対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

読書会

【開催案内】第百十回 別府鉄輪朝読書ノ会 7.27

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 7.27」 世界が発狂しているので、静謐なシッダールタの物語を読みたいと思います。何度も読み返している本です。いくつかの翻訳がありますが、私淑する手塚富雄先生の格調高い名訳で読んでいきます。 「この本には、正しくあれ、と言…

【開催案内】第百九回 別府鉄輪朝読書ノ会 6.29 ※満員御礼

私を、いたわってくれた。人生の優しさに私は呆然とした。 『東京八景』太宰治 あっという間に満員になってしまいましたが、、 六月は桜桃忌、太宰治の命日です。又吉さんをはじめ、今なお熱狂的なファンを持つ太宰治。その中期作品群を読んでいきます。有名…

【開催報告】第百八回 別府鉄輪朝読書ノ会 5.25

第百八回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回の課題図書は穂村弘さんの『短歌ください』でした。 この本を読んでお気に入りの短歌を探しつつ、事前に自作の短歌を作っていただき、それをみんなの前で詠むという初めての試みをしました。 読書会に創…

【開催案内】第百八回 別府鉄輪朝読書ノ会 5.25

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 5.25」五月は、短歌の世界に分け入っていこうと思います。 『短歌ください』穂村弘(角川文庫)を読みます。この中から一首お気に入りの短歌を選んで当日詠んでください。そしてあなたの短歌を一首つくって当日詠んでください読書会と…

【開催報告】第百六回 別府鉄輪朝読書ノ会 4.27

「その「手伝う」っての、ちょっとやめてくれる?」 『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ 第百六回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回は韓国の小説『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュを読んで、みなさんと感想を語り合いました。…

【開催案内】第百七回 別府鉄輪朝読書ノ会 4.27

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 4.27」 四月は、韓国のフェミニズム文学を扱います。『82年生まれ、キム・ジヨン』チョ・ナムジュ(ちくま文庫)を読みます。 韓国136万部、日本29万部、32の国・地域で翻訳圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」世界を揺るがした…

【開催報告】第百六回 別府鉄輪朝読書ノ会 3.30

自分たちが弱いままでは安全に生きていけないことが悲しくもあった。 *** 自分は今、抗う人を見たかったのだ、と敬子は気づいた。抗う人たちの中にいたかった。 『持続可能な魂の利用』松田青子 三月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。年度末のお忙しい中…

【開催案内】第百六回 別府鉄輪朝読書ノ会 3.30

日本の女の子たちが最弱に見えた。とても弱々しい生き物に。 --------- 敬子の頭に、今度ははっきりと、こう浮かんだ。 これでは日本の女の子が負けてしまう。 『持続可能な魂の利用』松田青子 ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 3.30」三月は、30代女性の推しとおじさ…

【開催報告】第百五回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.23

箱田光生は元旦那だ。まさかさんと付き合い始めたせいか、それとも平木さんに元旦那の話を聞かれたからかは分からないけれど、離婚から十年以上ほとんど私の頭を過ることすらなかった元旦那の存在が、なぜか今、少しずつ無視できないものになりつつあるとい…

第百五回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.23

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 2.23」 二月は、中年の物語を扱います。金原ひとみ『ナチュラルボーンチキン』(河出書房新社)を読みます。 新しい世界を見せてくれーー。ルーティンを愛する45歳事務職×ホスクラ通いの20代パリピ編集者。同じ職場の真逆のタイプの女…

【開催報告】第百四回 別府鉄輪朝読書ノ会 1.26

一面だからこそ、もしかしたら、家族や、親友や、同僚には到達できない、その人の胸の奥の、ずっとずっと奥にあって、その人がその人である証拠のようなもの、世界でたったひとつのエンジンのようなものが駆動するのを、その音を、見たり聞いたりできるのか…

【開催案内】第百四回 別府鉄輪朝読書ノ会 1.26

◆第百四回 別府鉄輪朝読書ノ会 1.26来年一月は、読書会をテーマにした小説をとりあげます。直木賞候補になっていますが、きっと受賞すると思います。お楽しみに♫ 本を読み、人生を語る。人が生のままの姿になり言葉が溢れだす。そんな幸福な時間をぎゅっと閉…

【開催報告】第百三回 別府鉄輪朝読書ノ会 12.22

十二月、今年最後の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回とりあげた作品は初の詩集で、先月亡くなられた谷川俊太郎の詩選集2を集英社文庫から選びました。 最初に、簡単な自己紹介と全体的な感想、そしてこの詩集から一つお気に入りの詩を選んで朗読して…

【開催案内】第百三回 別府鉄輪朝読書ノ会 12.22

なんでもないものの尊厳 『定義』谷川俊太郎 十二月は谷川俊太郎を追悼し、彼の詩を読みたいと思います。この読書会で詩を扱うのは最初で最後かもしれません。この詩集を完読し、当日はこの詩集のなかから一つ気に入った詩を選んでください。(できたら朗読…

