五月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
緊急事態宣言が解除された影響か参加者もすこし戻ってきました。
今回読んだのはベストセラーになったレティシア・コロンバニの『三つ編み』。
ベストセラーになっただけあって、とても読みやすい作品で(褒め言葉かわからない)
先が気になって一気に読んだという方が多かったです。
この作品はフェミニズム文学とも呼ばれているようで、
女性の生きづらさに対しての議論を非常に喚起しました。
それぞれ3人が抱える女性の「生きづらさ」は質的にもそもそもの背景としても
全然違うのですが、自分ではどうすることもできない「差別」「病」「経済」に
対して戦っているところが共感を呼んだのでしょう。
対話のなかでは、「戦う」とか「守る」といったことに疑問が呈せられ、
それとは別の生き方もあるのではという意見がありました。
またこの作品の世界観は甘いとの意見も。男女の間でも温度差がありました。
国内での差別や偏見はわかりやすいけども、
国家間における搾取は気付きづらく、
この作品はそれに荷担してはいないかという鋭い指摘。
ご参加ありがとうございました。
次回六月は大江健三郎二十三歳のときの作品、
現在のコロナの閉塞した状況に似た『芽むしり仔撃ち』を読んでいきます。
参加希望者はホームページからお申し込みください。