対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【課題本の紹介】『対岸の彼女』 角田光代

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専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。

 

六月の別府鉄輪朝読書ノ会でとりあげる本は、

角田光代さんの『対岸の彼女』です。

人と人との分かり合えなさ、大人になること、成長するとはどういうことなのか、

専業主婦とは、働くとは、女性同士の友情とは..

常に彼女は対岸にいる、その断絶を描き切った傑作だと思います。

ご興味ある方は、ホームページよりお申し込みください。

 

参加のお申込み - 別府鉄輪朝読書ノ会

 

 

 

 

『やし酒飲み』 原文紹介

『やし酒飲み』は日本語訳もまた創意工夫に満ちたものなのですが、

超訳すぎるのでは?という声もありましたので、

会の中でも話題となった一文をとりあげてみたいと思います。

 

岩波文庫でいうと、76ページの1行目に王様との対話のやりとりがあるのですが、

王様が「どこから来たのか」という質問に、

わたしは、「地球から来ました」と答える場面。

この〈地球〉というのが唐突と言うか異様で笑えるのですが、

原文はどうなってるんだろうという

疑問が上がりましたので調べてみますと…

where were you coming ? I replied that we were coming from the earth.

とあって、まぎれもなく〈地球〉でした!

 

 

『やし酒飲み』はカタコトの英語で書かれており、

比較的平易な英文なので、容易に原書をたどることができます。

もし錆びついた英語力を磨きたい、訳文と比較したいと思っている方は、

原書に挑戦してみるのも面白いかもしれませんよ。

 

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第二回 開催報告。

第二回目の別府鉄輪朝読書ノ会を開催いたしました。

今回はエイモス・チュツオーラの『やし酒飲み』を課題本とし、

マイナーな作品だったので参加者が集まるのか心配しましたが、

おかげさまで満員御礼となりました。

参加者は15名(女性10名/男性5名)でした。

この読書会の機会がなければ一生読むことがなかっただろうという声が多く、

マイナー文学を紹介していくのも読書会の役割かもしれないと思いました。

 

『やし酒飲み』は語るのが難しいかなと予想していたのですが、

みなさんとの対話は笑いの絶えない会となり、

内容は奇想天外、筋も文法もおかしく、いきあたりばったりで

ぺージをめくるごとに驚きやクエスチョンマークが浮かび、

突っ込みどころ満載だという声が多く聞かれました。

みなさんそれぞれの「読み」の深さ、鋭さに気付かされることが多く、

同じ本を読んでも、こうも違うのかと大いに刺激を受けました。

 

月1の日曜日に開催していますので、

またの参加をお待ちしております。

 

今回も坂本さんに、開催風景を撮影していただきました。

ありがとうございました。

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やし酒にちなんで、ココナッツオイルのミルクがむすびのさんより提供されました。

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アフリカをイメージしたエスニックな料理も!

ボリュームもあり美味しかったです。むすびのさん、ありがとうございました。

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【メディア掲載】今日新聞

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別府地元の愛すべきローカル新聞、

今日新聞さんに第一回の別府鉄輪朝読書ノ会を

記事にとりあげていただきました。

意見交換というとニュアンスがだいぶ違うのですが。。

読んだ本の感想を気楽にシェアする会で、

意見を熱くぶつけあったりということはありません(^_^;)

初参加の方、大歓迎です。

お気軽にご参加ください。

 

 

 

GWは瀬戸内海の島々を旅しました。

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GWは晴天の合間を縫って四国に渡り、瀬戸内海の島々を巡る旅をしました。

島々といっても、直島と豊島だけですが。

特に豊島の豊島美術館は静かで繊細で、従来の美術館のイメージを覆す、

自然と融通無碍の空間を一体となって味わうような美術館でした。

人に内省を促すような静けさと残響がこだまします。

豊島へは高松からフェリーが出ています。オススメです。

 

 

課題図書の紹介『やし酒飲み』エイモス・チュツオーラ

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「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。その途上で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、指から生まれた赤ん坊、不帰(かえらじ)の天の町……。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高峰。1952年刊。

 

第二回目の別府鉄輪朝読書ノ会の課題図書は、

エイモス・チュツオーラの『やし酒飲み』をとりあげます。

作者のエイモス・チュツオーラはナイジェリアの作家(1920-1997)ですので、

大きくはアフリカ文学という範疇に入りますが、英語で書かれた小説です。

 

冒頭はこんな文章で始まります。

「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。」

冒頭からすでに、わたしたちの生きている世界の論理や常識から外れた

肌触りがします。

 

 

ラテンアメリカ文学は読まれている方でも、

アフリカ文学はなかなか触れる機会がないだろうと思い、

今回この作品をとりあげてみました。

どんな〈読み〉があるのか、みなさんの感想が楽しみです。

まだ残席ありますので、気になる方はぜひホームページより

お申し込みください。

 

http://kannawanoasa.jimdo.com

シミズ

 

 

開催風景

運営にもご協力いただいたSさんより、

すてきな開催風景の写真を送っていただきました。

ありがとうございました。

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むすびのの田中さんに、今回の軽食メニューのコンセプトを話していただきました。

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むすびのオーナーの河野さんに、これからの展望などを語っていただきました。

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みなさま、おつかれさまでした!ありがとうございました。

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