対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

2024-01-01から1年間の記事一覧

【開催案内】内省的哲学対話 5.11(5.3は満席になりました)

「死なないでほしい」と言われてもなにも響かなくなったひとのために芸術は存在するのだとずっと思っている 輪湖 Xより 四月になって新しいことを始めたいとの思いもあり、最近は禅寺に通って坐禅に勤しんでいます。ただ坐る。これも大いなる余白と呼びたい…

【開催報告】哲学カフェ大分 4.20

4月の哲学カフェを開催しました。 今回は14名で「自分らしさとは」をテーマに3時間かけて、 ソクラティク・ダイアローグの手法を使い哲学対話していきました。 考えて、話して、聞いての3時間でした!ありがとうございました。 最初に時間の節約もあり、事前…

坐る、坐らせていただく

ここ2日は連続して羯諦寺に朝通い、坐って、英語で他の海外の人たちと話し帰る。 坐るごとに上達していく。 坐るに上達もあるのか。 集中の度合いというのか、深まり方、スイッチの入り方。 いつもは窓を開け放ち外を向いていたが、今日の会では人と人で向き…

臨書・爨宝子碑(さんぽうしひ)

今日の風蘭さんの書道教室は、中国東晋代の義熙元年(405年)に建てられた地元豪族の墓碑銘「爨宝子碑(さんぽうしひ)」。今は中学校内に保存されているようです。 *** 隷書のような波磔などが見られますが、楷書のように正方形の字形で、隷書と楷書の中…

臨書:開通褒斜道刻石

風蘭さんの書道教室では直接「古隷」を臨書の題材として選ばなかったが、個人的に漢代の磨崖に刻され二千年の風化に耐えた「開通褒斜道刻石」に強く惹かれるものがあり、いろいろと調べたり、試みに自分でも半紙に書いてみたりした。線がとても難しくて面白…

【開催報告と開催案内】アサ 4.6、4.13

アサ4.6の様子 以前コロナ禍のときにオンラインで朝活の「本読みに与ふる時間」というのを1年くらいしていました。https://kannawadokusho.hatenablog.jp/entry/2021/04/05/192123https://kannawadokusho.hatenablog.jp/entry/2021/10/17/100820コロナが収ま…

門と非門

日出町の羯諦(ぎゃてい)寺※に赴く。10年位前から行きたいと思っていて今回遂に念願叶い、「ひじはく」というイベントの関連でお邪魔した。欲望はいつか辿り着く。 「ひじはく」大分県日出町ならではの「食・自然・歴史文化」を満喫するとっておきの時間に…

【開催案内】第九十五回 別府鉄輪朝読書ノ会 4.28

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 4.28 」 四月は、ヘミングウェイ『老人と海』(新潮文庫)を読んでいきます。いくつかの出版があるのですが、これから購入される方は新潮文庫版でお願いしたいです。 内容紹介 ノーベル文学賞とピューリッツァー賞を著者にもたらした…

【開催報告】第九十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 3.31

とにかく、気が向いた頃、いつもの改札口に立っていれば誰か相手が来るだろうと思った。 『東京のプリンスたち』 「さあ、ユートピアに帰る時間となりました。」 『月のアペニン山』 白鳥が隣人愛を行わなかったことは誰にも出来ないことだったのである。 『…

ききとりうるかぎりの

日出町の魚見桜と菜の花と雨 わかったな それが 納得したということだ 旗のようなもので あるかもしれぬ おしつめた息のようなもので あるかもしれぬ 旗のようなものであるとき 商人は風と 峻別されるだろう おしつめた 息のようなものであるときは ききとり…

声から声へ、肉声の文化を

前回の哲学カフェに参加された20代のAさんから感想をいただいたので、本人に了解を得てここでシェアします。 「テーマについてみんなで考えていくこと自体ももちろん楽しかったのですが、答えのないこと・思考を深めたところで利益につながるか分からないよ…

【開催報告】哲学フェ大分 3.16

三月の哲学カフェを開催しました。 今回は初参加の方が多く、たくさんの方達に集まっていただきました。 ありがとうございました。 今回のテーマは「頭が良い、悪いってどういうこと?」でした。 始めにこの哲学カフェのコンセプトやルールを共有して、自己…

対話空間のオラリティ

ベルリンの壁が壊れたときも、とシュテファンがいった。 「ぼくはタクシーの運転手。夜、一人のお客さんを乗せて、東に入りました、東は入ったこともなくて。お客さんもぼくも。それで迷いました。明け方になってやっと見つかりました。その通りは、入ってい…

まず世界が先に在るのか

今月の風蘭さんの書道教室は隷書の臨書。土中に埋もれていた後漢一八五年の曹全碑を見ながら書いてゆく。 紙幣とか看板、Appleなんかのフォントにもある、扁平で蛭のように波打った古めかしい字。(波磔と呼ばれる)その味を出すための筆運びが難しく、風蘭…

