2020-01-01から1年間の記事一覧
年明けて、1月の企画のご案内をいたします。オンラインですが、正月ボケに効くと好評の年明けの哲学カフェです。参加希望の方は、このメールへの返信で構いませんので、お気軽にお申込みください。哲学や文学の知識は不要です。聴くだけの参加でも構いません…
バッグの底から、髪の先から、ひじからあごから雨は流れ落ち、わたしはスニーカーのなかで雨を踏み、これ以上はひきのばせないくらいの長い一歩を何度もかさねた。角をまがるところまで来たとき、目を閉じて、息を吐いた。そして祈るような気持で五秒をかぞ…
日が暮れるのが早くなった。 冬はなんというのか、夜にむかって暗くなるというだけのことの、 寂寞の程が尋常ではない。 そんななかにあって、町の灯り、特に新しい店のそれなどは 大いなるやさしさとなり、慰めになる。 都会のクリスマスのイリュミネーショ…
オンライン画面の様子 3回目の「悩める教師ためのオンライン読書会」を開催しました。教育関係者の方も保護者の方も集まって、テーマについて対話をしました。 今回対象としたのは本ではなく、あるブログの記事でした。 ○テーマ:「教育に何を期待しますか…
他の人々の夢だったものを、どういうわけか私が背負って、ここまで何十年も来たらしい。そうかどうか?だから、思い出す。思い出してきた。言うに言われぬ懐かしさをもって。その人を。 『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パウロ会) 十一月の別府鉄輪朝読…
そうですね、三束さん。なんでもないのに、涙が出るほど、きれいです。 『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子(講談社文庫) 十二月、今年最後の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。 十二月の人恋しい季節に、思い切りの恋愛小説を読んでいきます。 内容紹介 (…
風景はひとがいてこそ全うされるような、それが人文学の営みだと考えた。 北海道の開拓団で思い出すのは、京都山科にある一燈園の創始西田天香氏のことだ。 西田氏のことは小島信夫の小説『十字街頭』で知った。 西田氏を題材としているが、小島信夫の小説に…
自分の人生のなかで〈アイヌ〉との接点があったのははるか昔、 19歳の頃大学受験浪人のため新聞奨学生として上京していたときだった。 ほかの新聞奨学生たちと恵比須の寮に住んでいて、 自分の配達する区域と同じところを担当する先輩のAさんが北海道出身で…
歩いて バスに乗って バスから降りて 歩いて 食べて 山 川 空 湖 光 光 目が眩んで 写真を撮って 撮って 撮って 歩いて 話して 笑って 歩いて バスに乗って バスにゆらゆらゆられた 一瞬も飽きることがなかった二日目は光に、大地に、大空に圧倒された一日だ…
毎朝、会社で清掃活動をする。 自分は主に外回りの落葉などを掃く担当になっている。 この時期は落ち葉が多く、毎日毎日掃いても降ってくるが、 清掃後はなかなか清々しい気持ちになる。 ただ積もった落ち葉を掃くと、時折その落ち葉を寝床にするように ダン…
好評のオンライン読書会です。今回対象となるのは本ではなく、あるブログの記事です。その記事を読んでご参加ください。「悩める教師たちの〜」とありますが、教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。 フ…
十一月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。 十一月はフランス巡礼の旅を小説にした 高橋たか子『過ぎ行く人たち』(女子パウロ会)を読んでいきます。女子パウロ会さんは初めて扱う出版社です。お楽しみに! ○課題図書:『過ぎ行く人たち』高橋たか子(女子パ…
あの帽子は わたしがころんだすきに 波にのまれてしまったのです ひろってください 帽子は波にのってただよっています ほら すぐ手のとどくところに あなたが一生懸命 手をのばしたのはわかっています 今日は 海の水がおこっている日 あなたをさえ 波がのみ…
2020年10月15日付 大分合同新聞掲載 今日の大分合同新聞に別府鉄輪朝読書ノ会が記事になっています。 なかなかのQ数の大見出し、そしてカラーで、けっこう目立っていました。 取材して記事にしていただいたWさん、ありがとうございます。 そして、その影響…
日本の人文系の学者の酷さが次から次へと出てくる。こやつらは「自分は賢い!一般国民はバカ」という認識が骨の髄まで染みている。こやつらの共通点は、税金もらって自分の好きなことができる時間を与えてもらって勉強させてもらっていることについての謙虚…
