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大分・別府鉄輪朝読書ノ会

大分県別府市鉄輪にて毎月開催しています課題図書形式の読書会です。

【開催報告】第十一回 別府鉄輪朝読書ノ会

 

こんにちは。別府鉄輪朝読書ノ会主催のシミズです。先日、第十一回目の開催をしました。課題図書は田中小実昌の『アメン父』という入手しがたい作品だったにも関わらず、多くの方に参加いただいて嬉しかったです。ありがとうございました。

 

自己紹介を兼ねつつはじめに全体的な感想を聴いていきました。「書く人も書かれた人も普通じゃない」「以前から蔵書として持っていたが未読だったので、今回の参加を機に読んでみた」「脈絡がない」「ひらがなの多用。これ必要なの?という文章が多かった」「章立てがない。他の方がどう読んだのか知りたい」「初めて知った作家」「明治期の宗教家の人生に興味があった」「再読してみて自分の思考形式の原点になっていることに気付いた」などなど。

 

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本文中にたびたび出てくる「宗教はココロの問題ではない」という一文をめぐって、さまざまな意見や問いが交わされました。宗教において心のよりどころとは違う関わり方とはなんでしょう。簡単には答えられない問いだからこそ、安易な理解、わかったつもりを避け、断定や定義づけ、ラベリング整理や分類を拒んだ思考、その文体がうねるように展開されていく『アメン父』。伝記ではない、物語化に抵抗しつつ描かれる父にすっきりした美しい文章にはない迫力を感じたのではないでしょうか。

 

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むすびのさんから提供されたメニューは呉や海軍に着想を得た、玄米の甘酒、鳥皮出汁のお味噌汁、ふかふかの生地に肉じゃがの入ったパンでした!美味しくいただきました。

 

今回はイメージ(写真)による安易な理解への拒絶を示した作者に敬意を払って写真掲載は最小限にしています。宗教については普段はあまり表立って話すことがないので、今回はいい機会になりました。対話中に出た〈愛を超える理論〉とはなにかという問いが個人的に宿題となりました。みなさん、よい時間をありがとうございました。

 

次回3月は川上弘美さんの『真鶴』をとりあげます。