対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第111回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.31

 

 

 

 

はじめて彼はこの世に置き去りにされている自分に気づいた。

 

『死のなかの風景』原民喜

 

 

 

 

八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。

毎年八月は戦争に関する文学を読むようにしています。

今年は第五回目でも読みました原民喜『夏の花』をみなさんと読んでいきました。

 

現代小説とは違う書きぶり(使われない漢字や言い回しなど)に戸惑いや読みづらさを感じて、作品世界に入りづらかった方もいれば、今までで一番よかった、刺さったという方もいた小説でした。

 

いつもの読書会に比べて、雄弁さよりも沈黙を強いるような作品だったかもしれません。

 

アヴェマリアの音楽とこの作品世界を重ねながら読んだ方もいました。鎮魂のような、祈りのような、嘆きのような、言葉を超えた世界を言葉で描こうとする文学の存在。

 

妻の死なり、原爆の惨禍を描くときの描き方として、これでいいのだろうかという、倫理的な問いもありました。

 

むすびのさんの特製メニューは、もう戦中の食事を直接聞ける人がいなくなるなかで、想像としての戦中戦後の料理を考えてくれました。芋のオカユ、ゴーヤ(沖縄)にすいとん。とてもしみじみと美味しくいただきました。

 

深い沈黙のなかでも、それぞれの言葉をたどりながら考えて話していった会となりました。ご参加ありがとうございました。

 

9月は『失聴』ハンナメーカ(晶文社を読んでいきます。初のエッセイです。お楽しみに♪