対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

その他

川のない橋/橋のない川

むしろ治療者の役割としての理想は、治療が進むと同時に、だんだん存在が希薄になっていくことでしょう。極論すれば、最終的には忘れられてしまうのが理想であるように思います。 『ひきこもりはなぜ「治る」のか?』斎藤環 2022.6.13-19 月曜日 雨。 家の裏…

「わからない」ことの希望

問題を特定するのではなく、問題を語りあうこと。 問題を個人で背負うのではなくネットワークで背負うこと。 『ナラティブと共同性』野口裕二 2022.6.6-12 月曜日 注文していた本がたくさん届いて嬉しい。 1ヶ月の上限をなんとなく決めているので、今月はこ…

あらゆる場所に花束が…

とりわけ患者を理解しないようによくよく注意しなくてはいけません。理解してしまうことほど皆さんを惑わすものはありません。ラカン 2022.5.30-6.5 月曜日 ホームドア川口加奈さんのトークイベントをオンラインで視聴。 わたしの原点にホームレスがいること…

【6月のご案内】別府フリースクールうかりゆハウスのスペシャルイベント

6月のイベント情報のご案内です。 すべて別府市鉄輪のフリースクールうかりゆハウスにて開催します。 参加希望者は、以下の申込みフォームより参加したいイベント情報を明記して ご参加ください。 参加申込みフォーム。icloud以外のメールアドレスでの申請を…

たまには裸足で歩いてみるといいよ

大分市美術館の緑の空間、ガラスの向こうにある緑が好きだ 橋というものはここでは決して、一個の既に現にある岸から、向こう側のやはり既にある岸へと架けられる物ではない。そうではなくして〈橋〉自体が全く同時に、そしてそのままの姿で、流れを軽やかに…

バラ vs バラ

個人的な欲望だけで築き上げた私設のバラ園を訪れる。ここまでものを造るのにどれだけの時間とエネルギーをかけたのだろうか。三十三年間かけて自身の夢想を宮殿として具現化した郵便配達夫シュヴァルを想起させる。今が見頃で5月と10月だけ一般公開している…

墓を食う

わたしは祈る。どうか、考えるということが、まばゆく輝く主体の確立という目的だけへ向かいませんように。自己啓発本や、新自由主義が目指す、効率よく無駄なく生をこなしていく人間像への近道としてのみ、哲学が用いられませんように。 『水中の哲学者たち…

複雑化の教育論

僕は子どもの複雑化を素直に喜ぶことは大人のたいせつな職務の一つだと思います。 複雑化は計測不能である。それがとても重要なことなんだと思います。 複雑化する時に起きているのは量的な変化ではありません。それは「表情の変化」「手触りの変化」「雰囲…

価格設定はアートである

2022.5.2-8 月曜日 日曜日の夜にあるガキ使を10年以上ぶりくらいにテレビで見ているけど、全く面白くなっていることに驚く。YouTubeなどで過去のものを見ると面白いのだが、現在制作されているものの面白くなさは何だろうか、これは充分論考に値するものでは…

意思から遠く離れて

最近、不登校の子どもたちの専門紙からインタビューを受けました。不登校の子どもたちもしばしば「意思が弱いから学校に行けない」と言われてしまいます。しかし、不登校の子どもたちも「学校に行かないことが自分の意思」とは言い切れないわけです。 行きた…

ここだったら、居てもいいかな

宮沢賢治の生涯は「挫折」であったとひとはいう。賢治自身が「半途で倒れた」という以上それは正しいだろうし、わたしもそのように書いてきた。けれどもいったいどこに到達すれば挫折ではなかったというのだろうか。あるひとは賢治が革命の思想に到達しなか…

なにかの傍らにとどまるもの

目にふれるひとつひとつのものがおどろきであるようなこの感覚を、だれもが一度はもっていたはずだ。 「心のある道」〈意味への疎外〉からの解放 真木悠介 2022.4.11-17 月曜日 くもりぞら。 妹のクラスでコロナ陽性者が出たとのことで、生徒さんはお休み。 …

気流の鳴る音

労働が強制されない社会が実在するか否か、私は今でもしらない。しかしもしそのような社会が存在しうるとすれば、すなわち労働がそれ自体よろこびとして、マルクスが書いているように、人間生命の発現としてありうるとすれば、そこでは必ず、人間と人間との…

ふるカフェ系 ハルさんの休日

Eテレで僕の好きな番組のひとつ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」 今週放送分は、なんと別府鉄輪朝読書ノ会の会場で使わせていただいている 鉄輪温泉のここちカフェむすびのさんが取り上げられます。 企画段階で、読書会の風景も撮りませんかとディレクターに…

キーウ

キーウの大地と空 人間を人間として、 また世界に対する人間の関係を人間的な関係として前提してみたまえ。 そうすると、君は愛をただ愛とだけ、信頼をただ信頼とだけ、 その他同様に交換できるのだ カール・マルクス『経済・哲学草稿』 2022.3.28-4.3 月曜…

すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために 青山真治

2022.3 あるいは彼らのもっている世界をなだめるには、殺人であるとか、それから祈りとか、それしかないという感じもどこかにあるわけですよ。 人間も動物も植物も天も地も、みんな同じように生き生きして自分を主張しようとしているということを、どうして…

