その夜のランニングは六月にはじめて、走ることを命じられた夜に似ていた。
『草の響き』佐藤泰志
こんにちは。
十月の別府鉄輪朝読書ノ会を開催しました。
今回選んだ作品は佐藤泰志『きみの鳥はうたえる』『草の響き』でした。
80年代のまだ「余力」のあった日本の風景、文化を旧懐しつつ、
計画性は忌避され、いきあたりばったりこそが日常だった時代。
その瑞々しい感性と人間くささと抒情性をみなさんと読み交わしました。
同い年の村上春樹の世界観や最近つくられた佐藤泰志原作の映画との比較でも語られ、
かつての20代の頃の自分がそこにいるかのような既視感を覚えたりもしました。
わたしにとって、とても好きな作品たちです。
この日のむすびのさん特製メニューは、
ビートルズから着想して、英国のミルクティーとリヴァプールの郷土料理スカウス。
あたたかくてほっこりしました。美味しかったです。
ご参加ありがとうございました。
来月は日本の鉄道開業150周年を記念して
内田百閒『第二阿房列車』を読んでいきます。
お楽しみに。