フリースクール
小説はともかく、基本的に本は難しいものでした。それを繰り返し、ていねいに読んで、それまで知らなかった語彙を知り理解することによって、生きるための指針を得たり、必要なことを学ぶ。先生は難しいことを言うものであり、それを聴いて何を言わんとして…
こんな切れっぱしでわたしはわたしの崩壊を支えてきた 『水死』大江健三郎 2023.03.13-19 月曜日 大江健三郎の訃報をツイッターで知る。 未踏の地を歩くときに、かすかにいくあての目印となる星のような大きな大きな存在。 魂の問題をこれほどまでに文学の射…
谷々に、家居ちりぼひ ひそけさよ。山の木の間に息づく。われは うみやまのあひだ 釈迢空 2023.3.6-12 月曜日 河北秀也氏のいいちこ展の影響もあり、 フレスコモデルのいいちこ麦麹を呑んでみたら想定外に体にしっくりくる美味しさで 沼りそう。デザインも唯…
「たまには遊びにきてください」いいちこ 2023.2.27-3.5 月曜日 いい天気だった。 目に映る色彩に赤や黄色がはいってくる。 花粉症の不快感とは別に待ち望んだ季節の生のよろこばしさと直結す。 火曜日 花粉というものの不快感が気力を奪うことも。 水曜日 3…
こんにちは。3月4月は別れと出会いの季節です。うかりゆハウスでも学校へ通い始める生徒もいます。ただ私たちは「卒業」や「お別れ」「おめでとう」という考え方はしません。学校に行っていても多様な学びの場として、いつでも遊びに来てねと言うスタンスで…
不安と絶望を少しでも感じることがこの地上に存在できる最良の道だ。 「ゴダールの決別」 啐啄同時 学ぼうとする者と教え導く者の息が合って、相通じること。 鳥の雛ひなが卵から出ようと鳴く声と母鳥が外から殻をつつくのが同時であるという意から。 禅宗で…
コミュニケーションの重要性と厳しさとがこの本から伝わってくる。安易に対話という言葉が用いられる今日において、大変意味深いものである。そもそも他者と関わることとは、人間が生きていくうえで避けられないことであり、またごくありふれたことでもある…
ひさしぶりにフリースクールうかりゆハウスでこども哲学を開催しました! テーマは「友だちって何だろう?」 フリースクールでこども哲学を初めて半年ほど経って、 ようやくファシリテーターとしてもこどもたちも、 哲学対話がどのようなものなのか、掴んで…
瞑想のなかに平和がある。瞑想自体がその動きだ。それは発見されるべき目的地ではない。思考とか言葉によって組み立てられたものではない。瞑想の行為が知性だ。瞑想は、あなたがこれまで教えられてきたことや、経験してきたことではない。学んだり経験して…
毎朝見るたびに、はつとするほどその書が新らしい 高村光太郎「黄山谷について」 2023.1.30-2.5 月曜日 教えている生徒さんの字が突然上手くなって、 もちろん練習の成果であるわけだが、 自転車に乗れるようになるように、 ある日突然、それは訪れる感の方…
汗牛充棟(コトバンクより) 本が非常に多いことのたとえ。[使用例] その原書の由来と説明とは、いわゆるファウスト文献、一層広く言えばギョオテ文献があって、その汗牛充棟ただならざる中にいくらでもある[森鷗外*訳本ファウストについて|1913][使用例…
2013 涙の兆しはないが、景色からあふれてくるものに浸されている気がした。通夜の客に姿を変えて、故郷というものがあふれてくる、と思えた。 『鳥を探しに』平出隆 メカスは、自分にとってワールド・トレードセンターとは、北斎にとっての富士山のようなも…
Nagasaki , 2010 意拳は実際の組討の中で、往々にして「只一下(ただ一撃)」で戦いを終える。この意拳の奇異な現象を、多くの人は「奪力一摶(すべての力を振り絞って殴りかかる)」、「孤注一擲(すべて運に任せて一息に勝負に出る)」などと理解し、甚だ…
Atami , 2006 するとそのとき、こういったさまざまの文学的関心とはまるで別のところで、それとはまったく関係なしに、突然、一つの屋根、一個の石の上にきらりと光る太陽の光、ある道から立ち上がる香りが、特別な喜びを与えて、私の足をとめさせるのだった…
私がベンヤミンに惹かれる理由のひとつは、そこかもしれません。彼は、最初から断片として構想された形式は、人類の最後の日における美しきものの像を確保している、というのです。 『鳥を探しに』平出隆 2022.12.5-11 月曜日 クロアチア戦、敗北、残念。 で…
