対話と人と読書|別府フリースクールうかりゆハウス

別府市鉄輪でフリースクールを運営しています。また「こども哲学の時間」など

【開催報告】こども哲学の時間 8.16

 

 

別府フリースクールうかりゆハウスで「こども哲学」を開催しました。

 

今回は中学生のふたりと「やさしさ」について考えて、語って、聴き合いました。

 

最初にこのこども哲学の趣旨、

 

・テーマ設定に「やさしくあれ」のようなメッセージはないこと

・正解はないから自由に発言していいこと

 

を説明して(初参加なので慎重に始めました)、

この回で呼ばれたい名前(Pネーム)を考えてもらいました。

Pネームをつくるのは、ふだんの自分から離れて思考することを

促しているのだと思います。

 

 

守ってくれるやさしさ、そっとしてくれるやさしさ、

自分が不利になるかもしれないリスクがあるなかでのやさしさ、

人によく思われたいからするような良くないイメージのあるやさしさ、

甘さや親切、八方美人とどう違うのか、

隠すやさしさ、加減のあるやさしさ、怖いやさしさ、不純な動機のやさしさ、

自分を磨り減らしてしまうやさしさ、犠牲をともなうやさしさ、

誰に向けられたものなのか、常識を超えること、

あたたかいもの、ほっとするもの、やすらぐもの、

表面的なもの、深いもの、自分を度外視すると「愛」に変わる?

相手に本気で寄り添うこと、自分への優しさはあるの?

 

 

「やさしさ」をめぐって、みんなでぐるぐるぐるぐる、考えました。

自分の具体的な過去のエピソードを話せる自己開示もあり、

場がそれこそあたたかく、やさしさを感じました。

話すことと聴くことが同じくらいの丁寧さと真摯さをたもちながら、

なんというのか、こういう体験の貴重さを思いました。

 

 

いろんな自分とは違う意見が聞けてよかった、

自分の話を目を見て聞いてくれて安心した、

時間が足りなかった、自分の気持ちをまとめられた、話せた

真剣に耳を傾けてくれて優しい時間が流れて泣きそうになったなどの

感想がありました。

 

 

世界との齟齬を感じ、小数の側になって孤立して、

自分の心のともしびが消え入りそうになっているのならば、

自分の文脈を否定されず、自分の言葉を自由に取り戻すことで、

小さなでも確実な崩れない足場を見つければ、そこに希望を見いだせると思います。

そういった力が、哲学対話にこども哲学のなかにあることを今日も確認できて、

勇気を得ました。

 

 

ご参加ありがとうございました。