対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】第九十三回 別府鉄輪朝読書ノ会 2.25

 

 

 

その年に動物たちはみんな奴隷のように働きました。

 

動物農場ジョージ・オーウェル

 

 

 

2月の別府鉄輪朝読書ノ会はジョージ・オーウェルの『動物農場』を課題図書とし、参加者の皆さんと読んでいきました。

 

初めは志高く、理想に向かっていたのに、どこで歯車がおかしくなっていったのか・・反対意見を言うスノーボールを追い出してからだ、識字力が問題だ、暴力装置ができたこと、言われるがままで考えないこと、歴史を修正したから、寛容性がなくなったから、属性で分けたから、いやそもそも最初から怪しかった、、などなど権力が腐敗していった過程をみなさんと見ていきました。

 

 

そのなかで(文脈からずれた)猫のようにありたい、でも猫のような自己責任は大変だぞ、知らなくて良いこともある、自分の役割があればどんな環境でも幸せかもしれない、誰しもが権力を与えられたら変容する?などなど、いろんな意見が聞かれました。

 

 

今日本でこの本が読めて、そして語ることができるという環境を有り難く思いつつも、ではどんな世界が理想として描けるのか、平等とか対等があり得るのかとか、非常に難しさを感じました。利子のない腐る貨幣としての地域通貨の話もありましたが、こういう読書会や哲学対話の場でも地域でも、ニュートラルな社会の余白を作れたらと思っています。(権力の発生しにくいシステムの在り方はあり得るはず。一期一会とか)

 

 

 

今日のむすびのさんの特製メニューはロシアの農民料理である、酸味のある野菜スープに豆の入ったシチー、ライ麦の黒パン、カーシャという蕎麦の美のおかゆでした!珍しいお食事、ありがとうございました。美味しかったです。

 

ご参加ありがとうございました。

 

3月は深沢七郎の『楢山節考』を読んでいきます。役に立つ、立たない?って何なのか考えたい。