【開催案内】哲学カフェ大分 3.16

◆「哲学カフェ大分 3.16」 夜開催です。 受験シーズン真っ只中ですが、私はいろんな子どもたちと日々接するなかで、勉強ができずに自分の頭の悪さを責める子どもたちと出会うことがあります。そもそも頭が良いとか悪いとかどういうことなのか考えてみたいと…

別府市立中部中学校での哲学対話

別府市立中部中学校で2クラス哲学対話を生徒のみんなとしました。 最初に簡単に哲学と哲学対話について説明し、哲学対話の目標やこころがまえを みんなと共有してから始めました。 「哲学」については聞いたことのある生徒が多い印象でした。 時間がないので…

【開催案内】第九十四回 別府鉄輪朝読書ノ会 3.31

村では山へ行くという言葉に二つの全く違った意味があるのであった。どちらも同じ発音で同じアクセントだが、誰でもどの方の意味だかを知りわけることが出来るのである。 『楢山節考』深沢七郎 ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 3.31」三月は姥捨山伝説を材にとった『…

【開催報告】第九十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.25

その年に動物たちはみんな奴隷のように働きました。 『動物農場』ジョージ・オーウェル 2月の別府鉄輪朝読書ノ会はジョージ・オーウェルの『動物農場』を課題図書とし、参加者の皆さんと読んでいきました。 初めは志高く、理想に向かっていたのに、どこで歯…

【開催報告】哲学カフェ大分 2.17

2月の哲学カフェ、哲学対話を開催しました。 今回は「オンとオフ」をテーマに、ソクラティク・ダイアローグのやり方を 参照しながら、全員でテーマに関する普遍的な概念を得るべく、約3時間かけて 結論を導き出しました。頭をフル回転させて、みなさん終わっ…

石鼓文の臨書から

何かを作ることは必ず、新たな、別の現実を生み出すことだと考えます。なぜならそこには、かつて存在しなかったものが生まれるからです。 『架空線』澤直哉(港の人) 今月の風蘭さんの書道教室は篆書の臨書。石に刻まれた文字、石鼓文を臨書する。線の質、…

立春吉日、藍のよろこび

立春の吉日の日に書家の風蘭さんのワークショップと書のライブを楽しむ。よろぷぷさんの演奏とジュン・チャンさんの舞いの中での風蘭さんのライブ書。 第一部のラピスラズリや藍の青い墨を用いたワークショップでは、形にとらわれない書、書以前の形態、筆と…

【開催案内】哲学カフェ大分 2.17

二月は別府市内の中学校で哲学対話をする予定があり、今から楽しみにしています。 2月の哲学カフェ大分、哲学対話のご案内です。 哲学の知識は不要です。聴くだけの参加でも構いませんよ♪◆「哲学カフェ大分 2.17」 ※夜ではなく15時からの開催です今回はソク…

【開催案内】第九十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.25

「感傷的になってはいけない、同志よ!戦争とはそういうものだ。よい人間なんて、死んだ人間しかいない」 『動物農場』ジョージ・オーウェル(ハヤカワepi文庫) 『動物農場』ジョージ・オーウェル ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 2.25」二月は権力の発生とその腐敗…

【開催報告】第九十二回 別府鉄輪朝読書ノ会 1.28

どんな暗闇の中でも目を閉じるという行為にはそれなりの意味があるのだ。 『ネジまき鳥クロニクル』村上春樹 今年最初の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回とりあげた作品は村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』の第1部から3部でした。 過去この読書会で…

哲学対話のその後で、(参加された方の感想)

レヴィナス著『存在の彼方へ』ヴァンセンヌ中納言さんのアマゾンレビューコミュニケーションの重要性と厳しさとがこの本から伝わってくる。安易に対話という言葉が用いられる今日において、大変意味深いものである。そもそも他者と関わることとは、人間が生…

【開催報告】哲学カフェ大分 1.20

1月の哲学カフェ大分を3時間バージョンで開催しました。 いつもは私が問いやテーマを立てて、それに集うという形をとっていますが、 今回はみなさんから問いを募って、その問いを味わいながら、哲学対話するスタイルに 挑戦してみました。 みなさんが挙げて…

地の果て、世界の果て、言葉の涯

野草社という名前の出版社から出ている山尾三省の『火を焚きなさい』を読む。 いろりを焚く 山尾三省 家の中にいろりがあると いつのまにか いろりが家の中心になる いろりの火が燃えていると いつのまにか 家の中に無私の暖かさが広がり 自然の暖かさが広が…

2024 謹賀新年 書くことと世界の始まり(墨と万年筆とポメラ)

宋坑端渓硯で墨を擦って龍の字をたくさん書いた。墨おりがよく気持ちいい。年末に風蘭さんの書道教室で古典の臨書を始め、対話をし、賀状でもたくさんの墨字を書いた。それまで書くことにいささかの苦痛があったが、いまは楽しい。墨で書けなくても、パイロ…