大分で国語の専門塾を展開されている紫雲国語塾さんにて〈大人の国語〉という授業を受けてきました。
〈大人の国語塾〉とは、大学や学校などを卒業して社会に出たのち、あらためて国語の大学受験問題を解いて、国語とは何だろうかと考える会です。
今回は第二回目の開催で、ジャンルは「評論(随筆)」でした。
40分くらいの時間を与えられて、関東の某有名私大の試験問題を解きました。
もうだいぶ前の話になりますが、僕は大分の普通科高校を出て上京をし、
1年間新聞奨学生をしながら、千駄ヶ谷にある予備校の河合塾に通って
浪人生活を過ごしていました。
そこでの予備校の授業は、田舎から出てきた青臭い青年の僕にとって
なにもかも衝撃的で、当時の最先端の哲学や文学、社会情勢を
高校の先生とはまったく別次元の話術、授業転換力をもった超一流の予備校教師が
授業の合間や脱線と言う形で教えられ、僕は乾いたスポンジが水をぐんぐん
吸水するように、食い入るようにそれらの話を熱くなって聴いていたのでした。
浪人生活は回り道だったかもしれませんが、
僕にとってその一年間は、人生のなかでも非常に大きく重要な体験で満ちており、
大学へ入学したときにストレートで入ってきた学生との世界観、価値観の違いに
驚くこともありました。
今回の企画で、久しぶりに受験問題を解くなか、いくつかの大きな発見が
ありました。
受験生の頃は、問題を作成する側の人を罠にはめようとする意地悪な人間としてしか
イメージしていませんでしたが、今になって問題に触れてみると、
そこには受験生へのエールやたくさんメッセージが含まれており、
意地悪どころか受験生への愛情にあふれたものだったことに気づきました。
年を経て出題者の側に立つことができたともいえます。
その大学が考えに考えた問題は、
大学で何を学ぶのか、大学とは何かというエッセンスがたぶんに含まれています。
これを読んでいる方も機会があれば、大学の特に現代文の過去問題を解いてみると
大きな発見があるかもしれません。
紫雲国語塾さま、たのしい企画をありがとうございました!
また次回もお伺いしたいと思います。