対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】哲学カフェ大分 4.20

 

4月の哲学カフェを開催しました。

今回は14名で「自分らしさとは」をテーマに3時間かけて、

ソクラティク・ダイアローグの手法を使い哲学対話していきました。

考えて、話して、聞いての3時間でした!ありがとうございました。

 

 

最初に時間の節約もあり、事前に今回のテーマに関しての問いとエピソードを

みなさんから集めて、それを発表してもらいました。

 

 

みなさんの問い

・「自分らしさ」とは他者が規定していくもの?自分で決めるもの?

・自分らしいということは今までの自分を貫くこと?それとも今までとは違う自分になること?スタンダードな自分とはどんな自分?

・反発と渇望「らしさ」に内在する二面性は何を意味するのか?

・「よそ行きの自分」と「うちの中の自分」はどちらも「自分」なのか?

・人が思う「自分らしさ」と、自分が感じている「自分らしさ」が一致しないと、
落ち着かないのはなぜ?

・“自分らしさ”に捉われることがかえって自由な心や行動の
足かせになっていることが多くないだろうか?

・自分らしさは、図らずとも他人(周囲)の影響を受けて決定していることもあるのではないか?

・自分らしさを決めるのは誰?

・自分らしさと個性の違いは?

・「自分らしさ」は自分自身を縛り付けるものなのか?

・「自分らしさ」はいつ自覚する?

・他人から見た「自分らしさ」は重視すべきか?

・旅と自分らしさの関係は?

・自分らしさと個性の違いは?

・そもそも「自分らしさ」ってあるのだろうか?

 

 

問いとエピソードを紹介してもらいつつ、深掘りしていきました。

補助線として「ジョハリの窓」を援用して考えるヒントにしていきました。

 

それぞれのエピソードを交えつつ対話を重ねることで、「自分らしさ」の本質が少しずつ

浮き彫りになっていきました。左側の記述が最後です。

 

印象的だったのは、具体的なエピソード(肉親の話)を事例に考えることにより、

他者理解が進んでいったことです。近い距離の人を理解するって一番難しいですよね。

そして理解(自己も他者も)は次の段階として、関係性の改善が自動的に促されたり

することがあると思います。「あ、そうだったんだ、あれは」。

 

 

仮にキーになるような概念として

・思考の癖

・自己認識と他者認識の双方

・場(場面)で生ずる関係性

・役割と属性

・積み重ね

・先天性(生まれ持った条件)と後天性(経験)

 

みたいなものが抽出されていきました。このあたりで2時間ちょっとでした。

 

そして最後のまとめの記述を全員で絞り出していきました。

まとめの記述(わたしたちの結論)

1 「自分らしさ」とは、生まれもった条件と折り合いをつけたり、他者との関係(環境)の中で積み重ねられたりしながら、変化していくもの。

 

2 「自分らしさ」とは、自分の捉え方次第で、自分の人生を豊かにも不幸にもするものである。

 

3 「自分らしさ」とは、認識に上ってこない、素の自分のことである。

 

 

まとめの記述が、最初のみなさんの問いに応えているか確認していきました。完璧な文章ではないものの、大方応えているようでした。

 

今回は3時間でも足りなかったなという実感がありました。トピックとして他に深掘りしていく必要なもの特に3や、別の視点(役割や役職)からの問いなど、合宿形式でやるレベルのテーマだったかもしれません。私個人としては労働(役割)がその人らしさを作ると考えているので、それはまた別の機会にじっくり考えたいです。

 

 

ご参加ありがとうございました。また対話の場でお会いしましょう。