【開催報告】第百二回 別府鉄輪朝読書ノ会 11.24

ずっと思っていたことがあるんよ。人間が信仰を捨てることはままある、そいでも信仰を取り戻すことなんてできるんでしょうか。何かをふたたび信仰することはできるんでしょうか。 『かか』宇佐見りん 十一月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回は宇佐…

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ちょっと前になりますが、大分合同新聞さんにて百回目の別府鉄輪朝読書ノ会を 取材していただき記事にしてもらいました。ありがとうございました。 これからも人文学、純文学の読書文化を微力ながら下支えしていきます。

【開催報告】第百一回 別府鉄輪朝読書ノ会 10.27

ただ存在するということがいかに大変か、それに耐えられないから、みんな勉強したり働いたりするのかもしれなかった。 『植物少女』朝比奈秋 十月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今月は朝比奈秋さんの『植物少女』をみなさんと読んで感想を交わしまし…

ハン・ガンさん、ノーベル文学賞おめでとうございます!

以前この読書会でもとりあげた韓国の文学者ハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞しました!おめでとうございます。自分のことのように嬉しくもあり、納得です。いいとこ見てるなあー。 news.yahoo.co.jp 2021年に『菜食主義者』を課題図書としましたが、近…

【開催案内】第百一回 別府鉄輪朝読書ノ会 10.27

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 10.27」十月は『植物少女』朝比奈秋(朝日新聞出版)を読んでいきます。美桜が生まれた時からずっと母は植物状態でベッドに寝たきりだった。小学生の頃も大人になっても母に会いに病室へ行く。動いている母の姿は想像ができなかった。…

【開催報告】第百回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.29

「この世も終わりだよ。人間が一等車に乗り、書物が貨車にのせられるようになったら!」 『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス 第百回目の別府鉄輪朝読書ノ会を無事開催できました。満員御礼でした。 参加者のみなさまといつもメニューを考えていた…

【開催案内】第百回 別府鉄輪朝読書ノ会 9.29

長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らくアウレリャノ・ブエンディア大佐は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を思いだしたにちがいない。 『百年の孤独』ガルシア=マルケス 『百年の孤独』ガルシア=マルケ…

【開催報告】第九十九回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.18

ぼくがパレスチナで知っていた神も、やはりパレスチナから逃げ出していったのだということを、ぼくはもはや疑わなかった。 『悲しいオレンジの実る土地』ガッサーン・カナファーニー 俺はまた別の見方からいうと、俺達は商品的状態なんじゃあねえかって言い…

【開催案内】第九十九回 別府鉄輪朝読書ノ会 8.18

◆「別府鉄輪朝読書ノ会 8.18 」 八月は毎年戦争に関する文学を読んでいます。今年はパレスチナ人作家で36歳で爆殺されたガッサーン・カナファーニーの『ハイファに戻って/太陽の男たち』(河出文庫)を読んでいきます。 何かを「知りたい」と思うとき、その…

【開催報告】第九十八回 別府鉄輪朝読書ノ会 7.28

一体、この美しさの正体は、何なのだろう?…自然のもつ、物理的な規律や、正確さのためか、それとも逆に、あくまでも人間の理解を拒みつづけようとする、その無慈悲さのせいかなのか? 『砂の女』安部公房 八月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。暑い中で…

【開催案内】別府鉄輪朝読書ノ会 7.28

労働を越える道は、労働を通じて以外にはありません。労働自体に価値があるのではなく、労働によって、労働をのりこえる・・・その自己否定のエネルギーこそ、真の労働の価値なのです。」 『砂の女』安部公房 ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 7.28 」 じめじめした梅…

【開催報告】第九十七回 別府鉄輪朝読書ノ会 6.30

「俺、これから何もしなかったら、今の俺のままじゃん、これから先ずーっと」 『何者』朝井リョウ 六月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回とりあげた作品は朝井リョウ『何者』でした。 就活を通して、何者かになろうとする者、拒絶する者、順応して…

【開催案内】第九十七回 別府鉄輪朝読書ノ会 6.30

探していないふりをしながら、ずっと探していた。後ろにいたのか、と、冷静に思う。 『何者』朝井リョウ ◆「別府鉄輪朝読書ノ会 6.30 」六月は『何者』朝井リョウ(新調文庫)を読んでいきます。すべての就活生と働く人に。就活対策のため、拓人は同居人の光…

【開催報告】第九十六回 別府鉄輪朝読書ノ会 5.26

だったら、殺すために孕もうとする障害者がいてもいいんじゃない? 『ハンチバック』市川沙央 五月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。 今回とりあげた作品は市川沙央さん『ハンチバック』でした。 様々なテーマが内包されていて議論の尽きない回で、これ…

【開催案内】第九十六回 別府鉄輪朝読書ノ会 5.26

私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、ー5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無知…

【開催報告】第九十五回 別府鉄輪朝読書ノ会

結果、暗い深海にもぐったまま、どんな罠も仕掛けも策も及ばぬ遠くを目指すことにしたのだろう。それでこっちも、どんな人間も追いつけないところまで追いかけることにした。世界中のだれも手も届かないところまで追うことにした。そのあげく、いまこうして…