咲き誇る冨士屋ギャラリーのウスギモクセイ 2020.10.11 ここ鉄輪温泉にある明治から続く館、冨士屋さんの庭に、 毎年今の時期、樹齢200年を超えるウスギモクセイの花が 一斉に咲いて、 辺り一帯をあまやかな芳香に染め上げる。 私の家でも、毎朝窓を開けると…
「まあまあ、ええ。あんたの腐れ金玉が歌歌いよるが。」 『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉 こんにちは。 十月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。 十月は『赤目四十八瀧心中未遂』車谷長吉(文春文庫)を読みます。 僕にとっては奇跡のような小説です。作…
この家には、悪はありません。 『眠れる美女』川端康成 九月も末の朝は涼風というか肌寒いような風が吹くなか、 五十三回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回の課題図書は『眠れる美女』川端康成をみなさんと読んでいきました。 ガチの変態小説と銘…
オン哲!(2次会のようす Zoom画面) オン哲!9.20を開催しました。 今回は「死にたい人に手を貸すことはいけないことか?」をテーマに みなさんと対話しました。 対話に入る前にみなさんの考えを聞いてみました。 認める派、認めない派、条件付きで認める派…
最近医師による嘱託殺人の事件がありましたが、目の前に死にたいという人がいた場合、みなさんはどうしますか?本人の意思は問わずに強制的に生きさせて介入・干渉・支援するパターナリズムという言葉もあります。生命と尊厳、自己決定など、この機会にじっ…
夏休みなど、コロナの影響で外に出ることも少なく、 鉄輪近辺を用もなくぶらぶらしていたら、この町の”よさ”が深く染み入ったようだ。 この町は優しいことに気づいた。 それは町の弱さからくる優しさだ。 弱さというのは、激しさ、派手さ、自己主張の反対に…
「秘仏と寝るようだ。」 『眠れる美女』 「私のいつも孤独の部屋であるが、孤独ということは、なにかがいることではないのか」 『片腕』 眠れる美女・片腕・散りぬるを(新潮文庫) 九月の別府鉄輪朝読書ノ会は気分を変えて変態小説を読んでいきたいと思いま…
お盆、夕暮れの別府湾 オンラインでの哲学カフェを開催しました。 今回は気分を変えてテーマを特に設けずに、 参加者の中から話したいものを私が任意でチョイスするスタイルでいきました。 8月15日のお盆の時期に開催したこともあって、 ”お盆”について考…
暮れるにしたがって、風のたび低くうなりながら木炭は赤い色をゆらめかせ、夕空には星、そして見下せば、二日前から灯火管制のとけた谷あいの家並み、ちらほらなつかしい明りがみえて、四年前、父の従弟の結婚について、候補者の身もと調べるためこのあたり…
火口を歩いた。 意外にも近く、家から車で20分少しの所にそれはあった。 ぎらつく太陽光のなか、鉄輪、明礬を抜け、湯布院方面に向かう。 塚原温泉の受付で200円払って、いざ火口へ。 受付から5分くらい歩いたところ、 荒涼たる風景が広がっていた。 砂礫が…
悩める教師のためのオンライン読書会を開催しました。 現役の先生の方もそうでない方も集まって対話の場をもちました。 今回もとりあげた本は、苫野一徳×菊池省三『学校は、何をするところか?』 テーマは〈ほめる〉ことについてでした。 〈ほめる〉というこ…
『アメリカひじき・火垂るの墓』野坂昭如(新潮文庫) 八月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内です。会場のコロナ対策については消毒液の準備や常時換気などで対応をしています。マスクは各自でご準備いただければと思います。参加を希望される方はこのメールへの返…
特にテーマは決めずにごろごろとベッドにでも寝転がりながら、グダグダとフリートークをし、自分の話したいことを話し、問いかけをし、相手の言葉に応答し、隙あらばその内容を哲学していきたいと思います。泥酔でなければ飲みながらでも構いません。まあ仮…
『学校は、何をするところか』苫野一徳 前回好評だったオンライン読書会です。「悩める教師たちの〜」とありますが、私も含めて教師ではないけれど、一緒に考えたい方の参加もOKです。広く学校や教育について考えましょう。また本を入手できずに読めなかった…
オンラインで哲学カフェを開催しました。 はじめはオンラインでの距離感になかなか慣れず、 その届かない(何が?)遠さに戸惑っていましたが、 最近はオンラインの間合いを理解し始めたのか、徐々に慣れていっているようです。 ということで今回のテーマは…