人間の幸福というものの幻のような、おとぎばなしのような性質が彼には興味深かった。 『幸福』チェーホフ 2022.11.28-12.4 月曜日 みんなでみかん狩りヘ。 農園は丘陵の上にあり、目線の彼方には海が見える。 潮風を浴び、農薬を使っていない、露地栽培。 …
いやはや、なんのための議論になったのでしたかな!初めは健康のことだったのに、死ぬ話になっちまうなんて。チェーホフ『ヴェローチカ』 光を伝える!こういう言葉は、会話にも本にもありませんが、それを考え出し、頭の中に見つけ出したのですからね!『聖…
OABさんが当フリースクールのこども哲学を取材・撮影してくれて、先日「じもっと!OITA」で放送されました。端的にこども哲学をまとめていただいて嬉しかったです。YouTubeにもアップされたので、ぜひご覧ください。 ↓ www.youtube.com
長い、露のやどった口ひげを撫でながら、彼はずしりと馬にまたがって、何か忘れものがあるか、言い足りないかといったふうで、目を細めて遠くのほうを見た。いちばん地平線や果てしない曠野のあちこちに聳えている物見や古墳が、いかめしく、ひっそりと見お…
〔断章六より〕衝動のようにさへ行はれるすべての農業労働を冷く透明な解析によってその藍いろの影といっしょに舞踏の範囲に高めよ宮沢賢治「生徒諸君に寄せる」 2022.11.7-13 月曜日 新装したサッカーシューズでこどもたちとボールをひたすら蹴る。 蹴って…
ついにはありがたいことにまったく顔を見せなくなったころ、ヘイノ・ヴァンダージュースは視野の隅の方で、粗面積みの石壁と波打つニレの木の合間にきらきらと光る翼の付いた物体が見えたような気がしたことが一度か二度あった。そして奇妙なことに、それが…
イルカの交信がかれらのなき声によってはなされないで、音と音のあいだにある無音の間の長さによってなされるという生物学者の発表は暗示的だ。 武満徹『音、沈黙と測りあえるほどに』 2022.10.17-23 月曜日 夜は冷たい風が吹いたが、 猫のオカユは温泉の蒸…
この巨大な褐色がかった青が、私の魂のなかに落ちてきて、そこで歌っていた。私はこの色に浸り切っていたのです。 セザンヌ 2022.10.3-9 月曜日 子どもが立派なオセロボードを持ってきたのでオセロをする。 オセロというのは手加減というのが難しいし、こう…
◆「絵本 de 考えるカフェ 10.11 」一緒に絵本を読んで、考えることを楽しもう! 最後に絵本を読んだのはいつですか?忘れられない絵本はありますか?絵本の作品世界を味わって、そのテーマに込められた世界観を子どもも大人も考え語り合いませんか?(内容紹…
世界を道徳的に感じとるとは、どういうことなのでしょうか。たとえば、雲ひとつない澄み切った蒼穹へ眼を向け、私たちの上に広がるその青さを感じることなのです。 『天体と自然界の霊的本性たち』ルドルフ・シュタイナー 子供の世界に少しでも近づきたいと…
林檎と梨。 それぞれの物の奥行きの違い。 林檎の方がより複雑に感じられる。 いや、深さの質が違うというべきか。 なぜセザンヌが執拗に描き続けたのか。 僕が完成することを求めるとすれば、それはより真実な、より難しい喜びのためだけであるべきです。 …
普通は空気と総称される物質にも固体化に向かう極小の傾向があり、動物と呼ばれる生命体にも周囲に浸透していく気体状の深さがある。 『セザンヌ 画家のメチエ』前田秀英樹 2022.9.5-11 月曜日 小学生のうかりゆ見学。 発露するエネルギー、好奇心、想像力、…
人間は他人を救うとおなじ次元で、じぶんを救うというようにはできていません。 吉本隆明 2022.9.5-11 月曜日 言葉そのものが救済となるような地平へ。 宗教は救済の地平にはないことに気付け。 宗教がわかりやすすぎる。 株式会社のような宗教。 不可解さに…
◆「絵本 de 考えるカフェ」一緒に絵本を読んで、考えることを楽しもう! 最後に絵本を読んだのはいつですか?忘れられない絵本はありますか?絵本の作品世界を味わって、そのテーマに込められた世界観を考え語り合いませんか?今回も谷川俊太郎の文章を読み…
そこでも重点は それらの原理による統一ではなく 複数への分岐とそれらのあいだのバランスだった 高橋悠治 2022/8/29_4 月曜日 オンラインで副代表と午後からずっと打ち合わせ。 自分たちのやりたいことが見えてきた。 詰まっていたもの、滞りのあったところ…