11月の連休は奇跡的に休みが取れたので、船でお隣の松山へ出かけました。いちばんのお目当ては以前からずっと行きたかった松山ブックマルシェでした。
路面電車で古町という駅を降りて徒歩3分ほどのところに会場となる若草幼稚園がありました。
松山はさすが蜜柑押し!マゼンタの効いたオレンジ色が町に溢れていました。
会場は大賑わい。
今日は1万3千冊の本が集まっているそうです。掘り出し物多く、みな必死。何時間いても飽きず、僕は詩を中心に見て回りました。
戦利品たち。また来たい。
こんにちは。主催者のシミズです。ここ鉄輪も朝晩は冷え込み、猫たちも温泉の蒸気口に丸くなって蒸されています。さて11月の別府鉄輪朝読書ノ会は武田泰淳の『ひかりごけ』を扱います。26日10時より、ここちカフェむすびのさんにて。ご興味ある方はホームページよりお申し込みください。
内容(「BOOK」データベースより)
雪と氷に閉ざされた北海の洞窟の中で、生死の境に追いつめられた人間同士が相食むにいたる惨劇を通して、極限状況における人間心理を真正面から直視した問題作『ひかりごけ』。仏門に生れ、人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶の苦悩を描いて、武田文学の原点をうかがわせる『異形の者』。ほかに『海肌の匂い』『流人島にて』を収録する。
日曜日の朝。おいしい軽食と1冊の本をめぐって。 - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会
こんにちは。主催者のシミズです。台風が接近するなかでしたが、無事読書会の方を開催いたしました。
今回はカミュの『異邦人』をみなさんと読んでいきました。久々に再読したという方が多く、読み直してみると意外に〈不条理〉じゃないし、ムルソーのキャラクターを理解できるという意見が多かったですね。
冒頭、母のことをママンと訳したのが素晴らしいという声も。ムルソーの矛盾のなさが却って怖い、ムルソーはなぜ何発も撃ったのか、ひかりとはなんなのか、誰にとっての異邦人なのか、という問いも。
むすびのさんから提供された軽食はフランスパンにシチュー、そして作品にも出てくるミルクコーヒーでした。美味しくいただきました、ありがとうございました。
有名な作品ほど意外にきちんと読まれていなくて、世間で流通しているイメージとは違った内容に驚くことがありますね。読んだつもりになっている作品と向き合うのも読書会の楽しみの一つだと思います。
十月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。
課題図書はカミュの『異邦人』です。
数十年ぶりに読み返しましたが、しびれました。
自分のそのときのスケールでしか本は読めないことに気づかされます。
参加されたい方はホームページよりお申込みください。
九月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回の課題本は皆川博子さんの『少女外道』をとりあげました。
会のはじめにみなさんに自己紹介していただきつつ、この本の全体的な感想を聞いてみました。この会がなかったら一生読むことはなかった作品に出会えた、技法や仕掛けに驚かされた、少女と外道の組み合わせがすばらしい、標本箱や鞠、解剖道具、メンコなど物が輝いている、美しい日本で書かれているなど、それぞれの思いを語っていただきました。
むすびのさんからの今日のドリンクは、日本薄荷のお茶でした。飲むと薄荷の清涼感が口全体に広がり美味しかったです。今の薄荷は海外のものがほとんどで、現在の北海道での日本薄荷は主流の道から外れてしまったというのが、チョイスの理由でした。
軽食の方は、作品から立ち上がるイメージが赤だったということで、中身がトマトのさといもだけのグラタンでした。ホワイトソースは使っていないそうです。こちらもたいへん美味しくいただきました。
皆川博子の『少女外道』では、作品世界のおもしろさとともに、その日本語の美しさ、豊穣さに目を見開かれる方も多く、普段接している日本語がいかにすかすかで薄っぺらい物であるかを痛感したという声が多く聞かれましたね。
ご参加いただいたみなさまありがとうございました。次回はアルベール・カミュの『異邦人』を読んでいきたいと思います。
今回の開催写真は坂本長平商店 長寿味噌の坂本さんに撮影していただきました。ありがとうございました。