対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催案内】 第二十四回 別府鉄輪朝読書ノ会

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三月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。

三月は吉村萬壱さんの『ボラード病』を読んでいきたいと思います。

ぼくは三月になるといつもこの小説を思い出します。

 

内容(「BOOK」データベースより)

B県海塚市は、過去の災厄から蘇りつつある復興の町。皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく―。集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。

 

参加希望の方はホームページよりお申し込みください。

kannawanoasa.jimdo.com

【開催報告】第二十三回 別府鉄輪朝読書ノ会

二月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。今回は遠く関西方面からの参加もあり、旅の途中での読書会というのもなかなか有意義だなと思いました。冬と氷と温泉と。今回は極寒の冬にぴったりの小説、アンナ・カヴァンの『氷』をみなさんと読んでいきました。

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最初に感想を聞いたところ、セカイ系のはしり、1960年代の作品なのに古さを感じない、酩酊する、夢の中にいるようだ、つかみどころがない、感情移入ができないなど、作品から拒絶されるような読みづらさがみなさんにはあったようです。そのなかでも、意味や理由、動機を問うてはならない作品なのではという意見もありました。f:id:kannawadokusho:20180225195340j:plain

むすびのさん提供の軽食は、エビアンの水(氷河期に形成された地層を通過して流れた硬水)で淹れた凍頂烏龍茶、どの登場人物たちにも名前がないのにかけて、名前のない丼(ごま油で揚げた鳥もも肉に玄米)でした。たいへん美味しかったです。

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みなさんと感想をシェアする中で、意外に笑えるというのか作品内のいろんな矛盾や飛躍をまともに考えると笑えてしまう場面が多いことにも気付き、想定外でしたが笑いの絶えない楽しい回になりました。

 

今日もご参加ありがとうございました。3月は吉村萬壱さんの『ボラード病』を読んでいきたいと思います。

 

 

【開催案内】2月の別府鉄輪朝読書ノ会

 

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こんにちは。鉄輪も昨日は大雪が降りました。ただ温泉があるおかげで、地面に積もってもすぐに溶けてしまいます。地面が凍るということはないのでしょう。家の水道管にながれる水もほのかにぬるい。地熱に温められていますね。冬はありがたいです。

 

さて2月の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。こんな寒い時期に凍れる小説を読みたいと思います。アンナ・カヴァン1967年の作品『氷』(ちくま文庫)です。

 

 

内容紹介

氷が全世界を覆いつくそうとしていた。私は少女の行方を必死に探し求める。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで読者を魅了した伝説的名作。

内容(「BOOK」データベースより)

異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。やがて姿を消した少女を追って某国に潜入した私は、要塞のような“高い館”で絶対的な力を振るう長官と対峙するが…。迫り来る氷の壁、地上に蔓延する略奪と殺戮。恐ろしくも美しい終末のヴィジョンで、世界中に冷たい熱狂を引き起こした伝説的名作。

 

 

ご関心のある方は、ホームページよりお申込みください。

 

 

 

【開催報告】第二十二回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

今年最初の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。寒いなかでしたが、多くの方に参加していただきました。今日の課題図書はリクエストの多かった筒井康隆の『旅のラゴス』。旅の明確な目的がないところ、理性的なところ、あっさりしているところにこの小説の良さがあるとの指摘に納得しました。

 

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むすびのさん提供のドリンクはモンゴルで飲まれているというスーテーツァイというお茶。牛乳と生クリームにバターの紅茶でありながら岩塩がきいていて甘くなく、遠い国からの味がしましたね。

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軽食は厚切りベーコンとマッシュしたじゃがいものクロックムッシュ。あと昆布だしと大根のきいたトマト入りのスープでした。

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寒すぎて温泉の蒸気口で蒸される鉄輪ネコさん。

 

寒い2月は凍れるアンナ・カヴァンの『氷』を読んでいきたいと思います。

 

【ご案内】1月の別府鉄輪朝読書ノ会

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新年最初の別府鉄輪朝読書ノ会の案内をします。1月は参加者からのリクエストの多かった筒井康隆『旅のラゴス』(新潮文庫)をとりあげたいと思います。ご興味ありましたらぜひご参加ください。

 

内容(「BOOK」データベースより)

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

 

参加のお申込み - 大分・別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

今年もありがとうございました。

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鉄輪温泉の年末は観光客の方が増えるものの、とても静かです。

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ぼくはすじ湯温泉によく入ります。

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シャンプー、石鹸は使えません。純粋に湯に浸かるだけの湯治スタイルです。湯の質は鉄輪のなかでも一番だと思います。

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オカユさんと遊び、

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読書に勤しみます。

 

年末年始は読書する時間がまとまってとれるので有り難いものです。今は、山本芳久著『トマス・アクィナス』を読んでいます。この本はトマス・アクィナスについて書かれたものでありながら、同時に書物とは何か、本を読むとは何かの問いにも端々で触れています。たとえばこんな一文。

 

偉大な思想家の思索の全貌を薄く広く要約的に紹介するだけの「入門書」は、結局、何に対しても読者を「入門」させてくれない。真の入門書は、読者を門のなかへと導き入れ、たとえ遅々とした歩みであったとしても、読者が自らの足で歩み始めることができるよう、促すものでなければいけない。

 

別府鉄輪朝読書ノ会もまた、遅々としたものであることを恐れず、じっくりと一つの作品に向き合っていきたいと思います。来年もまたみなさまのご参加をお待ちしております。よいお年をお迎え下さい。

 

 

 

 

【開催報告】第二十一回 別府鉄輪朝読書ノ会

こんにちは。第二十一回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。主催者のシミズです。朝から小雪のちらつく寒い日でしたが、多くの方に集まっていただきありがとうございました。今回はみなさんと宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んでいきました。

 

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賢治愛を語る方あり、冒頭の一文にやられるという方あり、独特の語感、描写のきれいさに感心する方あり、また法華経の世界観から語る方もいました。

 

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今日のドリンクは宮沢賢治が好きだったサイダーが提供されました。御当地サイダーを集めてもらいました。

 

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フードは作品にも出ました芋と豆腐と揚げのシチューと玄米の焼きおにぎりでした。たいへん美味しかったです。

 

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店長の河野さんからは、銀河鉄道の夜の特別きっぷにちなんで、収集していた昔の国鉄の切符を見せてもらいました。今で言う乗り鉄だったようです。

 

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切符を切る鋏の形が全部違う❗️

 

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年内の読書会はこれで終わりです。年明けて1月は筒井康隆の『旅のラゴス』をみなさんと読んでいきます。お楽しみに。