青山先生を悼む

青山真治監督が亡くなったことをヤフーニュースで知った。 青山真治監督との出会いは25年くらい前になる。当時映画美学校(たしか前身は映画技術美学校)の1期生として私はお茶の水のアテネ・フランセ文化センターに通っていた。そのときの講師が青山真治氏…

御恵投いただきました

高校での哲学対話でご一緒したYさんから、 『子ども当事者研究 わたしの心の街にはおこるちゃんがいる』(コトノネ生活) を御恵投いただきました。 わかりやすいイラストで書かれていて、当事者研究とはどういうものなのか 楽しみながら理解できるようにな…

着る服がどんどん軽くなっていく喜び

mimosa 2022 ソクラテスは、話し言葉、つまり「生きている言葉」は、書き留められた言葉の「死んだ会話」とは違って、意味、音、旋律、強勢、抑揚およびリズムに満ちた、吟味と対話によって1枚ずつ皮をはぐように明らかにしていくことのできる動的実体である…

From Russia with Love

2022.3.13 Ooga Farm , mimosa 少女期のふしぎな眩暈花ミモザ 堺信子 ほととぎすの声こそ、恣意のまた恣意だった。歌が続くかぎりは、永遠も恐れるものではない。 古井由吉 鉄鉢の中へも霰 種田山頭火 2022.3.7-13 月曜日 ネコと遊んだ。 戦争があった。 火…

茶色い戦争ありました

台北市 国立故宮博物院「翠玉白菜」2018 幾時代かがありまして 茶色い戦争ありました 中原中也「サーカス」 2022.2.28-3.6 月曜日 あたたかい一日。春が近づいている。 録画していた「ぼくはしんだ じぶんでしんだ 谷川俊太郎と死の絵本」の番組を見る。すば…

「別府うかりゆ 歌のレッスン教室」のお知らせ

別府フリースクールうかりゆハウス 副代表の凜が 別府で歌レッスンを始めました♩ 興味のある方は申込みフォームにて、お問い合わせください。 副代表の凜が音楽教師の経験を活かして、うかりゆハウスで歌のレッスン教室を始めます。将来に向けた技術向上を一…

除名 せよ

そうならば宗教をはみ出した人々に肉迫するのに、念仏一宗もまたその思想を、宗教の外にまで解体させなければならない。最後の親鸞はその課題を強いられたようにおもわれる。 『最後の親鸞』吉本隆明 2022.2.21-27 月曜日 澄み渡った快晴。寒いが気持ちがい…

空想のゲリラ

「いろいろあったけど、よかったよかった」となる映画が多すぎる。本当はいろいろあったなら、人は取り返しのつかない深手を負い、社会は急いでそれをあってはならないものとして葬り去ろうとするだろう。人と社会の間に一瞬走った亀裂を、絶対に後戻りさせ…

心臓の鼓動を感じる場所

ひだり【左】 アナログ時計の文字盤に向かった時に、 七時から十一時までの表示のある側。 「明」という漢字の 「日」が書かれている側と一致。 また、人の背骨の中心線と 鼻の先端とを含む平面で 空間を二つに分けた時に、 大部分の人の場合、 心臓の鼓動を…

濁りの大切さ

剛力彩芽冬薔薇の束騎手に渡す トオイダイスケ 「私の中」に脳という器官が存在するのではない 「脳」の一部の機能として私が存在するに過ぎないのだ 『図書館の外は嵐』穂村弘 2022.1.31-2.6 月曜日 水道の設備業者の調査。 母屋に新たに露出配管を計画する…

歯の痛いナイチンゲールのように

刃はたちまち曇り、舌には明確な冷たさの果てに、遠い甘味が感じられた。 『金閣寺』三島由紀夫 2022.1.24-30 月曜日 今日からNHKの撮影。昨日までの雨はやんだ。 Sディレクターは晴れ男のようだ。 金閣のように厳密な一回性 『金閣寺』三島由紀夫 そう、文…

【開催報告】声の文化を楽しむ朗読部 1.29

朗読部を開催しました。 今回朗読した作品は、 ・「初恋」島崎藤村 ・「平家物語」 ・「夢十夜」夏目漱石 ※第一夜のみ どの作品も、凜々しい韻と響きがあり、 みなさん楽しみながら、味わいながら、朗読していきました。 他人の成長はすぐわかるけど、自分の…

【開催案内】声の文化を楽しむ「朗読部 1.29」

◆(新企画)声の文化を楽しむ「朗読部 1.29」声の文化、「朗読」を楽しむ会を発足しました。その名も「朗読部」。それも児童書などの読み聞かせではなく、文芸作品を中心とした大人の朗読練習会です。今回で3回目になります。 ○朗読課題図書1:詩『初恋』島…

わしらは侮辱のそとで生きています。

1994.2 Higashikoganei なぜ人間の生命を産み育て、その死をみとるという労働が、 その他のすべての労働の下位におかれるのか、 という根源的な問題がある。 この問いが解かれるまでは、 フェミニズムの課題は永遠に残るだろう。 上野千鶴子 最後の講義 2022…