって、以前から行きたかった日出のkamenosさんのカフェへ。

静かで意匠もあって景色もすばらしく、居心地のいい場所だった。

来週は高崎恵さん主催の写真教室の展示があるようだし、また行きたい。

 

 

 

坂本龍一も逝った。

坂本龍一も逝った。